今日の街角風景は福岡の今に咲く花々としたい。貝原益軒の著書
「花譜」(元禄7年、1694年発行)に記載があるものは、その
記述文章も紹介したい。
手前の桃色の花が桜桃(ゆすら)、黄色いのが連翹(れんぎょう)、その奥が
四手辛夷(しでこぶし)(ヒメコブシともいう)である。右側に暗くわずかに
見える木は花梨(かりん)である。
桜桃(ゆすら) 貝原益軒の著書「花譜」中巻 二月の項に曰く
桜桃(ゆすら) 順和名抄には、にはさくらと訓ず。本草曰、始て生ずるとき。
榛(はしばみ)の葉に似たり。二月に、白花をひらく。花多して、雪のごとし。
其實百果にさきだちて熟す。食ふべし。色あかし。四月に熟す。毒なしといへり。
花も實も、すこぶる賞すべし。唐には、其實の大さ彈子のごとくなるありといへ
り。日あてよき所にうふれば、さかへやすし。名花譜曰、春の中、節ある樹をお
りて、肥土にさせばつく。又實をまくべし。はやく長じて、花さき實のる。
連翹(れんげう) 貝原益軒の著書「花譜」中巻 二月の項に曰く
連翹(れんげう)二月に、黄花をひらく。花ちりて後葉生ず。其莖(くき)ほそながく
して、かづらのごとく、一本よりくき多(おほ)く生ず。くきよはくして、獨り
立ことあたはず。樹にすがりてたてり。又竹木をたててゆひ付てよし。秋實を
むすぶ。藥に用ゆる連翹これなり。又一種、くきのつよきあり。是は物にすが
らずして、ひとりたてり。
ヒメコブシ(姫辛夷花) シデコブシ(四手辛夷)ともいう
万有百科大事典(小学館)によれば
花はコブシ(拳)によく似ているが、がくと花弁の区別がない。12~18個の白い
花弁を神事に用いる四手に見たててこの名がある。とのこと。
広辞苑によれば
しで[垂・四手];神前に供する玉串、注連縄などに垂れ下げるもの
とある。
花梨(かりん)の花
花梨(かりん)の木の根元に黄色の冬知らずの草花が咲く。左端にやぶ椿
冬知らずの花
やぶ椿
バビリアス(西洋カタバミ)
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