論語を詠み解く

論語・大学・中庸・孟子を短歌形式で解説。小学・華厳論・童蒙訓・中論・申鑑を翻訳。令和に入って徳や氣の字の調査を開始。

閑話休題Ⅱ

2009-07-04 10:31:59 | Weblog

                            

閑話休題Ⅱ     皮膚腫瘍切除術
 6月の中頃、足の傷で近くの皮膚科を受診することになった。塗り薬を貰えればと簡単に考えていたのだが、足の裏のほくろを指摘され、ガン化することもあるから取った方がよいと言われた。それには皮膚腫瘍切除術と言う方法で皮膚を切開して5mmほど皮膚組織を切り取り、病理検査をして良性か悪性かを確かめる必要があるという。それを聞いた時点で78歳の男は気が動転して落ち込むばかり。思いもよらずとはこのことか。早速聞いてみる。「痛いですか」と!ガンという言葉より痛みの方が気になるとは。「歯を抜くよりは痛くないでしょう」と女医先生は云う。その後、くだらぬ事を問い質した記憶はあるが余り覚えてはいない。大小二個のほくろを取ることになる。一つは2x4mm、小さい方が1mmΦ。下図のような説明書を貰って帰る。
  下旬の一日、いよいよ手術の日。くよくよ考えながら十分ほどかかって病院に着き、受付をして皮膚科の前で椅子に座って待つ。ほどなく看護師に呼ばれ、手首に名前が書かれた認識リングを着けられて手術室に連れて行かれる。手術室担当の看護師に引き渡され、足裏だけなのに手術着に着替えさせられ、幅の狭い手術台に乗せられる。こまごまと世話をしてくれる看護師には感謝なのだが、ドラマではお馴染みだとはいえ初めての手術室の雰囲気に呑まれて、口の中はカラカラである。右腕には血圧測定(3~4分間隔)の腕帯が巻かれ、左手の人差し指に脈派計(?)が挟まれる。やがて執刀医の女医先生が現れて、いよいよ手術開始である。「こんなに大仰だとは思わなかったので年甲斐もなく気が動転し、口がカラカラです」と問いかけるが、女医先生は「誰でもそうですよ」と淡々と云いながら作業に取り掛かっている。足先が見えないように目の前に遮断幕がおかれ、「足裏を消毒します」との言葉からいよいよ手術開始である。「麻酔しますので少し痛いですよ」との言葉も終わらないうちにとてつもない痛みが足の裏に走る。拷問のシ-ンで爪をはがすような痛みとでも云うのだろうか。経験をしたことのない痛みである。思わず「痛-い」と大声を出す。「痛かったら痛いと言っていいですよ」と声がかかるがそれどころではない。大きい方のほくろの周りに4~5本、しばらくして小さい方に3~4本だろうか。その度ごとに骨の髄まで痛みが走る。またまた堪らず「痛-い」と叫ぶ。その間、2~3分だろうか。年甲斐もなくしかも女性の前で叫び続ける自分が恥ずかしいのだが、如何ともしがたい。「歯を抜くよりは痛くないでしょう」とはとんでもない。大違いもいいところである。あとで聞いたのだが、足の裏は厚いのでどこよりも痛いとか。それが過ぎると、あとは嵐の過ぎ去ったあとのように痛くもかゆくもない。切開して、腫瘍を切除して、傷口を縫い合わせてその上からワンタッチパッドを貼って終わり。その間15分も掛からない。途中から口の渇きもなくなり痛みもないものだから、 女医先生や看護師にしきりに声を掛ける。現金なもの。杖を借り、支払いをし、薬(抗生物質・鎮痛抗炎症剤・胃粘膜保護剤・抗感染症軟膏)の処方箋を受け取りタクシ-で帰る。杖は殆ど使わない。その後も動き廻ることは少なかったが、家の中でも使うことはなかった。翌日消毒のため受診し、5日後に途中経過を診る為再受診し、2週間後に抜糸することになっている。3日目には自転車で近くのス-パ-に行ってきたし、手術後4日目には歩くときに片足歩きするぐらいで、何不自由なく家の中を動き廻った。2日目からシャワーを浴び、すぐに薬を塗ってワンタッチパッドを貼る事を繰り返すぐらいで、あの痛い経験は嘘のようだ。と言った次第で、暫く「孟子を詠み解く」作業が手につかなかった。近々再開するつもりである。以上何かの参考になればと思い記録しておくことにした。
                                     〒344-0063  埼玉県春日部市緑町
                                                 田 原 省 吾


 


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始めに、学而

2007-01-01 00:00:00 | Weblog

始めに
現代とは社会事情が違う古い古い時代の儒教思想の代表的教本が「論語」だが、日本人の国民性を語る上ではずすことのできないものであることは間違いない。だが漢文は難しいし、取りつきにくい。そこで我々にはなじみ深い「みそひともじ」たる短歌形式でこれを詠み解いてみた。500項目以上もあるが、順次紹介してみたい。なお、「訓読漢文」を併記した詳しいものも紹介しているので以下のホームページも是非見て頂きたい。
                                                                 〒344-0063  埼玉県春日部市緑町
                                                 田 原 省 吾 
 
http://homepage2.nifty.com/tokugitannka-ronngo/

◎儒教理念
    
    儒の教え仁義禮智に信加え五常と称し道徳とする 

    人間の自然の愛に基づいた真心の徳それが仁なり

    人として実践すべき正当な行動のことそれを義という 

    人の世の社会秩序を保つため守る規範を礼と称する

    物事を正しく捉え理解する能力のことそれを智という

    人として一度言明した事を押し通すことそれが信なり 

  学而:学而とは学びてしかる後の意で第一編の出だしの二文字     

   学而一    折にふれ学びし事を繰り返すその会得こそまことの喜悦 

          学の友訪ね来たりし一刻は互いに学び楽しさ尽きず 

          実力を認められざる時あれど己を信じ生きるが君子   

        メモ:学ぶことに楽しみが伴ってこそ,その応用も広がる。
           それに自分自身の為にするのだから他人の目も
           気にする必要が無くなる。    

   学而二   有徳者は上を犯さず乱なさず孝悌守るそれが仁徳

           君子とは末梢のこととらわれず根本把握あとは自然に

        メモ:人を慈しむことの基本は、祖先を大切にし人を愛する
            ことに尽きる。

   学而三   諂いが己の性となるならばその仁徳も次第にかすむ   

        メモ:何よりも真心が大事。                        

   学而四   人のため相談にのるおのが身に誠に欠ける事なかりしか

          友垣と交わるときの吾がこころ信義にもとる事なかりしか

          十分に習得もせぬことがらを人に伝えし事なかりしか

        メモ:忘れがちだがいつも反省することが大事。

   学而五   政治家は國を治めるその為に事を慎み信義を守れ

          政治家は國を治めるその為に費用を節し民大切に

          政治家は國を治めるその為に民の使役は時図るべし   

        メモ:いつの世にも国事に携わる者は心すべき事である。      

       学而六   若き者内では孝を外悌で慎みてなお仁に親しめ

          学問の目的たるは実行に実務離れて学問はなし

          人間の為すべき事をした後に余力残れば学問すべし

        メモ:孝行・悌順・慎み・誠実・仁愛どれもこれも古くさいと
           云われようがいつも心に留めておきたい言葉である。        

    学而七  賢を賢孝悌守り主に尽くし友に誠実それが学問

        メモ:すぐれた人を慕い、親にも目上にも善く尽くし、友と誠実に
           交わることが出来る人こそ真に学問をした人と云えるのだろう。  

   学而八  君子とは泰然として威厳もち学問をして寛容であれ

         君子とは誠実の徳第一に己が上なる朋友つくれ

         過ちは如何なる人も犯すものすぐ改めるそれが肝要 

        メモ:かくありたいもの。過則勿憚改は余りにも有名な言葉。    

   学而九  為政者は親を手厚く葬送し祖先祭れば民徳篤し

        メモ:何事も為政者は模範とならなければなるまい。         

   学而十  孔子の性温良にして恭倹で謙譲なれば人みな慕う 

        メモ:孔子は何処の国に行っても治政の相談を受けたという。
            自分から求めたのではなく、その人柄から求められた
            のである。    

   学而十一 父ませばその志観察し没せし後はその行を見よ

          父の死後三年の間遣り様を改めざるが孝と言うべし

        メモ:伝統を重んずる世襲のことを思う。技術に心がこもるか
           否かはこんな処にもあるのかも知れない。                 

   学而十二 何事も調和大切さりながら礼節守る事が大切

        メモ:儀式の定めなども分相応に行うことが社会の調和には
           大切だが、礼が伴わなければ上手く行かぬと。
             
   
学而十三 理に反す約束事はすべからず言葉通りに履行叶わず

          恭順も度過ぎざれば恥かかず大事なことは節ある態度

          頼るには親失わずその人を中心として重んじること

        メモ:人との付き合い方はかくあるべきか。           

   学而十四 君子とは食を節して安住の家を求めず業よく務む

          君子とは言葉慎み業敏に己を正し学好むもの

        メモ:君子の目標とするところではあろうが当たり前のようで
           実現はなかなかに難しい事でである。         

   学而十五 人として貧なるときも道究め富みても礼儀守るが大事

          切は骨磋は象牙にて琢は玉磨はみがくこと道励む意味

        メモ:如何なる時も己を磨く気持ちを持つことが大事。     

   学而十六 己が価値知られざる事憂えずに人を知らざる事を憂えよ

        メモ:人のことを気にするなということだが、凡人には難しいところ。

                                              以上 

                                     

                  

     

                                                  

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