2006年7月10日
赤岳鉱泉 === 白い砂地の分岐点 === 硫黄岳 === 硫黄岳山荘 ===
横岳<奥ノ院・大権現・三叉峰・石尊峰・鉾岳・白ノ岳・二十三夜峰> === 赤岳展望荘
=== 赤岳 === 中岳 === 阿弥陀岳 === 行者小屋 === 赤岳鉱泉
AM2:02。ふと目を覚ますと、テントを打つ雨の音は止んでいた。
「よかった。このまま止んでいてくれ。」
そう思いまた目を閉じる。
4:20。20分寝坊して起床。雨はやっぱり降っていないようだ。安心する。
ただ、雲行きは依然怪しく、いつまた雨が降ってくるかもしれない。
正直、行動中の雨は覚悟した。昨夜のような土砂降りにさえならなければ良い。
そんな気持ちで、朝ごはんを食べる。フカヒレ雑炊。
ワンデリングの準備をして、6:15出発。
今日は南八ヶ岳の主要峰を縦走して、また赤岳鉱泉に戻ってくるという計画である。
硫黄岳(2760m)~横岳(2829m)~赤岳(2899.2m)~阿弥陀岳(2805m)の縦走だ。
ということで、まずは硫黄岳を目指す。赤岳鉱泉からはCTで2時間10分の行程である。
樹林帯の中を登っていく。赤岩の頭手前10分くらいのところまではずっと樹林帯歩きだ。
森を抜ければ
いやいや、本当に良いペース。
なんでそんなに良いペースなのRyoyaくん?
と、問いかけたいくらいの良いペース。
私も体調はすこぶる良かったのでぜんぜんOK。
快適に高度を稼いでいく。
ちなみに赤岳鉱泉が標高約2200mくらいなので硫黄岳までは約500mのUpである。
横岳と赤岳
途中、やっぱり?(笑) Ryoyaくんはバテたものの、それでも白い砂地の分岐点まで45分。
そこでとった大休止(20分)も含めて、硫黄岳まで1時間30分で到着。
素敵なペースだった。
この頃になるとだんだん天気も安定してきたのか、
ガスも切れてきて遠くは北アルプスまでしっかり眺められる。
これから登る横岳から赤岳への稜線もばっちりだ。
硫黄岳の爆裂火口
ということで、7:45。硫黄岳(2760m)登頂。
硫黄岳の山頂は本当にだだっ広い。
濃霧時などはルートの踏み外しには十二分に注意だ。
ご存知の方もいると思うが、八ヶ岳というのはもともと火山だ。
どうやら歴史時代に入ってからは噴火の記録はないらしいが、
約200万年前から約1万年前までの間に盛衰を繰り返し、
幾多の火山が複合して形成されたのがこの八ヶ岳なんだそうだ。
火山の多い日本でも、これだけの規模と長い活動期間を持った火山は珍しいそう。
そんな八ヶ岳が火山だったという歴史を納得させてくれるのが硫黄岳の山頂でもある。
硫黄岳の爆裂火口の眺めは圧巻だった。
ガスにまかれるとケルンがありがたい
「山は単純でいい。考えることが単純でいい。」
硫黄岳で出会った、笑顔が佐藤琢磨似のお兄さんが言っていた。
確かにその通りかもしれないなぁと少し思った。
コマクサ
硫黄岳には25分くらいいた。
さて、硫黄岳から横岳へと向う稜線。
“カニの横ばい”だなんて脅し文句が地図上には記されている。
けれど、特に問題なく、普通に通過。
それなりに山に慣れている人ならほとんど問題ない稜線だと思われる。
晴れていれば、最高の景色を眺めながらの空中散歩だ。
奥秩父の山々と富士山を正面に眺めながら、斜め右手には南アルプス。
右手には中央アルプス。後には北アルプス。もう本当に最高だ。
雲海と富士山
諏訪の大地と御岳
奥秩父の山々
ただ、あくまでこれは晴れていたときのお話し。
悪天候の時はもちろんそんなに悠長なことは言ってられない。
落ちたら死ぬ、ところだってある。
私たちは本当に天気に恵まれた。
この頃になるともう昨日の酷すぎる雨はいったいどこへいってしまったの?状態。
風がなくなると日差しが暑くてしょうがないくらいだった。
なんだっけなこの花…忘れた
横岳山頂よりこれから目指す赤岳への稜線
9:10横岳山頂に到着。
上の写真がそんな横岳の山頂から眺めた赤岳へと続く稜線。
雲海を挟んで、遠くには富士山も見える。
さて、次に目指すは八ヶ岳連峰最高峰の赤岳(2899.2m)だ。
横岳では20分ほど休んで出発。9:30。
杣添尾根分岐を過ぎて、石尊峰、二十三夜峰と過ぎて行き、
地蔵尾根分岐も過ぎれば、すぐに赤岳展望荘に到着。10:25。
ここから一気に赤岳山頂目指しての登り返しが待っている。
正直、けっこうきつい登りだ。Ryoくん、マジでへばり(笑)
八ヶ岳の主峰赤岳(2899.2㍍)山頂より雲上の富士山と
赤岳山頂ではのんびり。嗜物を食べたり、スープを飲んだりして過ごす。
トマトがあんまり好きじゃぁ~ないRyoくんごめん。
でも、ミネストローネはやっぱりうまい。あれ今後も採用。
虫がけっこうすごいので11:45、阿弥陀岳に向けて出発。
赤岳から阿弥陀岳、一気に下って一気に登り返す。
阿弥陀岳の登りを眺めるだけでうんざりするが、とりあえず、赤岳を下る。
赤岳の下りはけっこう慎重に下らねばならない下り。
「あ、ここ冬ならけっこう難しいなぁ」と思ってしまう下り。
“ガレた岩溝”と地図上では記されているが、まさにそんな感じ。
鎖がけっこうある。ただ、慎重に下ればなにも問題はない。
乙事主(おっとこぬし)さま発見!!!
と、文三郎尾根との分岐あたりで国の特別記念物カモシカを発見!!
ご飯を食べている真っ最中。ちらちらとこちらを見るもおかまいなし。
新芽をおいしそうにパクパク食べてる。
静かに静かに、脅かさないように脅かさないようにパシャり。
そしてこいつに命名。
「ヤックルか?」
「どっちかといえば、乙事主(おっとこぬし)じゃん?」
「じゃあ、乙事主様だ」
「よし、お前は乙事主様だー」
ということで、乙事主様。
そんな乙事主様に別れを告げ、再び阿弥陀岳を目指し前進する。
途中、赤岳と阿弥陀岳の稜線のど真ん中に聳える小ピーク、中岳で一度小休止。
中岳の登りも疲れてきた身体にはしんどいものがある。12:25着。12:45出発。
やはり、ここから眺める阿弥陀岳の頂上はうんざりするほど高くって、
正直、あんまり行きたくない…気持ちに…かられて…。二人して、
「うぇ」
「くそ」
「死ねよこの暑さ」
「はぁ、なんでこんなに高いわけ?」
「行くのやめようぜ~」
ってな感じで、もう山頂に着いた時は正直、グッタリでした。
阿弥陀岳山頂より
13:05、阿弥陀岳(2805m)到着。
阿弥陀岳でもゆっくり。
山頂から眺めた阿弥陀岳南稜はとってもおもしろそうだった。
13:50、登ってきた道を中岳のコルまで下る。
登りも急だったので、当たり前ながら下りも急である。
穂高のザイテングラートを思い出してくれれば同じような下り。
行者小屋より横岳。左奥が大同心。その一歩手前が小同心
途中、行者小屋で小休止。
行者小屋の方が赤岳鉱泉より雰囲気は良い。
横岳から赤岳の眺めが最高だ。
行者小屋を出発して、中山乗越を越えて赤岳鉱泉までは30分くらい。
赤岳鉱泉には15:25には到着。
こうしてこの日は最高の天気のなか、無事に終えることができた。
ちなみに、今日の縦走は時間でいうと9時間くらいかかってしまったが、
実際にはそんなにはかからないと思う。
なんといっても僕らは休憩時間がとてつもなく長い。
健脚者なら7時間くらいで歩けるのではないかなと思う。
夜はカルボナーラ。これまたとっても美味しかった。
明日は下山だ。
【3日目】梅雨の南八ヶ岳縦走
赤岳鉱泉 === 白い砂地の分岐点 === 硫黄岳 === 硫黄岳山荘 ===
横岳<奥ノ院・大権現・三叉峰・石尊峰・鉾岳・白ノ岳・二十三夜峰> === 赤岳展望荘
=== 赤岳 === 中岳 === 阿弥陀岳 === 行者小屋 === 赤岳鉱泉
AM2:02。ふと目を覚ますと、テントを打つ雨の音は止んでいた。
「よかった。このまま止んでいてくれ。」
そう思いまた目を閉じる。
4:20。20分寝坊して起床。雨はやっぱり降っていないようだ。安心する。
ただ、雲行きは依然怪しく、いつまた雨が降ってくるかもしれない。
正直、行動中の雨は覚悟した。昨夜のような土砂降りにさえならなければ良い。
そんな気持ちで、朝ごはんを食べる。フカヒレ雑炊。
ワンデリングの準備をして、6:15出発。
今日は南八ヶ岳の主要峰を縦走して、また赤岳鉱泉に戻ってくるという計画である。
硫黄岳(2760m)~横岳(2829m)~赤岳(2899.2m)~阿弥陀岳(2805m)の縦走だ。
ということで、まずは硫黄岳を目指す。赤岳鉱泉からはCTで2時間10分の行程である。
樹林帯の中を登っていく。赤岩の頭手前10分くらいのところまではずっと樹林帯歩きだ。
森を抜ければ
いやいや、本当に良いペース。
なんでそんなに良いペースなのRyoyaくん?
と、問いかけたいくらいの良いペース。
私も体調はすこぶる良かったのでぜんぜんOK。
快適に高度を稼いでいく。
ちなみに赤岳鉱泉が標高約2200mくらいなので硫黄岳までは約500mのUpである。
横岳と赤岳
途中、やっぱり?(笑) Ryoyaくんはバテたものの、それでも白い砂地の分岐点まで45分。
そこでとった大休止(20分)も含めて、硫黄岳まで1時間30分で到着。
素敵なペースだった。
この頃になるとだんだん天気も安定してきたのか、
ガスも切れてきて遠くは北アルプスまでしっかり眺められる。
これから登る横岳から赤岳への稜線もばっちりだ。
硫黄岳の爆裂火口
ということで、7:45。硫黄岳(2760m)登頂。
硫黄岳の山頂は本当にだだっ広い。
濃霧時などはルートの踏み外しには十二分に注意だ。
ご存知の方もいると思うが、八ヶ岳というのはもともと火山だ。
どうやら歴史時代に入ってからは噴火の記録はないらしいが、
約200万年前から約1万年前までの間に盛衰を繰り返し、
幾多の火山が複合して形成されたのがこの八ヶ岳なんだそうだ。
火山の多い日本でも、これだけの規模と長い活動期間を持った火山は珍しいそう。
そんな八ヶ岳が火山だったという歴史を納得させてくれるのが硫黄岳の山頂でもある。
硫黄岳の爆裂火口の眺めは圧巻だった。
ガスにまかれるとケルンがありがたい
「山は単純でいい。考えることが単純でいい。」
硫黄岳で出会った、笑顔が佐藤琢磨似のお兄さんが言っていた。
確かにその通りかもしれないなぁと少し思った。
コマクサ
硫黄岳には25分くらいいた。
さて、硫黄岳から横岳へと向う稜線。
“カニの横ばい”だなんて脅し文句が地図上には記されている。
けれど、特に問題なく、普通に通過。
それなりに山に慣れている人ならほとんど問題ない稜線だと思われる。
晴れていれば、最高の景色を眺めながらの空中散歩だ。
奥秩父の山々と富士山を正面に眺めながら、斜め右手には南アルプス。
右手には中央アルプス。後には北アルプス。もう本当に最高だ。
雲海と富士山
諏訪の大地と御岳
奥秩父の山々
ただ、あくまでこれは晴れていたときのお話し。
悪天候の時はもちろんそんなに悠長なことは言ってられない。
落ちたら死ぬ、ところだってある。
私たちは本当に天気に恵まれた。
この頃になるともう昨日の酷すぎる雨はいったいどこへいってしまったの?状態。
風がなくなると日差しが暑くてしょうがないくらいだった。
なんだっけなこの花…忘れた
横岳山頂よりこれから目指す赤岳への稜線
9:10横岳山頂に到着。
上の写真がそんな横岳の山頂から眺めた赤岳へと続く稜線。
雲海を挟んで、遠くには富士山も見える。
さて、次に目指すは八ヶ岳連峰最高峰の赤岳(2899.2m)だ。
横岳では20分ほど休んで出発。9:30。
杣添尾根分岐を過ぎて、石尊峰、二十三夜峰と過ぎて行き、
地蔵尾根分岐も過ぎれば、すぐに赤岳展望荘に到着。10:25。
ここから一気に赤岳山頂目指しての登り返しが待っている。
正直、けっこうきつい登りだ。Ryoくん、マジでへばり(笑)
八ヶ岳の主峰赤岳(2899.2㍍)山頂より雲上の富士山と
赤岳山頂ではのんびり。嗜物を食べたり、スープを飲んだりして過ごす。
トマトがあんまり好きじゃぁ~ないRyoくんごめん。
でも、ミネストローネはやっぱりうまい。あれ今後も採用。
虫がけっこうすごいので11:45、阿弥陀岳に向けて出発。
赤岳から阿弥陀岳、一気に下って一気に登り返す。
阿弥陀岳の登りを眺めるだけでうんざりするが、とりあえず、赤岳を下る。
赤岳の下りはけっこう慎重に下らねばならない下り。
「あ、ここ冬ならけっこう難しいなぁ」と思ってしまう下り。
“ガレた岩溝”と地図上では記されているが、まさにそんな感じ。
鎖がけっこうある。ただ、慎重に下ればなにも問題はない。
乙事主(おっとこぬし)さま発見!!!
と、文三郎尾根との分岐あたりで国の特別記念物カモシカを発見!!
ご飯を食べている真っ最中。ちらちらとこちらを見るもおかまいなし。
新芽をおいしそうにパクパク食べてる。
静かに静かに、脅かさないように脅かさないようにパシャり。
そしてこいつに命名。
「ヤックルか?」
「どっちかといえば、乙事主(おっとこぬし)じゃん?」
「じゃあ、乙事主様だ」
「よし、お前は乙事主様だー」
ということで、乙事主様。
そんな乙事主様に別れを告げ、再び阿弥陀岳を目指し前進する。
途中、赤岳と阿弥陀岳の稜線のど真ん中に聳える小ピーク、中岳で一度小休止。
中岳の登りも疲れてきた身体にはしんどいものがある。12:25着。12:45出発。
やはり、ここから眺める阿弥陀岳の頂上はうんざりするほど高くって、
正直、あんまり行きたくない…気持ちに…かられて…。二人して、
「うぇ」
「くそ」
「死ねよこの暑さ」
「はぁ、なんでこんなに高いわけ?」
「行くのやめようぜ~」
ってな感じで、もう山頂に着いた時は正直、グッタリでした。
阿弥陀岳山頂より
13:05、阿弥陀岳(2805m)到着。
阿弥陀岳でもゆっくり。
山頂から眺めた阿弥陀岳南稜はとってもおもしろそうだった。
13:50、登ってきた道を中岳のコルまで下る。
登りも急だったので、当たり前ながら下りも急である。
穂高のザイテングラートを思い出してくれれば同じような下り。
行者小屋より横岳。左奥が大同心。その一歩手前が小同心
途中、行者小屋で小休止。
行者小屋の方が赤岳鉱泉より雰囲気は良い。
横岳から赤岳の眺めが最高だ。
行者小屋を出発して、中山乗越を越えて赤岳鉱泉までは30分くらい。
赤岳鉱泉には15:25には到着。
こうしてこの日は最高の天気のなか、無事に終えることができた。
ちなみに、今日の縦走は時間でいうと9時間くらいかかってしまったが、
実際にはそんなにはかからないと思う。
なんといっても僕らは休憩時間がとてつもなく長い。
健脚者なら7時間くらいで歩けるのではないかなと思う。
夜はカルボナーラ。これまたとっても美味しかった。
明日は下山だ。
【3日目】梅雨の南八ヶ岳縦走
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