コンビニエンスストアとは、
流通業的に言うと、「15分以内で消費する商品を売る長時間営業の小型店」である。
その最大の利点は、利便性である。
利便性を追求するが故、売れ筋把握と在庫管理が店舗の生命線です。
あくまで、商売の基本として、コンビニ業界のあるべき姿としては、今回の排除命令には私は反対です。
(廃棄等ゴミの削減という意味は別問題です)
セブンへの排除命令、コンビニ経営に打撃 事業モデル転換迫る(産経新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090622-00000614-san-bus_all
>売れ残った弁当や総菜などを値引きして販売するスーパーと違い、大半のコンビニはほしい商品がいつでも手に入る24時間営業を武器に「定価販売」を守ってきた。ここから生み出される厚い利益を本部と加盟店で分け合うことで、成長を続けてきたといえる。
ただ、弁当など消費期限がきて廃棄した場合、加盟店側がその原価を負担する契約になっている。値引き販売ができれば売れ残りが減り、加盟店は廃棄処分による無駄な損失を被らずにすむ。本部は、加盟店が値引きしても原価より高く売れば一定の収入につながる。それにもかかわらず本部が値引きを“制限”しているのは、定価販売によって支えられているビジネスモデルが根底から揺らぐ恐れがあるからだ。
大手コンビニ幹部は「値引きが広がると、買い控えが起こり結果として利益低下は避けられない」と心配する。さらに周辺のスーパーなどとの値下げ競争に巻き込まれると、コンビニが得意とする売れ筋などのデータ分析、需要予測が役に立たなくなり「本部も加盟店も共倒れになりかねない」(同)。
コンビニ業界の業績はたばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ効果」もあって好調だ。そのタスポ効果も7月に一巡し、各社は消費不況と正面から向き合うことになる。
コンビニ業界は平成20年に売り上げ規模で百貨店を抜き去ったが、約4万強に上る国内店舗は飽和状態となりつつあり、構造的に新しい成長分野に活路を見いだす必要に迫られている。
ローソンが生鮮食品を扱う低価格コンビニ「ローソンストア100」の出店を加速させたり、ファミリーマートが今夏にも海外店舗数を国内に匹敵するレベルに引き上げるのはその表れだ。値引き販売の“解禁”とも受け取れる今回の公取委の判断は、各社の新たな成長戦略に拍車をかけそうだ。
記事内にも、
「値引が広がると利益低下は避けられない」
「データ分析、需要予測が役に立たなくなる」
「本部も加盟店も共倒れになりかねない」と、あります。
従来の商売の基本としてのコンビニでは、全くその通りだと思います。
それらを分かっている人が加盟店になるべきで、
ハッキリ言ってド素人が「儲かるかも♪」なんて気安く参入するからこんな場違いな要求を公取に申し立てたりするんですよ!
気に入らないなら独自の看板で商売してみろ!って話です。
残った商品の「原価を店舗側が負担させられている」とかって酷く人聞きの悪い言われ方をしてますが、極端に言えば、適当に発注して売れ残った商品の原価を店舗側が負担しないでどこが負担するの?
そもそも発注するのは店舗側(オーナー)ですからね!
自分で発注した商品(デイリー商品)の責任を自分で取らない商売が有り得ますか?
その発注は、曜日・気温・地域の催事・近隣の工事現場・昨年データを考慮して真剣に考えた数量ですか?
そうしてでもロスが出るのは当たり前で、多少のロス(売れ残り)がないと、売り場に欲しい商品がない状態が発生し「機会損失」という売上に即表れない「信用」を徐々に落としていく結果になります。
じゃあ、君らの店舗での弁当・惣菜カテゴリーでの1日総売り上げはいくらですか?
その日に廃棄した商品の原価合計はいくらですか?
売上原価に廃棄原価を足して計算した利益率は何%ですか?
20%はあるでしょう?
20%を切るようなら、貴方の発注が間違ってます!
自分の発注がでたらめなのに「値引販売をしたい」などと言うのは大間違いですよ。
20%を切らないのであれば、黙ってなさい。小売(デイリー商品)というのはそういうモノです。
売上とロスというのは比例するもので、比例が崩れロス率が大きくなる手前が適正発注と言えます。
ロスは商売には必ず付き物なんですよ。
ロスゼロが適正発注ではないんですよ!?
(そんな店舗は先に述べた機会損失が日常的になっていて必ず潰れる店舗です)
そこら辺りの考え方(基本)が全くなってない気がしてなりません。
繁盛店はそんな事言わない筈です。
売上とロスの相関性を理解していますから・・・。
値引が出来て「やったぁ~、嬉しい♪」などと喜んでいるオーナーも多いんでしょうが、値引商品が1個売れるって事は、正規の商品が1個残るという事ですからね。
値引商品が10個売れるって事は、正規商品が10個売れないのと同時にドンドンそれらも期限が近づいていくって事ですからね。
毎日閉店時間があるスーパーとは訳が違うんですよ。
24H営業店での値引(見切り)販売は、確実にPOSデータを無意味にしていきますよ。今までの蓄積されたあらゆるデータは殆ど意味が無くなってしまいます。
そんなに値引したいんならね、コンビニ店での見切り販売は、確実に「自分達の首を絞めていく」という事を身をもって体験して下さいな!
それらの事が最初っから分かっているからそういうルールになっているんですよ!
今回の排除命令はコンビニ業界に大きな影響が予想されますね。
まぁ、時代は変わるものですし、時代と共に新しいスタンダードが生まれるものですから、従来のやり方や制度をいつまでも守らなければならない事もないですから、消費者にとっては悪くはならないでしょうけどね。
私も商売人だった1人として、「商売人としての基本も変わったなぁ・・・」と、今回の決定をなにか寂しく感じています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つぶやき
※ 桃太郎さん、私みたいな者に余りあるお言葉恐縮で、過大評価し過ぎです。
貴方の方が大変素晴らしい人格者だと思います。有難うございます。
※ Pさん、いつも冷静に大人の対応を頂き有難うございます。
まず、最初の契約の段で、値引き等はしないで廃棄するとゆ~経営ノウハウに基づいてのはず!それを今さら‥な、気がします。
そ~したいなら本当、ご自分の店を出せば~と思います。
良い悪いは別として、何にでもルールがあるんです!
変える事、変わる事は良い事です。
ですが、このケースは次元が違う気がしますよ。
なのに、この判決‥『法』は大丈夫でしょうか?
素晴らしいコメントを有難うございます。
どうも最近の公的判断は、間違った方向にばかり導いている気がしてなりませんね。
(こんにゃくゼリーしかり)
最初からそういうルールになっていて自ら納得して契約しているのに、自分らの不足を棚に上げ「値引させろ!」とは困った素人達ですね。
あまりない私などにとっては
「値引き」という言葉だけは魅力です(^^
そこまで考えが及びませんでしたが、
安いからお弁当を買おうという人は
あまりいませんよね。
お弁当を買いにいって、安いから
こちらにしようというのはあるかな。
そうなると正規の値段で買われるはずだった
お弁当が、やはり見切り品に変わるわけですからね。
難しい問題なんですね。
オーナーさんもどうするのか悩むところですね。
100m先のコンビニは値引きしてるとなれば
そちらに行くでしょうし。
「さんま」さんバリの挨拶でごめんちゃい(笑)
>お弁当を買いにいって、安いから
こちらにしようというのはあるかな。
そうなると正規の値段で買われるはずだった
お弁当が、やはり見切り品に変わるわけですからね。
そうなんです。
そこに他社が隣接しているとなれば、他社も困るでしょう。
商品が良いから売れているのか、セブンは値引しているから売れているのか・・・今までのデータは意味をなさなくなってしまいます。
今後、この決定を受けセブン全店がどうするか?それによって他社もどうするか?コンビニ業界全体の転換期になりそうですね。
いつもありがとう♪
コンビニ本部のFCビジネスは、まさに「ド素人」をどんどん引きずり込むことで利益を上げているわけで、参加者の自己責任で切って捨てるという短絡は避けるべきでしょう。
マスコミタブーで全くといっていいほど報道されませんが、以下のようなサイトもご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8825f/novel.html
コメント有難うございます。
月末は苦しいので遅いレスになってしまいました。
最初にお断りしておきますが、私はコンビニには反対ですよ、元々。
それは「食の適正価格」カテで書いてありますのでお暇ならご覧下さい。
勿論、私はコンビニ本部の汚いやり方も存じております。デイリー商品を廃棄した方が見切り販売したよりも本部のチャージが多くなる事も勿論存じております。
コンビニ本部のチャージの取り方は問題があるとも思っていて、その計算方法などは、今後も予想される訴訟やその後の規制などで大きく変わるかも知れません。
それに、今回の問題になった「値引販売をするオーナーに契約打ち切りや仕入れストップの圧力をかけた行為」は勿論常軌を逸脱いており厳しく問われるべきです。
それと、私はそもそもコンビニオーナー店を経営して儲かるなんて全く思っていません。
余程立地条件が良い繁盛店でないとかなり厳しいでしょう。という事を「素人でないから」知っているのです。キツイ言い方をすると、素人だからコンビニ本部などに引っ掛かるんです。
しかし、私の言いたいのは、
一生の仕事として、(中には借金までして)それをやり通そうと考えたのなら、最初によくよく中身を検討(損益計算)してやったのか?という事と、
納得してやったのなら、本部の不足を問う前に、「売り切る」事や「データ分析発注」はやったのか?残りそうなら売る努力をもっとしたのか?という、商売人としての気骨を申しております。(というより「自分の不足を棚に上げ相手の不足ばかり問う」昨今の日本全体の風潮)
それが一番言いたいので簡潔にその事だけを書きました。
日経ビジネスオンラインにもこのテーマの記事があり、その中でもいろいろ書かれていますが、「現在の最高裁の判断は2007年に適法と下されている」とあり、見切り販売反対のオーナーの意見もこう↓書かれています。
>「デイリー品は、見切りをやる必要はない。死に筋排除は、日々の発注精度を高めればいい」と話す。
それでも、廃棄は出てしまう。一般に、1カ月に出る廃棄の仕入れ原価は、その店舗の日販に匹敵すると言われている。セブンイレブン全店の平均日販は約63万円(2009年2月期)と高い。廃棄量も、原価にして月にそのくらいはあると見られる。
だが、この店の廃棄量は、仕入れ原価で月額30~35万円程度。平均を大きく下回る。オーナーは語る。
「もともと、値下げなんてしたくないよ。それに、テレビで『もったいない』と声高に叫んでいるオーナーがいるけれど、売り切る努力をしたのかと言いたい。陳列を直すフェースアップや試食、声がけなどのフレンドリーサービスはやったのか、と」
私の言いたいのは、そういう努力を最低限やった上で、どこのオーナーも赤字で苦しんでいるのなら「本部を責める」事も分かりますが、黒字な店舗もある訳で、黒字店舗から学ぶべきを吸収しているかどうかの経営手腕(スキル)がそもそもの問題だと思っています。
先日 外食業の店長をしている私の友人がセミナーで7・11の相談役の話を聞いたそうなのですが・・・・・・
全国2千軒ある店舗で、弁当などの廃棄に反対しているのは18店舗に過ぎないそうです。
これらの店長は脱サラ組、つまり販売予測ができない輩だそうです。
他店の店長は しっかりデータを見る事ができて、なるべく余らないように仕入れるそうですよ。
因みに余らせて廃棄するのを嫌がる店長らは
忙しくなった時には予測ができず品切れにしてしまうらしいです。
余った弁当などの廃棄というのは店の信用問題になりますから、賞味期限切れ弁当を安く売るというのは顧客の信用をなくす行為と言って
いたようです。
私の友人もその話に同意していました。
やはり業界の実情が分からない者が吠えると
今のマスコミは大騒ぎして取り上げ、正論を封殺してしまうので怖いですね。
ご無沙汰しています。
こーじさんにも同意が得られて嬉しいです。
>やはり業界の実情が分からない者が吠えると今のマスコミは大騒ぎして取り上げ、正論を封殺してしまうので怖いですね。
その通りですね。
そういう事が日本の現状を表していると思います。
(比較的)弱い立場の者が大声を上げるとその意向が正しいかのようにマスコミは大袈裟に取り上げたりしますが、そこに間違った寛容が広がり、公的判断(司法等)までも狂わせてしまっているのが日本の現状でしょうね。
結局、条件付で値引販売を許可したみたいですが、この場合、悪徳商法や詐欺まがいの商売で何十万か何百万か騙されたという類の話しではない筈で、なにかそれらの事例と同列に比較してしまっている傾向があるように思います。
コンビニのこの問題は、本人自ら「仕事として」「商売として」「生計を立てる手段として」「その道を選んだ」訳ですからね。
悪徳詐欺にひっかかり何百万か騙し取られたという場合は気の毒ですが、
この場合、「生計を立てる手段」=「その道のプロ」という事ですから、プロになる努力をしないで商売が出来る筈がありません。
そう考えると、理容プロのこーじさんならとても理解していただけると思います。
殆ど更新しないブログになってしまっていて目新しい記事も無いのに訪問&コメント有難うございました。