京風流吟詠会4月の吟題は、楊巨源(よう きょげん)作「折楊柳(せつようりゅう)」です。
水辺(すいへん)の楊柳(ようりゅう)緑烟(りょくえん)の糸(いと)
馬(うま)を立(た)て君(きみ)を煩(わずら)わして一枝(いっし)を折(お)る
唯(ただ)春風(しゅんぷう)の最(もっと)も相(あい)惜(お)しむ有(あ)って
慇懃(いんぎん)更(さら)に手中(しゅちゅう)に向(む)かって吹(ふ)く
作者 楊巨源(800年頃)中唐の詩人
通釈 岸辺の楊柳は、今若芽が萌え出て緑の「もや」に包まれているようである。馬をとめて、君に楊柳の一枝を折ってもらう。すると、この柳の枝を春風が惜しむかのように、手の中にまでねんごろに吹いてくることである。