福岡万葉散歩

街の様子や木々や草花を眺め乍ら、先人の俳句や和歌を織り込んで、今の季節を楽しみたい。たまには万葉散歩も楽しみたい。

2014.11.30(日) 花梨の実が熟れる頃

2014-12-06 | 

秋も終わるころに花梨(カリン)の実が熟れてきた。山茶花(サザンカ)の花が咲き、満天星躑躅(ドウダンツツジ)は紅葉に染まり、寒風のなかにバラと皇帝ダリアが咲いている。

花梨(カリン)の実が熟れる  花梨の実は堅くて酸味が強いため生食には適さない。果実酒やジャムにするのが一般的だと思うが、今回はジャムにして食べてみた。花梨の実をぶつ切りにして30分ほど煮て、それを濾した汁に3割ほどの砂糖を加えて煮詰めて、ジャムが出来上がる。甘酸っぱい中に、何とも言えぬ渋みがあって好い花梨ジャムが出来た。これをもっと煮詰めるとかりん飴となり、昔から咳止めの民間薬として重宝されてきたという。そういえば、かりん飴はのど飴として市販されている。

 一つ一つ榠樝(かりん)は癒(いや)すもののかたち    川崎展宏

花梨(かりん)の実     榠樝(かりん)の実   甘い優雅な芳香を放つ

 かりんの実しばらくかぎて手に返す    細見綾子

山茶花(サザンカ)

 山茶花のこぼれつぐなり夜も見ゆ    加藤楸邨

山茶花

 山茶花のここを書斎と定めたり    正岡子規

満天星躑躅(ドウダンツツジ)

 満天星に隠りし母をいつ見むや    石田波郷    

薔薇(バラ)

 坂急になりて抱きし薔薇香る    大高 翔

皇帝ダリア  別名木立ダリア 

皇帝ダリア  別名木立ダリア