金谷武洋の『日本語に主語はいらない』

英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を論破する

第25回 「国境の長いトンネル:コトとモノ」

2005-10-20 19:16:17 | 日本語ものがたり
  同じ状況の筈なのに、日本語の文とそれを英仏語に訳した文では、受けるイメージがかなり違ってしまうことがある。例えば、日本の小説を日本語で読む場合とその英仏語訳を読む場合、実は頭の中で異なった状況を想起している、ということが少なくない。  10年ほど前にNHK教育テレビで「シリーズ日本語」という特集番組があった。講師の池上嘉彦氏が「雪国」(川端康成)冒頭の「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であ . . . 本文を読む