そう言えば去年は映画館にほとんど行かなかったなあ、明日あたり行こうかなと思っていたらこんなニュースが。
TOHOシネマズが映画料金値下げ!18歳未満1000円でファン開拓狙う(ぴあ 11.01.19)
TOHOシネマズが19日、映画料金を来春までに引き下げることを発表した。18歳以上を、現状の1800円から1500円に。18歳未満は1000円に統一する。ネット予約割引も導入し、利用者拡大と若年層の映画ファン開拓を狙う。
新しい料金体系は、当面は栃木、長野、広島、長崎、鹿児島の6県6劇場で試験的に導入。効果を検証しながら、来春の全館導入を目指すという。映画料金は、現在も前売り鑑賞券の他、レディースデーやシニア割引、特定日の割引など、様々な割引制度がある。一方で、通常料金は長年、一般1800円で据え置かれてきた。今回の発表は、映画=1800円という映画業界の常識を変える一石となる可能性がある。
事実、同タイミングで導入予定のネット割引100円を組み合わせれば、18歳以上1400円。18歳未満なら900円になる。現在はサービスデー以外にネットで事前の座席予約鑑賞をする場合、最低でも一般ならば1800円、大学・高校生で1500円必要。つまり大学生、高校生の子供2人との親子4人鑑賞ならば、従来より2000円安くなる計算だ。家族で映画鑑賞の割引効果は高い。また、会員ならばさらにお得に観られる可能性も。
最近話題の3D作品も、迫力はあるが料金が高いという声は多いため、利用者からすると「あともう1本」のモチベーションが高まるきっかけにはなるだろう。何より、若年層の映画館離れが指摘される中、新しい映画ファンの開拓に本腰を入れて取り組むという意思が伝わる。
先月発表されたTOHOシネマズの2010年興行収入は前年比111%、動員105%と堅調。そんな業界最大手TOHOシネマズの“攻め”の一手が、どう波及効果を生み出すか注目したい。(ここまで)
てっきり、「大人の映画料金1800円」は映画業界内で取り決めがあってのことだと思っていたのだが、そうではなかったようだ。
昨年の映画興行収入全体は『アバター』などのヒットもあって増加したはずなので、いわゆる「デフレ的動機」、すなわち、客が来ないから単価を下げようとする動機で映画料金を下げようとしたと考えるのは不自然だ。
いろいろ検索していたらふと気づいた。私が映画館から遠ざかっている間に、世間では「3D映画(すりーでぃーえいが)」なるものが流行っていて、多くの場合、3D料金として通常料金に300円上乗せされているとのこと。
しかも、今回値下げをしようとしているTOHOシネマズでは、「本格的な3D映画の普及期において」という理由づけで、3Dメガネレンタル料金100円をさらに上乗せし、合計400円取っているとのこと。こんなことは全く知らなかった。
3D鑑賞時の追加料金 変更のお知らせ(TOHOシネマズ ホームページ 10.09.21)
9月18日(岐阜・新居浜は9月10日)より、3D鑑賞料金が変更になりました
TOHOシネマズでは、3D映画の普及を目的として追加料金300円にて実施しておりましたが、本格的な3D映画の普及期において、3Dメガネレンタル料金(一部劇場では3Dメガネ料金)として100円をいただくことにいたしました。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
『一律ご鑑賞料金』+400円
通常、3D以外の作品をご鑑賞いただく際の鑑賞料金に、プラス400円
【例】中/小学生 1,000円 + 400円 = 1,400円
レディースデイ 1,000円 + 400円 = 1,400円 ※女性のお客様
ファーストデイ 1,000円 + 400円 = 1,400円 ※毎月1日
上記料金にてご鑑賞いただけます。
(「株主招待券・株主ご優待券」「TOHOシネマズ招待券」「TOHOシネマズパスポート券」など各種チケットをご利用の方も、プラス400円でご鑑賞いただけます)(ここまで)
例に「一般料金1800円の場合」がないところに業界の苦しさがにじみ出ている。一般料金1800円だと、400円を足して2200円になり、ペアだと800円値上げになり4400円になるわけか。これなら去年はまだしも、今後は3D映画から客足が遠のくと思ったのかも知れない。
今回の値下げによって、3Dを成人が観る場合は1500+400=1900円。ネット割引を使って1800円。これで、3D映画を観ても、今の映画と同じ料金になるようにしようとしたのではないかな。
だとすれば、3D映画に絞って考えれば、今回の値下げは、実質的に値上げにならないようにしよういう工夫であると読むことができる。なかなかやりますな。
しかし、3D映画そのものに興味がない、昔ながらの映画形式が好きな私などにとっては、この試験的導入がうまく行けば、来春からは1500円で2D(って、今後は但し書きをしなければならなくなるのかな)の映画が見られる。
これはウマーというわけだ。
TOHOシネマズとしては、むろん3D料金を取らない+こういう値下げをしない場合もシミュレートしただろう。興行収入額自体は、こちらの方が大きくなるだろうから、TOHOシネマズとしてはこっちの路線を取りたかったのかも知れないが、おそらくは、客からの
「3Dと2Dで同じ料金というのは納得が行かない!」←特に私のような2D派(笑)から
という苦情を予想して、こういう体系にしたのかも知れない。
さて。この動きを受けて、他のシネコンや単館映画館はどういう動きに出るか。結果は良いことばかりではなく、特に単館が客を「値下げしたシネコン」に奪われて閉館に追い込まれる可能性もある。ただ、私の本音は、大人が2D映画を1500円で観られるようになればどんなに良いか・・・というものである。今回の値下げを歓迎したい。
ちなみに、3D映画のどこがいいのか私にはさっぱりわからない。特別なメガネをつけてまで人工的な奥行き感を味わいたいって・・・電気屋で3Dテレビも見てきたけど、ゴーグルをつけなきゃいけない分だけただうざい、に尽きるな。
ちなみに、私が明日あたりに観ようかなと思っている映画は『ソーシャル・ネットワーク』である。『セブン』ではなく『ゾディアック』で大ファンになったデビッド・フィンチャー監督の作品だ。観るとしても深夜かなぁと・・・観終わった後どうしようかなと考えると結局行かないかも知れない。