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日々一歩ずつ前に進むために書き綴ろう…。自分の中のちょっとした変化を大切に…。

“何でも当たり前”の落とし穴 ~ 桂文珍の大学講義の1コマ ~

2007-03-26 04:38:24 | 教育
落語家桂文珍さんの関西大学文学部での講義の1コマ・・・。
 

文珍さんが学生たちに「生きている喜びを感じるのは、どんなときかいな?」
と尋ねたところ、次のような返答が戻ってきました。

「おいしいものをたべたとき」「風呂に入ったとき」「寝るとき」「空気のい
 い所を散歩するとき」・・・。

皆さんはこの返答をどう感じますか?

もしかしたらオヤジくさい(死語ですかね…)と思うのかもしれません。


文珍さんもこのとき似たような印象を持ったようです。

 「花月(劇場)にきているおじいちゃん、おばあちゃんに尋ねたわけやあら
  へんよ。もしおじいちゃん、おばあちゃんにおない(=同じ)質問するん
  やったら、『ゲートボールで相手を打ち負かしたとき』やら『嫁ん悪口ほ
  ざいとるとき』なんて、もう少し積極的なお答えをいただけるんちゃいま
  すか。大学生が並みの老人より老け込んでるっちゅうんはさすがにショッ
  クですな。」

※内容は『落語的学問のすすめ』(桂文珍)を参考、抜粋しました。


確かにショックかもしれません。文珍さんは、若い生命に満ち溢れた意見を期
待していたんでしょうね…。


今、あまりに物や情報があふれています。そのことで、なかなか感動が得にく
くなったことも理由の1つかもしれません。


私の若い頃はCD、DVDが出ただけで画期的なことでした。

それまでカセットテープを擦り切れるまで聴いたり、録画したビデオを画像の悪
くなるまで見ていたりしていましたから。


また以前は高価で得ることができなかったものが多かったですよね。

例えば10年前にはノート・パソコン1台で30万円前後が相場だったのが、今で
は10万円前後で手に入る時代・・・。


そんな物が満ち溢れてそれらが簡単に手に入る中にいると、もののありがたみは
もちろん、なかなか感動、感激も得られません。

そしてとうとう青年時代の特権である“若さ”すら失い、それに気づかない内に
どんどん歳を重ねることになる・・・そう考えると、ほんとに恐ろしいことですね。


感受性など、若いときに磨かなければ今後退化していく一方の資質はいっぱいあ
ります。

たった一度しかない若いライフステージを後で後悔しないよう、さまざまなもの
にチャレンジして、自分を高めていってほしいものです。


安易な欲求や満足に負けないように・・・。(自分にも言い聞かせつつ…)