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息子・その後 9

2007年12月13日 | 前ブログ フォーカス27「時空の先」
12月3日


家内は朝から義妹宅から病院に向かう。

午後の家内の電話で、酸素の挿菅は外れたようだ。

良かった!気管の腫れも収まってきているという先生の話だったようだ。

私は夕方早めに仕事をおき、19時の面会終了時間に間に合うよう17時前に会社を出る。
18時過ぎに病院に着く。

少し身軽になった息子を早く見たい。
痛々しい姿から少し開放された息子を早く励ましてあげたい。

家内と消毒を済ませマスクをつけICUに入る。


「エッ!?」


勝手に全部の管が外れると思っていた私は、息子の姿を見て、落胆する・・。

身軽になったと思いきや、鼻からの胃までの管はついたまま。

しかも、酸素は管が外れただけで、酸素を送る頭の部分だけのカプセルに覆われている・・・。

「ああ、なんだ・・まだこんな状態か・・」とこぼしてしまう。

「自力で呼吸はさせてはみますが、酸素を充分に取り込めないといけないので、カプセルに酸素は送ります」との先生の話だったらしい。

「なるほど、そりゃそうだ」

しかし、なにか余計に痛々しく見える・・。

ずっと眠らされている息子・・

本当に大丈夫だろうか・・麻酔や睡眠薬の分量など、こんな乳児に大丈夫なんだろうか・・という下衆な思いもあるが、
そこは大学病院の集中治療室・・信用して安心できるだろう・・。

カプセル内の温度表示がある。

両サイドに上下にスライドする窓があって、丁度の温度に保つ為か右側を少し隙間が開いている。

見ていたら、息子が目を開けた。

キョロキョロしてしきりに首を左右に振っている。
麻酔がきれてきた時のしぐさらしい・・。

顔を近づけると、私と分かったのか、思いっきり笑顔で答えてくれた。

マスクをつけているのに私とわかったのか!

私はマスクを取り、「お父さんってわかったん?」ともっと近づいた。
この時点でもう涙が溢れる・・

すると、もっと笑顔で答えてくれた・・・。

もうたまらない・・大粒の涙が溢れる・・
(今、これを書いていても思い出して泣けてくる)

「息子よ、息子よ、ごめんな、ごめんな・・・」





これで、経過がいいと、明日の夕方には一般病棟に戻れるらしい。

戻ったら抱っこは出来るんだろうか・・・

明日が待ち遠しい。


義妹宅に向かい、また晩御飯をご馳走になった。
義母や義妹にも大変お世話になっている。

家内を残し、私は自宅に戻った。

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