水野商店

先日、用事があって静岡に行く。
以前ここのブログでも書いたが、
せっかくだから静岡おでんを食べて行こう。

しぞーかおでんは基本的に、焼き鳥のように必ずネタに串が刺さっている。
それが真っ黒いタレのようなスープに浸かっていて、
串しか表面から見えないので、具が何か、つまみあげないとわからない。

色が黒いので、味が凄く濃そうに見えるし、脂っこい印象だが、
実はそれほどでもなく、小学生が毎日学校帰りにおやつ代わりに
食べられる静岡おでんは、見た目よりもあっさりしている。
その色の濃さは、醤油をベースにしているからだが、
うなぎ屋のタレの様に、各店の秘伝で、毎日永年に渡り継ぎ足されたもので、
その味が伝統的に受け継がれている。

僕もおでんといえば、駄菓子屋とか、
放課後小学校に、屋台のリヤカーで毎日売りにきたおじさんを思い出す。
今から思えば、それは典型的な静岡おでんで、小さい時からこれで育ったので、
東京や横浜などのおでんでは、何か物足りなさを感じたし、
これら小遣いで買える庶民の味だったので、
東京の居酒屋や飲食店のおでんは、とても高く感じた・・・。

そういえば、横浜の超有名な某老舗おでん屋では、
大根が一個で実に５００円で、
一体どんな大根使ってるんだ？金粉でも入ってるんかいな？
などと凄く抵抗を感じたものだ。(^^;)
勿論、銀座などの小料理屋のおでんもそれはそれで良いのだが、
自分の中でもいつの間にかおでんは高級品になっていた。

静岡でも最も古い駄菓子屋でもある「水野商店」へ。
雑誌やテレビなどでも何度も紹介されている有名店だ。
前回来た時は、たまたま閉店間際で、おでんのネタも切れており、
食べ損なったのでずっと気になっていた・・・。

創業実に９３年！そうか先代からで、
もう１００年近く続いている由緒正しい駄菓子屋さん。
静岡では、駄菓子屋におでんというのが定番だ。
老姉妹二人が、現役できりもりしている。

年季の入った店内の中央に、おでん鍋があって、
火元はいまだに練炭らしい。

値段もコンビニのおでんと同じか、むしろ安い位で、
ちゃんと店の中で食べられるのが嬉しい。
一本今でも６０円から７０円ほどで、
おでんのネタって、スーパーで買っても結構するので、
この値段で本当に良く頑張っているなと思う。

この時、おばあちゃんが取りやすい様に、串を持ち上げてくれた。
ウインナーなどごく一部違うものもあるが、
ネタは基本的に当時のままだという。

画像は水野商店のおでん。
しぞーかおでんの中では、まだ色は薄い方。