Ca va? Ca va.  

s h i m a c h a c a f e
ささやかな生活の日々

春の詩

2009-02-17 | shima-poeme
吉野弘さんの詩集を読んでいて
今の季節にぴったりの作品を見つけました。

  「譲る」
 
  春の気配を感じると
  雪は あっさり
  退位に同意し
  白い領分をどんどん減らしてゆく。
  陽当たりのいいところなどでは
  急いで縮まろうとして  
  美しい肌に
  しわをつくったりするほどだ。
  昔の中国に
  「禅譲」というしきたりがあった。
  帝王がその位を有徳の人に譲ること
  と物の本に書いてある。
  冬の帝王から
  春の帝王への禅譲は
  急速に
  親しみをこめて行われる。


奥深い詩です。
今の時代にも、ぴったりのような気がします。
 

詩との出会い

2008-12-05 | shima-poeme
小学生のころ、国語の時間で読んだ
谷川俊太郎さんの「朝のリレー」
夜中に目が覚めてなかなか寝付けなかったり
目が冴えてしまったとき、この詩に出会ってからは
すうっと眠りに入れた思い出があります。
「ぼくらは朝をリレーするのだ」
というフレーズは、空想好きだった私にはもってこいというか^^;
暗い夜が、ちょっと明るく感じたのを覚えています。
こんな風に、ずいぶん前から、詩の世界は大好きです。
最近も、詩に励まされたりしています。
詩の世界というものは、本当に奥が深く
詩人が生み出した言葉の連なりに感動したり
情景を浮かべたり、はっと気付かされたり、
何気ない日常がすっと違う世界に見えたりすることがあって、
言葉の面白さ、奥深さ、美しさに改めて感心することができます。

屋久島に深い興味を抱くようになったのも
一つの詩との出会いでした。
学生時代に初めて知った屋久島は、大きな岩がごろごろしていて
とにかく、なんかすごいところだなぁ~
という漠然としたものでしかありませんでした。
その後、たまたま見ていたNHKの番組で
山尾三省さんが、ある学者さんに屋久島を案内していました。
それは、静かで、きれいな川でした。
今思うと、あれは、白川(しらこ)だったのだと思います。
そこで、ゆっくりと、淡々と「水が流れている」を
朗読してくれました。
私は、自然というものとは、とてもとても縁遠いところで
生まれて育ったので、この詩を聞いた時は、感動というか
衝撃的でした。

この番組では、屋久杉の森などは紹介せず、
ただ、山尾三省さんが語る屋久島と、詩の世界、
だけだったように思うのですが、記憶違いかもしれません。。。
なにせ、十年以上前なので^^;
それから、屋久島ってどんなところだろうと
探り始めて数年がたち、結婚もして、5年前の夏、
初めて宮之浦を縦走することになり
その翌年の春には、まさかの移住。
そして、shimaoさんの林業という仕事を通して
今は、ココ愛媛にいるわけです。。。
なんとも不思議な感じです^^;

ことばのかたち

2008-10-14 | shima-poeme
NHKで見た「詩のボクシング」
谷川俊太郎VSねじめ正一の戦いを見てから
楽しみの一つとなっていました。
このときの決勝ラウンド。
決勝は、テーマをくじ引きで決める即興詩対決。
谷川俊太郎さんの即興詩。
大感動でした。。。
4回目のチャンピオン、島田雅彦氏。
平田俊子氏との戦いも強く印象に残っています。

一般の部では、各地の大会を切り抜け
代表が全国大会で戦います。
もう何年も、見ていませんが
毎年、開催されているようです。
ずいぶん前、一般の部で
とても、印象に残った詩がありました。
やっと見つけました~!
決勝ラウンドの即興詩。
テーマは「言葉」
うみほたるさんという、若い女の子でした。。。


  言葉の形を見たいと思った

  だから たくさんしゃべった

  いろんな人に話しかけてみた

  いろんなところに書いてみた

  けれど 紙に残ったものは文字でしかなく

  しゃべってできたのは 声でしかなかった

  僕はなぜ 言葉を話すのだろう

  伝えたい事があるから?

  けれど僕は 悪口も言うし

  一人で泣く事もある

  そんな言葉は 伝えたくない


  言葉の形を見たいと思った

  だから たくさんの人の言葉を聴いた

  でも 何も見えなかった

  僕の近所に住んでいる ちいさな女の子が

  ベランダで ちいさな たくさんのシャボン玉を飛ばしている

  昔 よく一緒に遊んだが

  彼女が小学校にあがってからは 遊ばなくなった


  その女の子が 僕に向かってシャボン玉を飛ばしている

  気のせいかと思ったが

  女の子は 僕にぶつけるように シャボン玉を飛ばしている

  聞こえない 彼女の言葉が 聞こえた

  こんにちは



うみほたるさんの即興詩。
このとき、
心に響いたのを覚えています。。。

地球へのピクニック

2008-06-30 | shima-poeme
negiさんの結婚式で、余興をお願いされてしまった私たち。
さてどうしようかと、思い悩んだ末にめぐり合えた一つの詩。
4人で、この詩の朗読をプレゼントしました。

  「地球へのピクニック」
               谷川 俊太郎


  ここで一緒になわとびをしよう ここで
  ここで一緒におにぎりを食べよう
  ここでおまえを愛そう
  おまえの眼は空の青をうつし
  おまえの背中はよもぎの緑に染まるだろう
  ここで一緒に星座の名前を覚えよう


  ここにいてすべての遠いものを夢見よう
  ここで潮干狩りをしよう
  あけがたの空の海から
  小さなひとでをとって来よう
  朝御飯にはそれを捨て
  夜をひくにまかせよう


  ここでただいまを言い続けよう
  おまえがお帰りなさいをくり返す間
  ここへ何度でも帰って来よう
  ここで熱いお茶を飲もう
  ここで一緒に坐ってしばらくの間
  涼しい風に吹かれよう



スピーチ担当は、yokちゃん。
chi-bou、hiraly、shimachacafeという順番で
朗読しました。
そして、この詩とイメージに合った写真と
高校時代の写真、みんなのメッセージの詰まった
フォトブックをプレゼントさせてもらいました。

chi-様。取りまとめ、ご苦労様でした!
いい思い出になりました^^