
「やまぐにほいくえん」の記事の中で、
「ちょっと恐い」と書いてしまった「いやいやえん」。
しょこら、自分がかつて読んだことがあった気がして、
「まずは自分用に。」と借りて帰り、
「こうたんには、読まんとこ。。。」と、脇にどけといたのを、
こうたん目ざとく見つけてリクエストしてきた本です。
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いやいやえん―童話 中川 李枝子,大村 百合子,子どもの本研究会 福音館書店 このアイテムの詳細を見る |
脇にどけといたのは、繰り返すように、
「ちょっと恐い」と感じるところがあったためで、
その当時は、こうたんに、気持ちがほっこりする本を探していたので、
読まないことにしたわけですが。。。
実際読んでみると、こうたん異様にはまるはまる。
さすがに、もう図書館に返却てしまいましたが、
一時は、毎日毎晩、「いやいやえん」でした。
なにが、そんなに、こうたんを惹きつけるのか?!
「いやいやえん」の主人公の しげるちゃんは、
はっきり言って、かなりの困ったちゃんです。
エピソードを少し紹介すると、
・先生に気をつける点を言い聞かせられて、
そのたび了解した印に、両手を二本あげておきながら、
その約束を全部破って、あげくに身動きとれなくなって、
助けにきた鬼に、気が合いそうだから、と鬼に勧誘されたりします。
・なにもかにも気にいらなくて、全て拒否したまま、
保育園に連行されて、「いやいやえん」を紹介され、
しげるちゃんを超える困ったちゃんとの闘いをしたり、
園長であり、主任保育士兼担当保育士(つまり一人しかいない)
おばあさんに、「赤がキライなんだろ」とクレヨンの赤を捨てられてしまったり、
みんながリンゴなのに、一人だけビスケットのおやつだったり、
お弁当を「いらない」といったので、食べられなかったりします。
・チコちゃんが、机に登ろうとしているのを、「ダメだよ!」と
降りさせておいて、自分が机に登り、先生にしかられたら、
「チコちゃんがしてたから!」と責任転嫁をし、
「チコちゃんが、○○したら、同じことをするのか」
という、やりとりを何回かしたのち、
「チコちゃんが、車に轢かれたら、自分も轢かれますか?」
と聞かれて、
「うん。そうするよ。」
と応えたりするウッカリものです。
そのあげく、チコちゃんの服を着せられて、
その後は、体が勝手に、チコちゃんの真似をしてしまい、
下校の時間になっても、勝手にチコちゃんについていっていまい、
家に帰れなくて泣いてしまったりします。
なんか、書いてたら、すごい話になってきた。
かなりの真面目人間で頭が固い しょこら。
なんか、納得できない、しっくりこないものがありつつも、
しかし、子ども心には、何故かぐっとくるものがあるようで、
こうたんには、「いやいやえん」に入れられる話や、
先生との約束をすべからく全部破って、鬼に勧誘される話など、
なんどもリクエストされました。
やはり、自分ができないいたずらや癇癪を、どうどうとやってくれる
しげるちゃんと同化して、一緒にいたずらや冒険を楽しんでいる、
と理解するのが正しいでしょう。
しかし、この話に出てくる、大人というのが、つきぬけてて、
かなりキツイかつ理不尽な制裁的措置をこうじてきたり、
ファンタジックな展開で、天罰的懲らしめがあったりするのですが、
そのあたりは、子ども的にはどうなんでしょうか???
もしかしたら、悪いことをしたら、はっきり、「悪い!」と示してくれるあたり、
しかも、「悪さ」に対して、きっちり罰で懲らしめられるあたり、
安定した精神を養うために、子どもの脳自体が要求している
内容なのかもしれません。
しょこら自身は、あまり好きな本ではありませんが、
子どもたちには、絶大なる人気があるようです。
先日も本屋で、ベストセラーで一押しの紹介で売られており、
1962年に初版で、かなり古い本なのに、未だに絶版にならないで、
壁に展示されて一押し販売されてるところが、すごすぎ!
あ、あと、アマゾンのレビューでも、絶賛してる人ばかりでした。。。