「ダーン! ダーン! ダン! ダン! ダン! ダン!・・・・・」
太鼓の音が聞こえてきたので、とある寺院の本堂に上がってみた。
お護摩の修法が始まっている。
そっと末席に着座して檀上を見ると、護摩壇には盛んに炎が上っている。
・・・お護摩は真言宗の主要な行法のひとつである。
「護摩」はサンスクリット語「ホーマ」の音を写したもので、
「供物を火に投げ入れて祈願する」という意味である。
古代インドのバラモン教の、
「供物の火煙が天の神々の口に達すると、神々が地上に降臨して人間に幸福を与える」
という信仰に基づく火の儀式を取り入れ、密教儀礼としての内容を整えたものである。
密教では、薪を煩悩、火を智恵の表示として、
「智恵の火によって煩悩である薪を焼き尽くすこと」を意味し、
心の中で行者の智恵の火により煩悩を焼き尽くすことを観想修念する内護摩(ないごま)と、
実際に護摩木や供物を焚く外護摩(げごま)がある・・・
真言の音声。
周囲を見回して同じように合掌する。
音声がハーモニーとなり増幅し合い、
要所要所で鳴り響く鈴と輪。
次々と護摩木が焚かれていく。
打ち鳴らされる太鼓の音に圧倒される。
神秘的な音の渦の中で炎を見つめていると、
だんだん気持ち良くなってきて、気が遠くなってきた。
・・・トランス状態・・・?
巨大な御幣でお払い?をしてもらう。
・・・気がつくと、お護摩の修法が終了している。
とてもすっきりした気分である。
初めての不思議な感覚。
今日は偶然にも、得がたい経験が出来てよかった。