京風流吟詠会6月の吟は、頼山陽(らい さんよう)作「八幡公(はちまんこう)」です。
結髪(けっぱつ)軍(ぐん)に従(したご)うて 弓箭(きゅうせん)雄(ゆう)なり
八州(はっしゅう)の草木(そうもく)威風(いふう)を識(し)る
白旗(はっき)動かず 兵営(へいえい)静かなり
馬を辺城(へんじょう)に立(た)てて 乱鴻(らんこう)を看(み)る
作者 頼 山陽
八幡公(源 義家)の人となりその武風を讃えて詠じた詩。
通釈
八幡公は、結髪して成人となったころから軍に従って戦い、弓矢を取っても雄々(おお)しく、関八州では草木までもがその威風(いふう)を知っている。後三年の役(えき)で奥羽に出征したときは、源氏の白旗は動かず、兵士は落ち着いていて、その兵営も静かである。その時、八幡公は、辺境の城に馬を進めると乱れ飛ぶ雁を見、その下に伏兵がいることを見破った。