朝日新聞デジタル:国立公園で地熱発電、後押し 環境省、設置規制緩和へ - ビジネス・経済
>環境省は、国立公園内での地熱発電所の設置を限定してきた規制を見直し、一定の条件を満たせば開発を認める方針を固めた。14日にあった専門家による検討会で方針案が了承された。脱原発依存を支える柱の一つと期待される地熱開発を後押しする。
方針案によると、国立・国定公園のなかでも、環境保全が特に必要な第1種特別地域などでの開発は引き続き認めない。ただしそれ以外の区域では、地域外から地下に掘り進む「斜め掘り」など、景観や生態系保護に配慮した技術を使うことを条件に、地熱資源利用を認める。地元での電力消費に充てる小規模地熱についても、公園内での開発を進めていく。
日本は火山が多く、世界3位の地熱資源があるとされる。だが候補地の約8割が国立公園内に集中する。発電施設が景観を損ねたり、熱水を取り出す井戸の掘削が環境に悪影響を及ぼしたりする恐れがある。1974年に出された国の通知では、国内6カ所以外の開発を原則として規制してきた。その後一定の緩和があったが、国内の地熱発電はなお18カ所にとどまる。
そのため稼働中の地熱発電は原発半基分の計約54万キロワットにすぎず、開発業者などから規制緩和を求める声が高まっていた。<
ほんの少しだけ前進しました。
私は、ここ 「安全神話」原発の嘘.10 (今後の電力.2) でも述べている通り、
自然エネルギーの最有力は地熱だと思っています(発電量という意味ではありません)。
日本地熱学会でも、震災後、推進の提言書を政府に出していましたが、今回はそのほんの一部が規制緩和された形だ。
たまたまこの関係のTVニュースをみていたら、(財)日本公園協会の理事かなんかが、
「日本の美しい自然の景観を損ねる地熱発電所には断固反対の姿勢を貫く」という意味のコメントをしていた・・・。
私も本来アウトドア派で、日本の美しい自然の恩恵を沢山頂いています。
日本の美しい山々や渓谷、白砂青松や多島美の海など、日本は四季折々に変化する美しい自然に溢れていて、自然を満喫している時には「日本に生まれて良かった」とつくづく思います。
「美しい日本の自然を守りたい」
「美しいまま後世に残したい」 と、私も常々思っています。
しかし、日本の電力事情を考えた時、
何箇所か、或いは半分程度のこの公園(国立公園は29箇所、国定公園は56箇所)の中の、しかもその一部分の景観が損なわれる事がそんなに大事でしょうか?
自然エネルギーに転換しないといけないのは、原発の推進・反対に関わらず、一致した共通認識だと思います。(シフト時期の考え方は別として)
原発を辞め(または徐々に減らし)、自然エネルギーにシフトしてくには、地熱発電だけは絶対に外せない、ベース電力確保の牽引的発電所になるのです。
公園協会としては、原発には賛成なのでしょうか?反対なのでしょうか?
美しい自然を守る
この大義名分に立った時、
一部の景観を損ねさせないのが大事なのか、
美しい景観どころか、大地もろとも放射能で汚染されてしまう可能性がある原発を運転し続ける方が良いのか、
答えは考える余地などない筈である。
公園協会のような自然を守りたい団体こそ、
原発を辞める為ならと、地熱発電に協力しないといけないのではないか?
本来、美しい自然とは、
数ある国立・国定公園(という広範囲)の中にしかないものではなく、
(その中にしか残されていない特別の地帯・景観があるのは勿論だが)
これらの公園以外の地域にも沢山存在するのは言うまでもない。
「美しい自然を守る」というのは、
景観が少々損なわれても、
身近なあらゆる在来生態系を壊さない営みであり、
その心がけで守られるものである。