古書肆雨柳堂

小説の感想。芥川龍之介、泉鏡花、中島敦、江戸川乱歩、京極夏彦、石田衣良、ブラッドベリ、アシモフ、ディック

GOSIK 桜庭一樹

2007-05-15 20:43:09 | ミステリ

 1924年
ヨーロッパの小国ソヴェール王国
貴族子弟を擁する聖マルグリット学園に
日本から留学した九城一弥

 学園の図書館の塔の上の上
その一室にいつも鎮座している
金髪な美しい少女ヴィクトリカ

 この二人がさまざまな事件を乗り越えていく(解決していくというより)
シリーズです。

 ヴィクトリカはその美しい容姿とは裏腹に
老成した知性、物腰で
可愛い気がありません。ツンデレです。

 ライトノベルであり、
挿絵にはロリータファッションの美少女。

 しかしキャラ萌えに終始する作品ではなく
プロットも目を瞠るものがありました。

 ミステリには謎解きを楽しむものと
世界を構成している概念の仕組みを詳らかにするものとが
あるとおもいますが、これは後者です。

 今回のテーマは占い。
 閉鎖された空間に
十数人の少年処女を入れ、
殺し合いをさせる

 
 これと占いとの関係は?

 エンディングでは感心させられる
知的な刺激が快い作品です。