原発とめろ!新橋アクションのブログ

〇毎月第1水曜日 原電・東電前抗議
〇毎月第3金曜日 原発いらない金曜行動 18:30~

第35弾 新橋アクション 「汚染水を海に流す?! シール投票」&東電抗議行動報告

2020年07月05日 | 汚染水

第35弾 新橋アクション

「汚染水を海に流す?! シール投票」&東電抗議行動報告

 今年も東電株主総会を焦点をあてて抗議活動をやりました! 新橋アクションの仲間から、「今回は、汚染水問題がいい」ということで、学習を重ね、ビラとシール投票のグッズも作り、みんなで気合を入れて準備しました。

 当日は、朝から株主総会の会場前で、たった一人で、仲間が「汚染水を海で流すな!」というボードを持って登場。コロナ感染を口実に、出席者を絞って行われた株主総会。「汚染水、人聞き悪い。アメリカではコーヒー飲んでる」とこそこそ批判する右翼もいましたが、「どうしてもこの日は東電に抗議を示さないといけない」と老体に鞭を打って駆けつけたという女性。みんな以前のように表だって行動には出ないけど、怒りは、確実に、蓄積され、深まっていると実感したと報告してくれました。

 

 そして夕方、東電本店すぐのJR新橋駅SL広場前でシール投票開始。多くの労働者が「汚染水を流してはいけない」と「反対」にシール投票。若い労働者もたちどまり、きちんと話を聞いて判断してくれました。「海洋放出に反対」が圧倒的でした!

 最後に、東電本店前に移動して、みんなで怒りのシュプレヒコールと東電批判のアピールをたたきつけました。「地元が汚染水の地上での保管を求めているのに、それを無視するとは何事か!」「原発事故の上にさらに被害を拡大するのか!「トリチウムは安全だととうそをつくな!」と。それを聞いていた勤務帰りの、宮城出身の女性とも意気投合しました。

 この夏にも「汚染水の海洋放出」に道を開きたい安倍と東電。しかし、4月には浪江町議会と福島の漁協が「海洋放出に反対」の声明を出し、6月23日には、全国の漁協として「反対」を表明したという重要な情勢の中、彼らと連帯して、行動を打ち抜けたことは重要だったと思います。労組周りでは、「汚染水の海洋放出反対」の署名も集めていると聞きました。怒りは高まり、広まっています。

 「汚染水の海洋放出」は、六ケ所再処理工場の稼働に道をひらき、さらには、福島の期間困難区域の除染はやらない!など、福島原発事故をなかったことにするにとどまらず、「放射能との共存」を強制する、あらたな福島圧殺攻撃だと思います。これは核戦争への道にもつながる。この動きを絶対につぶそう! 

 今回の行動は、あまり告知してないにもかかわらず、警察が15人ほどの体制で監視。東電本店前の抗議行動では、警察のワゴン車も待機。しかし、それを恐れず、新たな仲間も増えました!新橋アクションがいかに恐れられているのか!毎回の行動で実感するところです。

 

【東電前アピール】『被曝・診療』月報 山崎さんの寄稿をもとに作りました。

3月25日付け「多核種除去法整備等処理水の取り扱いに関する小委員会報告を受けてた当社(東電)の検討議案ついて」を徹底弾劾する
 
①東電は、住民たちが地上や地下での長期保存をもとめているにもかかわらず、「海洋放出」「大気放出」という放出案しか提示していない。放出以外の選択しをあらかじめ排除している。絶対に許せない!
②「2011年12月30~40年(2054年)での廃止措置終了時にALPS処理水についても処分を終えていることが必要」としている。
 しかし、40年で廃炉に見通しは立っていない。この廃炉計画を前提とすること事態に問題がある。ありもしないゴールを想定して放射性廃棄物の放出を正当化することなど許されない。
③汚染水の中のトリチウムは、2020年1月で860兆Bqで、毎年放出量をわけて、最も遅く2035年放出開始で2055年までかかるとしてる。
 だが、 トリチウムの量を減らすには時間の経過を待つのが最も効率的だと言われている。 放射性物質としてのトリチウムの半減期は、12.32年。2054年の時点で約90兆Bqに減る。これを濃縮できれば体積は大幅に削減できる、また固化しても環境への影響は少なくなる。86年たてば一桁に減る。
 ここからも放出することが最善策とは言えないことは明らかだ。
④2010年以前には、福島第一原発では、年間2~3兆Bqの排出量であった。
 地元自治体との協議で決めた「年間22兆Bq」とは、事故以前の10倍の量を排出することになり、実際には、それ以上になる。
⑤東電は、すでに放出にむけた準備を開始している。2022年末に137万トンを超えるから、「見切り発車する」という腹なのだ。
 実は、東電は地元と1500Bq/1リットル以上を管理基準として合意しており、それ以下ならば放出しようと考えている。平均して73万Bqだから、500倍に希釈すれば可能となる。実に許しがたい。
 また、5月14日、原子力規制委員会は、排出量1京8000兆Bq/年間の六ケ所再処理工場の規制基準適合審査を終了させた。福一の18倍の排出量だ。
 福一の汚染水の海洋放出と六ケ所再処理工場の稼働は一体だ。トリチウムの海洋放出に道を開くことを許さない。
⑥トリチウムは危険だ。動物実験では、特に造血組織を中心に影響し白血病等が生じることが分かっている
 東電は「トリチウムは安全」はウソだ。
 
 東電は、地域住民、漁業者の訴えを真摯に聞き、「汚染水の海洋放出」をやめるよう強く抗議する!
 原発事故は終わっていない。東電は、事故の責任をとれ!
 
 
 

漁業者「信頼崩れた」=東電、汚染水流出を説明―福島

2015年02月25日 | 汚染水

漁業者「信頼崩れた」=東電、汚染水流出を説明―福島

時事通信 2月25日(水)15時5分東京電力福島第1原発で汚染水が排水路を通じて外洋に流出した問題で、東電は25日、福島県いわき市で開かれた県漁業協同組合連合会(県漁連)の傘下組合長会議に出席し、経緯を説明した。各組合長は、東電が昨年4月に外洋流出を把握しながら公表しなかったことを問題視。「外洋流出を隠していた。信頼関係は崩れた」(相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長)などと批判が相次いだ。

 東電は、第1原発1~4号機建屋周辺の地下水を浄化して海に流す汚染水対策を計画。各漁協では計画の是非について意見集約を進めており、年度内にも結論を出す見通しだった。会議後、野崎哲会長は記者団に「信頼がないと進められない。(意見集約の)見通しが立たなくなった」と話した。
 会議では、いわき市漁協の矢吹正一組合長が「こういうことがあると、(地下水放出に)協力できなくなる」と指摘。別の出席者も「(トラブルのたびに)我慢に我慢を重ねてきた。漁業者は(東電を)信用しなくなる」と話した。
 出席した東電福島復興本社の新妻常正副代表は「漁業者に説明してこなかったのは私の責任」と謝罪したが、「隠すつもりはなかった」と情報隠しとの見方を否定した。 


高濃度汚染水かぶる作業員  これは、被曝したということです。

2013年10月11日 | 汚染水

日本では、「作業員が被曝した」と見出しでハッキリと報じる新聞はないそうだ。海外では、被曝したことが第一に重要なことになっているらしいです。

「配管のミス」と言われると、作業員の責任だ、ミスだ、ということになる。

が、そんなことはないはず。そのことをハッキリとさせないといけないと思う。

国と東電は、作業員を被曝させたことについてどうなのか。

今さら、被曝させたと報道するのか、という意見もありますが、

東電と現場の管理者の作業指示がどうだったのか、国と会社の責任をハッキリとさせないといけないと思います。

現場は、一体どういう状況におかれているのでしょか。

 

 


汚染水、1年8か月間流出の可能性…東電発表

2013年09月18日 | 汚染水

読売新聞 9月18日(水)7時57分配信

 福島第一原子力発電所の貯蔵タンクから漏れた汚染水中の放射性物質が、雨水とともに約1年8か月間にわたって、周辺の地中や港湾外の海に流出し続けていた可能性があると、東京電力が明らかにした。

 東電の説明では、2012年1月と2月に、2区画のタンクからの汚染水漏れを見つけ、漏水部分をふさぐ補修工事を行ったが、タンクを囲む汚染水の外部流出を防ぐせきの排水弁は当時から開きっぱなしにしていた。先月に300トンの汚染水漏れなどが見つかったタンクがある2区画とは別だった。

 東電は15日、台風18号の接近に備えてせき内にたまった雨水を採取し、検査を実施。その結果、この計4区画のせき内の雨水には、ストロンチウムなどの放射性物質が1リットル当たり17万~2400ベクレル含まれ、国の放出基準値(同30ベクレル)を大幅に上回っていた。東電は17日、「せき内に残っていた放射性物質が雨水と混ざり、排水弁を通じてせきの外に流出した可能性がある。外洋への流出も否定できない」と話した。

最終更新:9月18日(水)7時57分

読売新聞

 

セシウム濃度測らず排水=7タンクエリアの滞留水―福島第1「緊急措置」・東電

時事通信 9月16日(月)15時39分配信

 東京電力福島第1原発で高濃度の放射能汚染水が保管されている七つのタンクエリアで、放射性物質を外部に出さないために設置したせきの水位が大雨によって上昇し、あふれる恐れがあるとして、東電は16日、排水を行ったと発表した。東電はセシウム濃度を測らず排水しており、汚染水への懸念が高まる中、さらなる批判を招く可能性もある。
 東電は今回の対応について、急激な水位上昇を受けた「緊急措置」と説明している。ただ、台風18号による大雨は事前に予想されていたのに、タンクエリアにおける放射性物質を含む水の排出基準も定めていなかった。
 東電によると、今回排水したエリアでは、これまで高い線量は確認されていない。エリア内にたまっていた水を調べたところ、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質濃度は最も高いところでも1リットル当たり24ベクレルだったという。
 東電はこの結果を基に、エリア内での汚染水漏れはないと判断。ガンマ線を出すセシウムの濃度も十分低いと予想できるとして、測定せずに排水した。
 排水した量は不明で最終的に海へ流出する可能性もあるが、東電はベータ線を出す放射性物質濃度の値を根拠に「雨水であることを確認している」と話している。

 

タンク汚染水、地下水混入か=放射性物質を検出―福島第1

2013年09月05日 | 汚染水

時事通信 9月5日(木)17時48分配信

 東京電力福島第1原発の貯蔵タンクから放射能汚染水が大量に漏れた問題で、東電は5日、タンク南側の観測用井戸で4日に採取した地下水からストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり650ベクレル検出されたと発表した。東電は「汚染水が土壌に浸透し、地下水に混じっている可能性がある」と説明している。

 東電はこれまでに、タンクから漏れた汚染水の一部が側溝から海に流出した可能性を認めているが、地下水を通じて海に到達する恐れが出てきた。

 東電によると、この井戸は汚染水が漏れたタンクの南約15メートルに位置し、タンク群を囲っているせきの外側にある。付近に水たまりなどは確認されていないが、8月29日に地表面の線量を計測したところ、毎時0.17ミリシーベルトで周囲より若干高かった。

 第1原発には敷地西の山側から地下水が流れ込んでいる。流れの方向で見ると、井戸は漏出タンクの上流にあり、東電は「汚染経路は不明」と説明。タンク周辺の追加ボーリング調査や土壌の分析などで、地下水への影響を詳しく調べる。 

 

 


「毎日海に流れている300tの内容がストロンチウムだいろいろ心配な事があります」

2013年08月28日 | 汚染水

みんな楽しくHappyがいい♪より転載

「毎日海に流れている300tの内容がストロンチウムだと予想を超えていろいろ心配な事があります」水口憲哉­教授8/23報道するラジオ「汚染水で海への影響は」(文字起こし)

海の汚染は、どれほど深刻なのでしょうか。
魚などの海産物を食べてもいいのでしょうか­
報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水で海への影響は」
海産物の放射能汚染の専門家・東京海洋大学名誉教授の水口憲哉­さん
2013年8月23日

26:05~この部分のYoutube↓
http://youtu.be/zRA0kZmdajA?t=26m5s


水野:
今日2番目のテーマは「汚染水で海への影響は」
今度は放射能の海洋汚染に対して大変お詳しい第一人者でいらっしゃいます
東京海洋大学名誉教授の水口憲哉­さんと繋がせていただきます。
水口さんこんばんは、どうぞよろしくお願いいたします。

福島第一原発から汚染水が1日に300トン海に流れ続けているという事なんですが、
これ、1日300トンの汚染水というのは、どれぐらいの汚染だというふうに、
海の場合には捉えたらいいんでしょうか?


水口:
その前にですね、1日300トンという言葉が独り歩きしていますけれども、
これが1時間にだとか、それからどのくらい続くのかとか、
そういう単位と長さというのがほとんどないんですよね。
それでもっと大切なことは、その300トンの内容ですけれど、どんな放射能なのか?っていう。
たとえばストロンチウムなのかセシウムなのかとか、
トリチウムなのかという事が曖昧なままで議論されているんで、
そこのところをきちんとやらないと、単に300トンだからという話にはならないんですよね。



水野:内容ですね。はぁ~、一番危惧しているのは?水口さん、

水口:やっぱりストロンチウムですね。

水野:ストロンチウムが流れ出すと海はどのような状況になるんですか?

水口:
というか、セシウムがいままでずーっと問題になっていて、
ストロンチウムについてはあんまり、実態がよく分からなかったんですね。
ですけど、ここ数日東京電力はストロンチウムがセシウムのなんか半分ぐらい、
ずーっと2011年の5月から流れ出しているなんていう試算を言いだしたんですね。
という事はちょっと、予想を超えていろいろ心配な事がありますね。


水野:
東京電力はこれまでで最高30兆ベクレルの放射性物質が海へ流れだしている。
で、そのうちの10兆ベクレルとか、そういう単位でストロンチウムの可能性があるという話なんですよね。

水口:そうですね、そういう事を言いだしましたからね。

水野:これがもし真実だとしましたら、どのような事が海に、

水口:
これはちょっとハッキリ言ってと分からないんですよね。
一応今までストロンチウムは遠くまで行かないとか、
魚の骨にたまるからいろいろ問題だとか言われているんですけれども、
こういう事は今まで私たちは経験していないんで、
海の魚がストロンチウムで汚染して、
それがそれを食べた人間にどういうふうに影響があるかとかっていうところがほとんど分からないんで
簡単に影響がどうかというようなことは言えない状態ですね。


平野:海洋調査では魚の中にストロンチウムが蓄積しているという気配はまだ出ていないんですか?

水口:
ええ。ほとんどそういう調査が無いんですよね。
だからいままでセシウムとか何とかは言われているけれども、
ストロンチウムについては断片的な調査、ま、測定も結構大変という事もあるんですけれども、
ただ、だんだんもう実態は分かっていると思うんで、
国際的にも多分もういろいろと調べていると思うんで、
まぁ・・・しばらくしたらいろいろと実態も明らかになると思いますけれどね。

報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」前半小出裕章氏より
小出:その8000万ベクレルの正体は、私はストロンチウム90という放射性物質だと思います。



水野:
私たちとしてはやっぱり、日々食べる魚などね、
海藻類などがどうなのかという事をまず思ってしまう訳ですよ。
リスナーの方もですね、

魚を買う時に産地を見てしまいます


というふうにおっしゃっているんです。


水口:もちろんそれは大事な事ですね。

水野:大事な事

水口:
というのは基本的にいまはもう、
魚の汚染が結構厳しい、福島県のものは一応出荷制限されているし、
漁にも出ていないんで、私たちが食べる中には入らないんですけれども、
宮城県から千葉県のものでは
魚種によってはまだそんなに全く検出されないというわけではないという魚種も幾つかあるんで、
そこらのところをやっぱり注意しないといけないという状況は、
ちょっと思ったよりも長く続いていますね。

水野:
ハァ~、つまり2年半近く経ったら、
もっとこう、海に薄まってしまって、影響が魚には出ないのかな?と。

水口:
そう考えていたんですけれども、
当初から言ってたように、地下水とかそういうものはもう、
ずーっと、事故のあとは流れ続けているんですね。
で、そういうものの実態がここ数週間、いわゆる参議院選挙のあと、東京電力がボロボロ出しだしたんで、
ですからそこのところが実は、2年半経っても、
思ったより魚の汚染が低くならない事の一つの原因ではないかと私は考えております。


水野:はぁー。2年半経っても変わらない状況。

水口:
いや、変わってはいるんですけれども、
その予測したよりも低くなり方が緩いんですね。
もっと早く、もう1年半ぐらいで減るかと思ったら、どうもそれが2年半経っても減らない魚種もあるんで、
やっぱり敷地内というか、港を含めて、原発の舳先の海底に堆積しているのがあるようですね。

水野:海底に堆積するんですか?

水口:
はいはい。
そして、それからまた溶けだして、まぁ薄まっていくんですけれども、
その海底に堆積しているものが、これがどう仕様もないんで、
事故のあった年にそれをコンクリで固めるっていう話もあったんだけど、「できない」っていうことで、
結局はそれが溜まり続けて、また溶け出してという事が続いているようですね。

平野:
魚は回遊しますけれども、
回遊している時にたとえばいまの時期で言うと戻りがつおとかですね、
そういうものに拡散した放射能というものが、

水口:そういうものはほとんどもう

平野:ないんですか?付着する可能性というのも

水口:
ええ。
事故の年及び翌年の鰹とかその他、それからサンマとかも調べても、
ほとんど問題ないレベルまで下がっているんですけど、

平野:ということは、ちょと

水口:
いま問題になっているのは、やっぱり福島県沿岸で、そこにずーっと定着して暮らしている魚ですね。
ですから、アイナメなんかも原発の沖合の近いところで、すごい高い値が出てくるのはそういう魚種ですね。

平野:ソイもなんかそうですね。

水口:そうですね。ソイの仲間もね。

水野:
あの、魚の種類ですね、魚種って。
どういうものに溜まりやすいんですか?

水口:
溜まりやすいというか、結局は、
ま、魚でも結局は汚染したところに、どれだけそこにいるかという、
汚染水と魚の遭遇状態なんですよね。
ですからっすーっともう何年も福島の沖で動かないものは、
どんどんどんどん蓄積していくんで、値はどんどん高くなるっていう事が起こっているわけですね。

水野:んー・・・

水口:
ですから、ちょこっと、その、
ま、1週間とか2週間、福島の沖を通過するものは、ま、そこで少し汚染したえさを食べても、
まぁ、それこそ薄まるのと同じで、
暮らしていくうちにどんどん体外にでるものもありますから、
あんまり高い値にはならないんですね。


水野:んー・・・

水口:
ですから状況はその事故が起こった時の1年間と、
その後の2年3年目というのはまた、ちょっと違ったふうに考えないといけないんでしょうね。


水野:
特に子どもさんに対して、魚を食べさせてあげたい。
影響をできるだけ少なくしたいという思いをお持ちの方は多いと思うんですが、
どんな工夫がありますでしょう?

水口:
そうですね、今、
これは私はずっと事故の年からいろんな本や
それから子どもさんを育てている親の方達が読む本なんかでも、ずっと言い続けているんですけれども、
小さな子どもには、なるべく
1kgあたり10ベクレル以上に放射能で汚染している魚は食べさせない方がいいという事は言っています。


水野:
すみません、
いま日本の水産物の基準値ですね。
これは1kgあたり100ベクレルですよね。

水口:はい

水野:
で、いま水口さんがおっしゃったのは
「100ベクレルなんかとんでもない」っていう事ですか?

水口:それはずっと言い続けている事です。

水野:「1kg10ベクレル以上のものは子どもには食べさせない方がいい」と。

水口:
それでもですね、十分に安心して食べるものはあるんです。
その事を私はずーっと言い続けているんです。
だから、日本中の魚が食べられないんじゃなくて、
ある程度限られたところの。
ま、あの、事故のあった年は千葉県から宮城県という言い方をしていましたけれども、
いまはほとんど、福島の物を食べなければ、その心配はほとんどあの………大丈夫なんですね。

ですから、あんまりそのことは。
ですからいまも福島のものは規制があって漁に出ていませんから、
ですからあんまり心配を、
「もう食べるものが無いんじゃないか」という心配を日本中でする必要はまったくないんです。

水野:なるほど。

水口:
ですから先日、韓国からテレビが取材に来て、
韓国は日本以上にいま大変みたいですね。

水野:え?どういうことですか?

水口:
すし屋とかそういうところは、ほとんどもうみんな食べなくなっているという。
ですからそれは、そこまで心配する必要はないんだという事は言ったんですけどね。
ですから日本の場合でも、
福島のものは・・・残念ながらこれはしょうがないんで。
事実流れているんですから、汚染しているんですから。
そういうものを食べなければですね、
そんなに神経質になって、
で、ある程度消費者のそういう心配が分かってて、流通の方もいろいろ調べたり測定したりしてて、
あまり、あの、流通させないようにしていますから、
ですから特に関西とか西日本の人は殆ど心配知る必要は、私は無いと思っています、魚については。


水野:ただあの、海水って、どこからどこまでって、海って仕切りがありませんよね。

水口:
もちろん海水の動きもありますし、それから魚の回遊もありますけど、
基本的に福島は黒潮の延長線上に位置していて、その先に寒流がきていて、ちょうどぶつかるところなんで、
よく三陸沖は世界の三大漁業の一つと言われるように、いい魚がいっぱい獲れるんですけれども、
そういう海流とか魚の移動というのが、西日本の方にはほとんど行かないんですよね。

ですからひと頃、ま、去年ですか。
マダラがいろいろ高い値が出たのは、私もそこまでは予想しなかったんですけれども、


北海道でも結構高い、100を超える値が出たりしたんですね。
だけどもそれも北海道のごく一部ですし、
ですから北海道のタラは全く食べられないとかそういうことではないんですよね。


水野:ん・・・

水口:
ですからそういう事からすると、確かに心配ではあるんだけれども、
そんなに全ての魚がもう駄目だとか、
そういうふうに考える必要はないんですね。

水野:福島の漁業関係者の方にとっては本当にお辛い話だろうと思うんです。

水口:
これはねハッキリ言って、福島の、私が昔から付き合っている方達もこられて、
「もうやむを得ない」と言っていますね。
「やっぱり原発を自分たちが認めてつくらせてしまったんだから、もうこれはしょうがない」という事で。
ま、これは事実としてやっぱり、よく生産者とかいろいろ言いますけれども、
ある意味では原発をつくらせてしまえばそうなるという事が、現実に起こってしまったんですね。

水野:あの、低濃度の汚染水であれば、もう海へ捨てざるを得ないんだというような考え方もありますが、

水口:
これはハッキリ言って私はずっと言い続けていますけれども、
陸上でのいろんな作業が厳しいとか、人の命にかかわる事になれば、
最終的にはみんな海へ捨てます。
それはもう、電力会社も国も同じです。

水野:はー・・・

水口:
ですから、そこのところは、いかに、ま、世論で「海に捨てるな」という事を言い続けるしかないんで、
ただ「絶対に海へ捨てるな」という事がもう言えないような厳しい状況も起こっているのも事実ですね。



水野:そこまできていますか。

水口:
そこがやっぱり、その事がどうも…本当は東京電力は国に言いたいんですけど、言えないんですね。
だけど厳しい状況であるというのはみんな考える必要はありますね。

水野:
リスナーの方が質問してらっしゃるんです。

この間新聞で、南三陸町の子どもたちが震災以来初めて海水浴を楽しんでいるという記事がありました



水口:
南三陸ですね、
わたしもタコの調査で昔の志津川町と歌津町が南三陸なんですけれども、
あそこは今ではほとんど今は、海水にしても水産物にしてもほとんど問題無いんですよね。


水野:あ、海水浴を子どもさんがなさっても問題はないんですか?

水口:殆ど南三陸では問題はないですね。

水野:「南三陸では」とおっしゃいましたね。

水口:
それはもちろん福島とか、
だからいわきあたりでいろいろ海水浴なんかを心配している方もいらっしゃるんですけど、
私はそこは非常に難しいところで、
現在の、ま、言われている海水の放射能汚染の程度だったらほとんど問題はないんですけれども、
ただ今までの経験からいくと、
「実は流していました」とか、「実はこんな数値でした」とか、後から出てきますよね。

そうすると、そういうのをどう考えるかというと、
ハッキリ言って、ま、ひとつのいきさつとか考え方で
そこまでの状態で海水浴をするか」という事なんで、
一人一人の考え方の問題で、その、危険だとか安全だとか言えないですよね。


水野:まだまだ分からない事が本当に多いとも言えますよね。

水口:そういうことですよね。

水野:今日はどうもありがとうございました。

ーー



水野:
報道するラジオ、今日は福島第一原発の汚染水の問題を専門家の方にいろいろと話を聞きました。
平野さん、リスナーの方々からいろんなご意見が届きましたので、ご紹介したいと思います。

選挙が終わった途端に汚染水のダダ漏れ状態を認めて、
福島の海水浴場の期間が終わった途端にタンクの漏れを認めたということちゃいますか
これまでもこれからも、国民を欺きウソを付き続けていく事に、もはや限界がきてますよ。
ここの福島第一原発の問題収束無しに、国民を被ばくさせ続け、世界の海を汚し続けて、
それで原発の再稼働やオリンピック開催などあるはずもないでしょうに


というふうなご意見を頂きました。
平野さんは今日の二人の専門家の話、小出さんと水口さんの話を聞いていかがでした?

平野:
水口先生の話も、地元の話の深刻さは、今現状が本当にどうなっているかっていうのが、
なかなか先生でも分かりにくい部分があって、我々ももちろん最新のデータはないんですけれど、

水野:
調査が本当になかなかできてないんですよね、
海の調査がね。

平野:
しかし海の沿岸部ではですね、
福島近辺の海の汚染というものをやっぱり詳細に知らなければ対策もとれないという事でね、
漁業者が何時漁をしたらいいのか

水野:そりゃそうですよ。

平野:
たとえば東北大学の東先生という方はですね、
50種類の海藻とか魚種を丹念に採取して、細かく刻んで、東京海洋大学に送って、
それがまた分析機関で調べるという事で、
これが時間がかかるんですよね。


水野:
いますぐに海の状態がどうなのか?って、分からないんですね、
放射性物質というのは測るのがものすごく難しいというのは水口先生もおっしゃっていましたけれど、

平野:
いち研究者とかね、大学機関に任せていい話じゃないと思うんですよ。
もう本当に国全体が取り組まなければならない話ですよね。

水野:
いま言いはったね、魚やらワカメやら、調べようとして採取しても、
そこから分かるのに2カ月かかるって・・・大変なことなんですよね。
それが放射性物質の一つの大きな特徴でもありますよね。

平野:
本当に国民の生活というものが、安全が脅かされているという危機感に立ってですね、
事態を改善しようという意思がですね、政権の中枢には見えない。
安倍さんなり官房長官から直接的にね、
緊急事態的な事をですね、表明して取り組む体制もとっていない。
なにより国際社会から厳しい目を向けられていますよね。
メディアの論調というのは本当に、欧米の論調は厳しいですよ。
先ほど韓国で「寿司を食べられない」と。
これもまぁ、ある程度誤解に基づくところもあるんでしょうけど、
情報公開をきちんとしてないからね。
これまでの隠蔽体質というものが払しょくされていないからね。
こういう疑いというかね、自衛策というか、
こういうものが出てしまう訳ですね。


水野:
小出先生も、結局今までに海に漏れ続けてしまった放射性物質の量は
小出先生は桁違いに多いんではないかとおっしゃっていました。
本当のところの数字が分からないという事は、疑念を抱かせますね。


平野:
今日の先生の話だと、もうレベル3どころか、事故当初と同じレベル7にしてもね、
この海洋汚染というものを見てもいいぐらいの印象を受けましたよね。

水野:事故を矮小化させようという動き、そういうものが東電に無いのかというところの問題ですよね。

平野:そうですよね。
このまま放置すれば、私は政権の基盤が揺らいでくるぐらいのね、認識を持ってほしいなと思うんですよね。
選挙が終わって、なんか憲法改正とかですね、オリンピックとか、そういう事ばかりに目を向けてですね、
一番大事な我々の生活の安全というものをね、ないがしろにするような政権の姿勢を見れば、
これはしっぺ返しを食うというように思いたいですよね。

水野:
リスナーの方からいま頂いたご意見はね、

今日の二人の方の話を聞かせていただいていると、腹立たしい現実ですね。
とても辛いです。
後始末も出来ないのに、新しい事に手を出してはいけないと思うし、
常識があればできないと思いますよ。


っていうふうにくださいました。
でも事故は収束宣言なんて言うものが出されて言えるんですけど。

平野:とんでもないですよね。いま進行していますよね。

水野:
はい、どんなに危機を迎えているか、今日はよく分かったと思います。
報道するラジオでした。






「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。
小出裕章氏8/23報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」(文字起こし)



ーーー


私の感想

水口先生は汚染水の内容がストロンチウムだった場合
「予想を超えていろいろ心配な事があります」とおっしゃっています。
私が今回の話を聞いていて思ったのは、
先生は今は「福島以外ならば魚は大丈夫だ、海水浴も問題ない」とおっしゃっていますが、
それはセシウムに関してのことで、
「ストロンチウムに関しては実態が分からない」と最初に話しています。

前半部分で小出先生は「タンクの汚染水はストロンチウム90という放射性物質だ」と答えています。

そこのところをきちんと押さえた上で、内容を理解したほうがいいと思いました。

ストロンチウムの調査に関して、水口先生は
「しばらくしたらいろいろと実態も明らかになると思います」とおっしゃっていますので、
実態が分かるまでは、怪しいと思うものは体内に入れないようにした方がいいと思います。



ーーー


汚染水漏れ 欧米メディアでも関心高く" href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130822/k10013942001000.html" target="_blank">汚染水漏れ 欧米メディアでも関心高く
NHK 8月22日 5時6分

東京電力の福島第一原子力発電所でタンクから300トン余りの高濃度の汚染水が漏れた問題を受けて、
欧米のメディアもこの問題について「深刻な状況だ」と伝えるなど、関心の高さをうかがわせています。

このうちイギリス・BBCは、東京にいる特派員と中継をつなぎ、
原子力規制委員会が原子力事故の深刻さを表す評価を引き上げることを検討していると伝えたうえで、
この状況は、おととし福島第一原発の原子炉でメルトダウンが起きて以来の深刻な状況だと報告しました。

また、アメリカのCNNテレビは、原発の元技術者をゲストに招いて、
「汚染水漏れはどれだけ危険なのか」と題して、現在の福島第一原発の状況について詳しく解説しました。
この中で、現場は高濃度の放射性物質のため、なかなか近づくことができず、
事態を収拾するためにどれだけの時間がかかるか分からないなどと、事態の深刻さを伝えていました。
また、ロイター通信は、福島第一原発がおととしの事故以降、最大の危機に陥っていると伝えました。

「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。小出裕章氏

2013年08月26日 | 汚染水

「みんな楽しくHappyがいい♪」より転載させていただきました。

「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。小出裕章氏8/23報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」(文字起こし)

 

 

報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」
小出裕章氏
<iframe src="https://www.youtube.com/embed/zRA0kZmdajA?rel=0" frameborder="0" width="300" height="225"></iframe>
2013年8月23日

今日は福島第一原発の汚染水を特集しますが、
まず今日の動きから千葉アナウンサーに伝えてもらいましょう



千葉:
それでは福島第一原発関連のニュースをお伝えいたします。
福島第一原発で汚染水漏れのトラブルが相次いでいる事態を受け、
原子力規制委員会は今日、現地調査を行いました。
福島第一原発では、今月19日
タンクからとしては過去最大となる300トン以上の汚染水が漏れていることが明らかになり、
一部は排水溝を通じて海へ流れ出た可能性があります。

さらに昨日、東京電力が同じ構造のタンクおよそ300基について総点検したところ、
別のエリアのタンクの周辺2カ所でも、非常に高い放射線量が測定されました。
タンクの底の部分で、1時間当たり100ミリシーベルトと、70ミリシーベルトだったという事で、
非常に高い数字です。

原子力規制委員会は今日現地調査を行い、
漏れたタンクなどを確認したほか、
地下水を通じて汚染水が漏れている海沿いで地下水のくみ上げ作業を視察しました。

また、1号機から4号機の建屋にたまった汚染水がどのように海側に流れているかを調べるため、
比較的構造が似ていて汚染が少ない5号機、6号機側の地下の構造を確認しました。

建屋の地下内は配管などを通す地下のトンネルがいたるところにあり、
こうした場所を通じて汚染水が海に漏れだしていると見られます。

現地調査を行った原子力規制委員会の更田豊志委員は
「漏えいを前提とした対策が取られていたとは思えない。点検がずさんだったと言わざるを得ない」
と話しました。

原子力規制委員会は今日の調査を踏まえ、
来週火曜日に具体的な対策について議論する予定ですが、
現場では今日も、今回漏れたものと同じ構造のタンクの建設が続いていたという事です。

タンクからの水漏れというのはこれでもう5回目なんですけれども、
水が増え続けているから、早く作れるこのタイプのタンクをつくり続けて、
汚染水を収容していくという事なんですね。



水野:
でも、このタイプのタンクは寿命が5年とか・・・と聞きますね。
仮設のものなんですね、あくまでも。

千葉:
そうなんです。
接続の部分がゴムでできていまして、まァ5年という事なんですけれども、
それでもとにかく早く作れるから作り続けるという状況だそうです。

水野:まだ2年と少ししか経っていませんのにね。

千葉:漏れてもいるんですけどね。

水野:
はい。
千葉アナウンサーがお伝えしました。
今福島第一原発で本当に何が起こっているのか?
今日は京都大学の小出裕章先生にも伺います。
また、海の状況についても伺っていこうと思っております。


03:44~
http://youtu.be/zRA0kZmdajA?t=3m44s


水野:
今日の特集「福島第一原発事故 汚染水をどうする」
今日は京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんとお電話を結びます。
小出さん今晩はどうぞよろしくお願いいたします。

平野:今晩はよろしくお願いします。

小出:はい、平野さんこんばんはよろしくお願いします。

水野:
多くのリスナーの方から小出さんのお話を伺いたいというお便りを頂いていました、
まずは
「東電は何であんなにウソをつくんでしょうか。
最初は汚染水が120リットルと言っていたのに、二日したら300トンですか!?」と。
昨夜になったら別のタンクからも漏れているっていう話ですね。
今何が起こっているのか、今日は教えていただきたいんですけれども、
まず、汚染水って、何でそんなに増え続けているんですか?

小出:
今、福島第一原子力発電所の中で、原子炉と私たちが呼んできたもの。
そこの炉心が溶けてしまっているという事が2011年3月11日から進行しているのですね。
で、炉心というところにはウランというものがあって、
それが核分裂をしてエネルギーを出して、それで発電をするという事をしてきました。
ウランという物質は地球上にどこにでもありますし、放射能を持った物質です。

みなさん、この地球という星が、単に私たちがこう、
表面で生活出来ていて、命の星だと思われていると思いますが、
地球の内部を考えてみると、ドロドロに溶けているのですね、今でも。
マグマというものがごく近くにあって、火山で噴出してくる訳ですし、
コアという部分はもう、全部が溶けてしまっているという、そういう星なんですね。
それはなんで溶け続けていられるか?というと、
ウランとか、トリウムとか、カリウムというものもありますけれども、
要するに放射能があって、それが熱を出しているからなんです。

ウランはもともと放射能を持っている物質で、生命体にとって危険なわけですけれども、
そのウランを核分裂させてしまうと、放射能の量が一気に1億倍に増えてしまうのです。
もう、モーレツな発熱体になってしまうという事になります。

2011年3月11日に地震と津波で襲われて、
福島第一原子力発電所はウランの核分裂反応自信は止めたのですけれども、
でも1億倍にも増えてしまった放射能がそこにあるが為に、
炉心でずーっと発熱を続けてしまう事になっていたのです。

ですから何とかそれを冷やさない限りはドロドロに溶けてしまうと。
それはもう宿命なのです。


水野:「今もずっと冷やし続けているんですか?」とリスナーが聞いて下さっていますが


小出:
そうです。
ですから、何が何でも冷やし続けなければ溶けてしまうという、
そういうものを相手に私たちは今戦っているのです。
2011年3月11日の事故が起きて以降、
とにかく大量に作ってしまった放射性物質が熱を出し続けていましたので、
まずは冷やして溶けないようにしなければいけないという事が起こりました。


水野:
ずーっと冷やし続けているんですね。
ただ、その汚染された水はですね、
東電は建屋でちゃんと回収して、それを放射性物質を除去して、もう一回格納容器に冷却水として使うから、
ぐるぐる回すので汚染水は増えないはずじゃなかったんですか?


小出:
東京電力の説明はそうでしたけれども、炉心を冷やそうとして水を外から入れているんですね。
そうすると、水が汚染する事自身は避けられません。
そして本来は炉心というものは原子炉圧力容器という圧力釜の中にあったのですが、
圧力釜自信ももう溶けて穴があいてしまっていますし、
その外側にあった、放射能を閉じ込める最後の防壁として設計された格納容器も、
もう多分そこいら中で穴があいてしまっていて、いくら水を入れても全部漏れてきてしまう。


水野:だだ漏れですね。

小出:
そうです。
それで、漏れてきたミスは何処へ行くかといえば、
原子炉建屋という、皆さんが写真で見る四角い建物ですね。
その建物の地下に溜まってしまったり、
あるいはそこと繋がっているタービン建屋という建物の地下に溜まってしまったり、
あるいはさらにその外側に、
トレンチとかピットとか立抗と呼ぶ地下のトンネルの様なものが張り巡らされているのですけれども、
そういうところにずーっと溜まってしまってきていたのです。

それは2011年3月の段階で「すでに10万トンも溜まっている」という状態になっていました。
4月の初めにその一部が、ピットというところがあって、
海に向かってジャージャーと滝のように汚染水が流れている事が目に見えたのです。
ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、
「これは大変だ」という事で、東京電力はそこを大変な苦闘をしながらふさいだのです。

ところがその塞いだ途端にマスコミの方々は、
「ああ、これで汚染水の漏れは防いだ」と思ったのかもしれませんが、
そんなことはあるどおりが無いのです。

コンクリートというのはもともと水を蓄える・漏らさないという力はありませんし、
福島第一原子力発電所の場合には大きな地震に襲われて、そこいら中にひび割れが生じているはずで、
目に見えなくても地下で汚染水はもうダダ漏れだったのです。

ですから、なにか今みなさんは汚染水問題が大変だと思われたようですし、
マスコミもここへ来て初めての様な顔をして、汚染水問題の事を報道しているわけですが、
もう2年半にわたってダダ漏れのままずーっと汚染水は漏れてきていたのです。


水野:
毎日汚染水は400トン増加しているという計算もありますよね、
ドラム缶2000本分です。

小出:
そうです。
それはあの、地下水というのはどこにでもあるわけで、
コンクリート構造物がひび割れている限りは、
中から外にも漏れるし、外から中にも入ってきてしまうという事は当たり前な事なのであって、
地下水がどんどん、どんどん中へ入ってきてしまいました。

だから「循環しています」と言っても、
外から中へ入ってくるものを考えれば、
どんどん、どんどん増えていってしまうという事になってきてしまったのです。


水野:
今回問題になっているタンクの水で言うと、
1リットル当たり8000万ベクレルだそうですが、
これはどれ位の危険のあるものなんでしょうか?


小出:
その8000万ベクレルの正体は、
私はストロンチウム90という放射性物質だと思います。

そのストロンチウム90という放射性物質を、もし、事故ではなくて、
たとえば私がいる京都大学原子炉実験所から外に流そうとすれば、
1リットル当たり30ベクレルを超えたらもう外へは流せません。

水野:1リットル当たり30ベクレルが限界、今回はその・・・え・・

小出:8000万ベクレルですから、ま、約300万倍という、

水野:300万倍。はぁ

小出:
もう、想像することも難しいほどの猛烈な汚染水というものが、タンクの中に溜まっているわけですし、
どんどん、どんどんそれが、毎日のようにたまってくるという状態になっているのです。


水野:
これ300トンで24兆ベクレルというふうに計算できるんですけど、
24兆ベクレルが流れ出しているというのは、どういう意味なんですか?

小出:
それもみなさん、24兆ベクレルと言っても全然実感が湧かないと思いますが、
24兆というのはですね、10を13回掛け合わせるというのが10兆という桁になります。

それで、広島の原爆がまき散らしたセシウム、あるいはストロンチウムというのは、
10を13回掛け合わせた量です。


水野:はぁ!

小出:
ですから今10を13回と私は言ったんですね。
24兆というのは。
ですから、ほとんど要するに
広島原爆がまき散らしたセシウム137あるいはストロンチウム90と同じようなものを
今、漏らしたという事ですね。

水野:はぁ。

小出:
それがただ300トンだと言っているだけであって、
福島第一原子力発電所の敷地の中にはもうすでに43万トンもの汚染水が溜まっているのです。


水野:43万トン溜まっているんですか!

小出:はい。

水野:はぁー

平野:これはもう、なんか一種の池とか沼のような状態ですね、全体を上から見たら。

小出:
はい。
もう、今私はもう、福島の敷地が放射能の沼のように思えてしまいます。

平野:これでもう、ここで作業すること自体がもう、…なんか危ういんですね、危ないですね。

小出:
そうです。
もう毎日現場で働いている作業員の方々が被ばくをしながら向き合って下さっているわけで、
本当に危うい状況だと私は思います。


水野:
1リットル当たり8000万ベクレルの汚染水の周りで作業したり、
たとえば手を突っ込んでしまったりしたら、どうなるぐらいのものですか?

小出:
それは状況によるのですけれども、
ストロンチウム90という放射性物質は、ベータ線という放射線しか出さないのです。
ですからタンクという鋼鉄の容器に入っている限りは大きな被ばくをしなくて済む
のですけれども、
それが漏れてきてしまって、地面の上に水たまりになってしまっているという事になりますと、
ベータ線もかなり空気中でも飛びますので被ばくをしてしまうという事になってしまいます。
で、もちろんそれを身体に付けてしまいますと、皮膚が被ばくをしてしまいますし、
作業員の方々は十分に注意をしながら作業をしてもらいたいと思います。


水野:これ水たまりに最初120リットルでしたでしょ?

小出:(笑)はい。

水野:それが、日があらたまったら、タンクの水位の低下から300トンという事に訂正されました。

小出:はい。

水野:
じゃあ、300トンから120リットルを引いたその差ですよね。
299トン880リッターっていうんですかね、kg。
これ、どこに行ったんですかね?


小出:
はい、堰に中に。
堰という、コンクリートでこぼれないようにしている構造物があるのですが、
その中に残っているというものもあると思いますし、
多分大部分はバルブから外に流れて地面に染み込んだんだと私は思っています。


水野:地面に染み込むとやがて海へ流れますよね

小出:
そうです。
先ほど平野さんも全体が沼のようになっているとおっしゃったけれども、
敷地全体が放射能で汚れた沼のような状態になってしまっていて、
そこにどんどん地下水が流れ込んでいる訳ですから、
もちろん海へ流れ込んで行ってしまうと思っています。


水野:
この問題についてはね、
タンカーを持ってくるべきだという事を、もう事故の直後から小出先生はおっしゃっていましたが、
これは何とも、動きませんでした。
で、今度は浄化装置のアルプスというものを動かすんだと、
こういう話もあったんですけれども、これもうまく動きませんね。

ん・・・

小出:そうです。

水野:
ただ、これからどうすれば、
この、タンクに入っている、やっと、ま、確保できた汚染水を外へ逃さないでいけるのか?
いかがでしょう?

小出:
わかりません。
今東京電力がやっているのは、
ひたすらタンクにためようとして、これまで40万トン分ぐらいのタンクをつくってきたのですけれども、
それも非常に応急的なタンクであって、溶接して作ったタンクではありません。
鋼板をただボルトでつないでですね、間にパッキンが入っているというような応急的なタンクですので、
ま、今もうすでに漏れてしまっているわけですし、
これからもどんどん漏れていくだろうと、私は思います。
そして今もどんどん汚染水が増えているわけですし、
東京電力は80万トン分までタンクを作ると言ってはいますけれども、
いずれにしても敷地には限界がありますので、
いつかは海へ流すことになってしまうと思います。


平野:規制委員会の田中委員長は、もうそうせざるを得ないみたいなニュアンスで話されていますよね。

小出:はいそうです。

平野:しかしそれでいいかどうかは大変疑問に思いますし、

小出:今までのようなやり方は決してやってはいけないと私は思います。

平野:
それと、地下水のバイパスを通す計画というのも、
敷地を通さずに地下水をいきなり、こう海へ流すみたいな計画もね、

水野:
あ、地下水が汚染される前に、先にそれをくみ上げて、海へ流そうという計画ですよね。
つまり、いままでお話ししていたタンクの中の水ではなくて、
他にも汚染水って、今お話しいただいたようにいろんな形であるわけですね。

小出:そうです。

水野:
地下水がどんどんどんどん、汚染をされてしまっている。
これは、今平野さんがおっしゃったこのやり方、汚染される前に海へ出すというのはどうなんですか?

小出:
汚染の現場に入る前の地下水を、
汚染をする前に海へ流すことは私はやるべきだと思います。
どうにも、もうこうなってしまった限りは、少しでも汚染を少なくするしかないわけですから、
それが本当にいいかどうかというのは疑問はありますけれども、
でも、やるべきだと思います。

水野:でも地下水というのは、全く汚染されていないところで

小出:
ではないですよね。
ですから、完璧に私がそれを支持するわけではありませんけれども、
本当にどうしていいのか分からないような困難な状況にありますので、
少しでも海へ汚染を流さないという方策は考えなければいけませんし、
私は、今この場所できちっとご説明できないと思いますが、
もう水で炉心を冷却するという事を止めなければいけないのではないかと思うようになりました。


水野:は?だって、水で炉心を冷却しなかったら、破局的な事になるんでしょ?

小出:
そうですね。
私もそう思ってきましたし、事故直後は海水でも良いし、海水もないなら泥水でもいいから、
「とにかく水を入れて冷やしてください」というように私は発言もしてきたのですけれども、
2年半たちまして、放射能自身も随分減衰というか、減ってきてくれていますし、
発熱量も減っていますので、
水以外の物質という事を考えて、
これ以上汚染水を増やさないという事を考える時に来たと私は思います。

平野:それはたとえばどういうものが想定されるんですか?

小出:
私は事故直後からヨーロッパの方々が忠告をしてくれたやり方なのですけれども、
最近はまた日本国内の方も私にそういう忠告をくださるようになりましたが、
「金属で冷やそう」という。

平野:金属

小出:
具体的には鉛とかですね、ビスマスとか、そういう重金属の類を、
多分溶けてしまって、どこかにあるだろうと思われている炉心のところに送ってですね、
その金属の、冷却材というか、熱伝導を使って炉心を冷やそうという、そういう発想があるのです。

それが本当にうまくいくかどうかという事も私は確信は持てないし、
これまでそんな事をやった試みも人類は経験したことが無いのですけれども、
「水というやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。


水野:これ以上汚染水を増やすわけにはいかないっていう事ですか

小出:と、思います。

水野:
これ以上汚染水が増えたらどうなると思いますか?
リスナーの方は、「もう収束作業ができなくなって、破局に至りませんか?」
って、聞いていらっしゃるんですけれども。

小出:
はい。
要するに、これまで日本の政府が福島第一原子力発電所の事故で、大気中に放出した放射性物質
セシウム137という放射性物質を尺度にしていますが、
168発分だと言ってきたんですね。
でも汚染水の中にはそれの10倍以上のものがもうあるのです。
それが今、海へ向かって流れようとしている訳ですから、
それを何とか防がなければいけないという事が、私たちのやるべき仕事なのです。

でもやろうとすると、敷地の中全体がもう放射能で汚れてしまっていますので、
その作業に携わって下さっている労働者の被ばくが毎日のように積み重なってきてしまっているのですね。
ですから、なんとかその労働者の被ばくも減らしながら、海へ汚染水を流さないという、
抜本的なというか、なにか別の方策を探さなければいけないのではないかと、私は思うようになりました。


平野:
それは、国が本当に取り組まなければだめなんですけど、
そういう気構えとか、現実的に体制とかそういうものが全く見えてこないですよね。

小出:多分ないと思います、今では。

平野:これはしかし、それを言い続ける、メディア含めてそれを言い続けるしかないんですけれども、

小出:はい、是非ともお願いしたいと思います。

平野:
現実的に学者のみなさんの知恵というものを集めて、その辺の対策を取るという事は、
現実的に出来ますかね?

小出:
ええ、出来ていないのですね。
残念ながらみなさんも原子力ムラという言葉を最近はよく使うようになってきていますけれども、
原子力の世界にいた人々というのは、
こんな事故がまさか起きるとは思っていなかったわけですし、
大きな油断の中でずっと原子力を進めてきてしまいました。
そして思ってもいなかった事故が起きてしまって、
今現在も本当にどういう方法が良いのかよく分からないというまま、一人一人の方々がいると思いますし、
知恵をきちっと集めて集約できるような組織すらがいま無いという状態なのです。


水野:
あの、東電が出すね、海への汚染水の流出を初めて認めたのって、ついこの間7月ですよね。
本当は何時から海へ流れ出ていたというふうに小出先生は見ていらっしゃいますか?

小出:2011年3月半ばからです。

水野:
3月半ば。
ということは3月11日の事故からもう何日か経ったらということですね。

小出:
そうです。
もう炉心が溶け落ちて、3月12日には1号機の原子炉建屋が爆発しているわけですが、
その時にはもう炉心が溶けている訳ですから、
その時から炉心を冷やした冷却水というか、汚染水がすでにもうあふれていたわけです。
で、3月末には敷地全体で10万トン分の汚染水が溜まっていて、
私はその段階で「タンカーで汲みだしてくれ」と言ったんですけれども、
やってもくれませんでしたし、
その時からずーーっと漏れています。

水野:
経産省はですね、1日300トンの汚染水が海に流出しているという計算をしていますし、
東電はですね、これまでのずーっと流出した放射性物質の量を
最大で30兆ベクレルというふうに計算しているんですよね。
で、この計算式を見ると、何時から漏れているかというと、
2011年5月からという計算なんですよ。
仮定が。
これ、どういうことなんですかね?


小出:
おかしいですよね。
もっと前から漏れているわけですし、仮定自身が私は成り立たないと思います。


水野:つまり30兆ベクレルをもっと超える量が流れ出ていると思われますか?

小出:はい。私は遥かに多いと思います。

水野:たとえばどれくらい?

小出:
すみません、数字では私は申し上げられないけれども、
30兆というのは10を13回掛けた桁です。
それで、大気中に出したのは10を16回掛けた桁だと日本国政府と東京電力が言っているのですけれども、
私は多分それに匹敵する位ではないかと思っています。

水野:ハァ~、桁が3つも違うという。

小出:そうです。

水野:とんでもないことになりますね。

小出:
もっとも、私自身もそれを証明できるデータを持っているわけではありませんし、
実際に環境の汚染がどれだけ生じているかという事も
未だにデータがあんまり整っていませんので何とも言えませんが、
(ためいき)ため息しか出ないというような事態に今なっていると思います。

水野:はい。
どうもありがとうとうございました。


番組の続きの文字起こしは ↓ こちら
「毎日海に流れている300tの内容がストロンチウムだと予想を超えていろいろ心配な事があります」
水口憲哉­教授8/23報道するラジオ「汚染水で海への影響は」(文字起こし)





<参考>
漏れすぎてて何が何だかʅ( ‾⊖◝)ʃワカラナーイ
汚染水漏れ関係の直近の報道
過去の汚染水漏れ
2011年事故直後の汚染水漏れ