福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2009.4.14(火) 霧の湯布院

2011-09-30 | 旅行記

今日の街角風景は、霧の湯布院盆地と霧雨に煙る別府湾と高崎山の遠望である。

霧の湯布院盆地

別府湾SAから霧雨に煙る別府湾と高崎山(628m)を遠望す

    万葉集に武市連黒人(たけちのむらじくろひと)の作として次の歌がある。     

        四極山(しはつやま) 打ち越え見れば 笠縫(かさぬい)の

            島こぎかくる 棚無(たなな)し小舟(おぶね)   万葉集巻三・272

    全意 : 四極山(高崎山)を越えて見渡すと笠縫島に漕ぎ隠れてゆく舟板もない小舟よ

                                           (佐々木均太郎氏訳)

    「四極山(しはつやま)」、「笠縫島(かさぬいじま)」の所在について、現在の学説では

    所在未詳が一般的という。

    江戸前期の国学者・契沖は参河(みかわ)説(愛知県幡豆(はつ)郡吉良町)をとって

    いる。また摂津説(大阪市住吉区)もあり、この説は賀茂真淵が発展させ、それを継い

    で本居宣長が「玉勝間」(1759年)で、摂津住吉に比定したという。

    現在では、四極山(しはつやま)は高崎山であるという説が強まっていると佐々木均太郎氏

    は述べている。    


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