できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

がんばれ本城慎之介!(敬称略)

2005-01-21 23:55:19 | Weblog
 昨日(1/20)の読売朝刊2面の「顔」コーナーに、公募で選ばれた全国最年少の公立中学校の校長となった本城慎之介氏(32)の紹介があった。今年4月に開校する横浜市立東山田中学校で、この中学校は校長も教員も公募、地域住民が協議会を作って学校運営に参加する「教育改革モデル校」とのことだ。

 彼は今をときめく楽天の元副社長で、この仕事に就くためにその地位を退き、非常勤取締役になった。株による莫大な資産があるとはいえ、この地位にいた人が今のタイミングで公立中学の校長になるという決断はなかなかできないと思う(もしかしたら楽天はこれから下り坂になると判断したのかも知れないが)。しかもいくら公募とはいえ、公立学校は「一生懸命働いても働かなくても給料は同じ」という、社会主義的な理想が公務員業界と同じくらい実現されている貴重な(笑)現場であり、その文化はこの学校にも根強く残るだろうと予想される。彼はこれから、まずそういう「文化」をどう改革していくかという壁にぶちあたるだろう。塾や予備校のようなシビアな勤務評価を導入するのか、それとも「第3の道」を選択するのか、それともその部分は校長は踏み込めない/踏み込むべきでないのか、これだけをとってみてもきわめて大変な問題であることが予想できるだろう。

 実は私は彼のことを大学時代にたまたま知っていて、言葉ばかり理想論を並べるアホ大学生の中では、言葉に中身の伴う、なかなか面白い人であるという印象を持っていた。彼が楽天の副社長であったときから報道などでそのことを知り、彼が楽天を三木谷社長と立ち上げたときに、システム部分を担当し、ネットワークのシステムを一から勉強し直し作り上げたなどの話を読んでいた。そんな話からも、私は彼が楽天にとっての「影の最功労者」であると思っている(楽天という会社自体は大嫌いなのだが)。

 記事には、彼の教育についての結論として以下のような下りがある。

「学力低下は子供だけの問題ではない。そもそも社会全体のコミュニケーション能力が落ちている。教育は大人の問題でもある。」

 「社会全体のコミュニケーション能力」の解釈は人によって違うだろうが、「大人だからコミュニケーション能力がある」という前提が今の日本社会では成立しない、という意味では私も全く同感である。今日もいい大人数万人(推定)が駅で禁煙を平気で破っているくらいである。頭が悪いとしか言いようがない。うざいながらもこういうページをせこせこ更新しているというのも、自分自身のコミュニケーション能力を高めたいというのと、大人も子供も関係なく、コミュニケーション能力を高める流れを作っていきたいという気持ちがあるからに他ならない。

 目標や価値観、方法論に違いがあるかも知れなくても、今の「おいしい」地位を捨て、「現場」に飛び込んだ彼のことを「現場」の一人として心から応援したい。公立/私立、学校/塾・予備校を問わず、給料以上に働こうとする意欲を持つスタッフに一人でも多くこの業界に参加してほしいと思う(それが空回りしているという問題もいつか指摘したいが)。でも、「成功より成長」という信条はややクサかったな(笑)。

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