京風流吟詠会2月の吟は、長謂(ちょうい)作「長安(ちょうあん)主人(しゅじん
の壁(へき)に題(だい)す」です。
世人(せじん)交(まじ)わりを結(むす)ぶに 黄金(おうごん)を須(もち)う
黄金 多(おお)からざれば 交わり深からず
縦令(たとい)然諾(ぜんだく)して 暫(しばら)く 相(あい)許(ゆる)すとも
終(つい)に 是(こ)れ 悠々(ゆうゆう)たる 行路(こうろ)の心(こころ)
長渭(721年~780年?)中唐の詩人。
長安にいるとき、交友の軽薄なのを嘆いて、宿屋の壁に書きつけた詩。
「金(かね)の切れめが縁の切れめ」とはっきり述べている。
人間不信の詩。
通釈
世間の人は交際を結ぶとき、金(かね)の力を目安とする。
金が多くなければ、交際も深くならない。
たとえ友人となることを承知した仲でも、金の切れめが縁の切れめで、交際はしだいにうとくなり、ついには通りすがりの人のような心となってしまう。