
空を舞う飛空艇の中、(元)盗賊は部屋に彼女と2人で居た。
とりあえずのコーヒーを飲む。
「いろいろ合ったな。」
「合ったわね。」
そしてしばらくの沈黙。
いろいろな事があった。
海賊に加わり、三刀流で名を馳せたこと。
グランドラインに拘る船長との確執。そして別離。
その後、天国のエージェントの軍に捕まり、命の保証と引き換えに特殊部隊に属した。
軍では老婆だった少女との再開があった。そのとき彼女は軍幹部である(元)盗賊の兄の女性となっていた。
しかし、互いに惹かれあう(元)盗賊と少女。少女をめぐる兄との確執。
軍で黙々と働き、小野妹子たちの鎮圧戦に赴いた。圧倒的戦力での鎮圧。
しかし、小野妹子は「クモノイト」と呼ばれる少女を見つけ出していた。彼女は「エンマ」システムと対話するために必要なキーだった。
キーを託された(元)盗賊は(元)老婆たちと一緒に再び軍部を脱出。
再び海賊へ。
海賊たちに押し寄せる空賊化の波。(元)盗賊たちも時流に乗って、海賊から空賊となった。
キーとなる少女(インフェルナと名付けられた)の「対」となる人間を探しながら、彼らは再び名を馳せた。
そして今、彼らは飛空艇の一室に居る。
空賊になってからも確執はあった。(元)盗賊は自分がインフェルナの対になりたかった。
しかし、キーが選んだのは別の少年だった。
少年にあたり散らす(元)盗賊。インフェルナ達に構いつづける(元)盗賊に嫉妬する(元)老婆。
しかし、少年たちの前向きな心に、ついに(元)盗賊も覚悟を決めた。
インフェルナたちを命を賭けて守り抜く。
「俺たちの時は、何もかもが手遅れだったんだ。」
「そう、間に合わなかったもの。」
指を噛む(元)盗賊。あのパスワードを入力したときの瞬間は今でも忘れない。
思わず冷汗が出る。
「でも」
(元)老婆は口を開いた。
「あの子たちは違うわ。あの子たちは自分で選択をしてくれる。」
「...ああ」
「この世界に居るべきか、真実の世界を選ぶべきか。」
「...ああ」
そう、今までは選択の余地も無かった。ただひたすら、真実を明かすことだけを考えていた。
しかし、最近になって(元)盗賊は思うのだ。
このいろいろな思い出をのこしてくれた「エンマ」の世界。
自分達の生活は、(元)老婆とともに居る幸せはこの「エンマ」とともにある。
本当にこのシステムを破壊しても良いのだろうか。
(元)盗賊の兄は、「エンマ」システムを破壊しようとしている点では一緒であった。
その兄は今、世界をまとめあげて、まさに「エンマ」を破壊しようとしている。
今は、どちらの世界を選択すべきなのか(元)盗賊には分からない。
しかし、インフェルナたちには分かるだろう。そして、その判断はおそらく正しいはずだ。
「俺たちは、俺たちの選択をして、今ここに居るんだ。」
「そうね。」
「そして今、俺たちは、この選択をした世界をあの子たちに委ねようとしている。」
「たぶん、世界というのはそうして引き継がれていくものなのよ。」
「だな。」
(元)盗賊はもう一度コーヒーカップに口を付けた。ひさしぶりにコーヒーがうまい。
自分達が駆け抜けた世界。自分達ではケリを付けることは出来なかった。
しかし、次に繋げることはできた。
彼の中には充足感があった。そして、これからも、自分の道を突き進んで行くだろう。
彼らは今、目的地に向けて進んでいる。航路の名は「Line on the web」。
蜘蛛の糸は細かったかもしれない。渡りきることはできなかったかもしれない。
しかし、糸を切らすことは無かった。そして今、彼らは自分達の糸の上に希望を載せている。
その先にあるものは「未来」。
そこは彼らが向かう場所。
-- Fin. --
とりあえず物語は完結させてみます。最初からよくわからないテンションで始まったんですが、一枚の落書きからここまで話を広げられれば、もうお腹いっぱいです。悪ノリ、ここに極まれり。
とりあえずのコーヒーを飲む。
「いろいろ合ったな。」
「合ったわね。」
そしてしばらくの沈黙。
いろいろな事があった。
海賊に加わり、三刀流で名を馳せたこと。
グランドラインに拘る船長との確執。そして別離。
その後、天国のエージェントの軍に捕まり、命の保証と引き換えに特殊部隊に属した。
軍では老婆だった少女との再開があった。そのとき彼女は軍幹部である(元)盗賊の兄の女性となっていた。
しかし、互いに惹かれあう(元)盗賊と少女。少女をめぐる兄との確執。
軍で黙々と働き、小野妹子たちの鎮圧戦に赴いた。圧倒的戦力での鎮圧。
しかし、小野妹子は「クモノイト」と呼ばれる少女を見つけ出していた。彼女は「エンマ」システムと対話するために必要なキーだった。
キーを託された(元)盗賊は(元)老婆たちと一緒に再び軍部を脱出。
再び海賊へ。
海賊たちに押し寄せる空賊化の波。(元)盗賊たちも時流に乗って、海賊から空賊となった。
キーとなる少女(インフェルナと名付けられた)の「対」となる人間を探しながら、彼らは再び名を馳せた。
そして今、彼らは飛空艇の一室に居る。
空賊になってからも確執はあった。(元)盗賊は自分がインフェルナの対になりたかった。
しかし、キーが選んだのは別の少年だった。
少年にあたり散らす(元)盗賊。インフェルナ達に構いつづける(元)盗賊に嫉妬する(元)老婆。
しかし、少年たちの前向きな心に、ついに(元)盗賊も覚悟を決めた。
インフェルナたちを命を賭けて守り抜く。
「俺たちの時は、何もかもが手遅れだったんだ。」
「そう、間に合わなかったもの。」
指を噛む(元)盗賊。あのパスワードを入力したときの瞬間は今でも忘れない。
思わず冷汗が出る。
「でも」
(元)老婆は口を開いた。
「あの子たちは違うわ。あの子たちは自分で選択をしてくれる。」
「...ああ」
「この世界に居るべきか、真実の世界を選ぶべきか。」
「...ああ」
そう、今までは選択の余地も無かった。ただひたすら、真実を明かすことだけを考えていた。
しかし、最近になって(元)盗賊は思うのだ。
このいろいろな思い出をのこしてくれた「エンマ」の世界。
自分達の生活は、(元)老婆とともに居る幸せはこの「エンマ」とともにある。
本当にこのシステムを破壊しても良いのだろうか。
(元)盗賊の兄は、「エンマ」システムを破壊しようとしている点では一緒であった。
その兄は今、世界をまとめあげて、まさに「エンマ」を破壊しようとしている。
今は、どちらの世界を選択すべきなのか(元)盗賊には分からない。
しかし、インフェルナたちには分かるだろう。そして、その判断はおそらく正しいはずだ。
「俺たちは、俺たちの選択をして、今ここに居るんだ。」
「そうね。」
「そして今、俺たちは、この選択をした世界をあの子たちに委ねようとしている。」
「たぶん、世界というのはそうして引き継がれていくものなのよ。」
「だな。」
(元)盗賊はもう一度コーヒーカップに口を付けた。ひさしぶりにコーヒーがうまい。
自分達が駆け抜けた世界。自分達ではケリを付けることは出来なかった。
しかし、次に繋げることはできた。
彼の中には充足感があった。そして、これからも、自分の道を突き進んで行くだろう。
彼らは今、目的地に向けて進んでいる。航路の名は「Line on the web」。
蜘蛛の糸は細かったかもしれない。渡りきることはできなかったかもしれない。
しかし、糸を切らすことは無かった。そして今、彼らは自分達の糸の上に希望を載せている。
その先にあるものは「未来」。
そこは彼らが向かう場所。
-- Fin. --
とりあえず物語は完結させてみます。最初からよくわからないテンションで始まったんですが、一枚の落書きからここまで話を広げられれば、もうお腹いっぱいです。悪ノリ、ここに極まれり。
タルホさん風味のおねえちゃんばらの人
いいです!なんだかエウレカタッチと
しげっちさんのタッチの相性がいいみたいですね。いい感じにマッチしてます。
まさかあの盗賊話がココまで広がるとは
誰も想像できないww
さすがアニメーターさんって感じの動きのあるポーズもいいですね~
盗賊ネタは一話で一パロディにしたかったんですけど、ネタばっかり増えすぎちゃいました。
消化するためにダイジェストで詰め込んでいったらいつのまにか長編にww