ジャン・ギャバンと映画人たち

Jean Gabin et ses partenaires au cinéma

ギャバン出演映画リスト1941年~45年 Filmographie, 1941-45

2015-09-28 | ギャバン出演映画リスト
 
(31)曳き船 Remorques
 1941年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕ジャン・グレミヨン
〔原作・脚本〕ロジェ・ヴェルセル〔脚本〕シャルル・スパーク、アンドレ・カイヤット、ジャック・プレヴェ-ル(台詞)
〔撮影〕アルマン・ティラール〔美術〕アレクサンドル・トローネル〔音楽〕アレクシス・ロラン=マニュエル
〔ギャバンの役〕救助船サイクロン号の船長アンドレ・ロラン
〔共演〕ミシェール・モルガン、マドレーヌ・ルノー、フェルナン・ルドゥー、ジャン・マルシャ、シャルル・ブラヴェット、ナーヌ・ジェルモン、アンヌ・ローラン、マルセル・ペレ、アラン・キューニィ
〔封切〕1941年11月27日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕DVD
〔注〕1939年7月に撮影開始。大戦勃発で何度もの中断を経て、1941年9月に完成した。暴風雨で遭難した船を救助するサイクロン号の船長(ギャバン)には心配性で病身の愛妻(ルノー)がいるが、ある日救助した船に乗っていた若い女(モルガン)と知り合い、二人は熱烈に愛し始める。男と女二人の三角関係のメロドラマであるが、北フランスの荒海と港町、そして寂寥とした浜辺を舞台に人間の生きざまがドラマチックに描かれ、感動を生む秀作になった。ギャバンとモルガンはこの頃恋愛関係にあったが、二人のラヴシーンを見ているとほんものの愛情が放電して画面から伝わってくるようだ。とくに二人で浜辺を歩いていて、ヒトデを見つけて語り合う場面が印象深い。ジャック・プレヴェールによる台詞の素晴らしさは格別。


 
(32)夜霧の港 Moontide
 1942年 黒白(スタンダード)95分
〔監督〕アーチー・メイヨ
〔原作〕ウィラード・ロバートソン〔脚本〕ジョン・オハラ(台詞)、ナナリー・ジョンソン
〔撮影〕チャールズ・G・クラーク、リュシアン・ボラード〔美術〕リチャード・デイ、ジェイムス・ベイスヴィー、トーマス・リトル〔音楽〕シリル・J・モックリッジ、デヴィッド・バトルフ
〔ギャバンの役〕フランス人の冒険家ボボ
〔共演〕アイダ・ルピノ、トーマス・ミッチェル、クロード・レインズ、ジェローム・コーワン
〔封切〕1942年4月29日(米)、1944年10月25日(仏)
〔日本公開〕1947年2月
〔ソフト〕You Tube(インターネット)
〔注〕米国の20世紀フォックスが製作。ドイツ軍によるパリ占領後、米国へ渡ったギャバンがハリウッドで撮った第1作。ギャバンは英語の台詞を覚えて話した。カリフォルニアの港町で船大工として働くフランス人の男(ギャバン)が殺人事件に巻き込まれ、また一方で身投げするのを救った女(リピノ)と愛し合うが、最後はハッピーエンド。凡作。フランス語のタイトルは、La Péniche de l'amour(愛の小舟)。


 
(33)逃亡者 The Impostor(L'Imposteur)
 1943年 黒白90分
〔監督・脚本〕ジュリアン・デュヴィヴィエ
〔脚本〕スティーブン・ロングストリート、リン・スターリングほか
〔撮影〕ポール・イヴァノ〔美術〕ジョン・グッドマン、ユジェーヌ・ルリエ、ラッセル・ゴスマン〔音楽〕ディミトリ・ティオムキン
〔ギャバンの役〕逃亡者クレマン、別名モーリス・ラファルジュ
〔共演〕リチャード・ウォーフ、アリン・ジョスリン、エレン・ドリュー、ラルフ・モーガン、デニス・モール
〔封切〕1944年2月10日(米)、1946年7月10日(仏)
〔日本公開〕1950年8月
〔ソフト〕You Tube
〔注〕ギャバンのハリウッド映画第2作でユニヴァーサルが製作。同じく米国に渡っていたデュヴィヴィエが監督した。脱獄した死刑囚(ギャバン)が死んだ人間になりすまして、アフリカ戦線へ赴き、戦死するまでを描いたもの。フランスと日本では戦後公開されたが、不評だった。

ギャバン出演映画リスト1946年~50年 Filmographie, 1946-50

2015-09-28 | ギャバン出演映画リスト
 
(34)狂恋 Martin Roumagnac
 1946年 黒白(スタンダード)103分
〔監督・脚本〕ジョルジュ・ラコンブ
〔原作・脚本〕ピエール=ルネ・ウルフ〔脚本・台詞〕ピエール・ヴェリー
〔撮影〕ロジェ・ユベール〔美術〕ジョルジュ・ワケヴィッチ〔音楽〕ジョヴァンニ・フスコ、マルセル・ミルーズ
〔ギャバンの役〕建築技師マルタン・ルーマニャック
〔共演〕マレーネ・ディートリッヒ、ダニエル・ジェラン、マルセル・エラン、マルゴ・リオン、ジャン・ディド
〔封切〕1946年12月18日(仏)
〔日本公開〕1949年8月
〔ソフト〕DVD
〔注〕大戦中米国へ渡ったギャバンはハリウッドでマレーネ・ディートリッヒと出会い、二人はすぐに恋に落ち、同棲するまでに至ったが、ギャバン入隊後、離れ離れになった。しかし、終戦後パリで再会し、二人の親密な関係は2年ほど続いた。そんなギャバンとディートリッヒが共演した唯一の映画がこの『マルタン・ルーマニャック』(男主人公の名)。邦題は『狂恋』で、内容もまさしく恋に狂った男の話である。ギャバン自身が戦前に原作権を買い、企画を暖めていた映画だった。フランスの地方都市に中年になるまで独身を通し自分の建設会社まで作って成功している建築技師(ギャバン)がいた。この男には一人の姉がいて、妻代わりに家事をしている。ある日、ボクシングの観戦中に彼はオーストリア出身の美しい貴婦人(ディートリッヒ)に出会い、一目惚れしてしまう。好きになると一途で、男は彼女の家まで建ててやり、求愛する。だが、彼女には金持ちのパトロンと若いツバメまでいた。それを知った男は嫉妬に燃え、挙句の果てに……。ストーリーは面白いのだが、完成した映画は不出来だった。脚本が悪く、監督の力量も不足していた。しかし、興行成績は良く、フランス国内の観客動員数は249万人(うちパリが54万人)で、ヨーロッパ、米国、そして日本にも配給された。


 
(35)面の皮をはげ Miroir
 1947年 黒白(スタンダード)90分
〔監督〕レイモン・ラミ
〔原案・脚本〕ポール・オリヴィエ〔脚本・台詞〕カルロ・リム
〔撮影〕ロジェ・ユベール〔美術〕ロラン・ベルトン、ジョルジュ・ワケヴィッチ〔音楽〕モーリス・イヴァン
〔ギャバンの役〕汽船会社の重役ピエール・リュサック(元地下組織者)
〔共演〕マルティーヌ・キャロル、ダニエル・ジェラン、コレット・マルス、ガブリエル・ドルジア、ジゼール・プレヴィル、シルヴィー
〔封切〕1947年5月2日(仏)
〔日本公開〕1963年4月
〔ソフト〕DVD
〔注〕パリの映画館だけで公開され、フランスおよび国外では上映されずに終わった。リバイバル上映されたのは16年後で、この時フランス国外へも配給された。


 
(36)鉄格子の彼方 Au-delà des grilles
 1948年 黒白(スタンダード)95分
〔監督〕ルネ・クレマン
〔脚本〕チェザーレ・ザヴァッティーニ、チェッキ・ダミコ、アルフレッド・グワリーニ
〔フランス語版脚本・台詞〕ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト
〔撮影〕ルイ・パージュ〔美術〕ピエロ・フィリポーネ、ルイジ・ゲルヴァッシ〔音楽〕ロマン・ヴラド、レンゾ・ロッセリーニ
〔ギャバンの役〕殺人犯・逃亡者ピエール
〔共演〕イザ・ミランダ、ヴェラ・タルキ、ロベール・ダルバン、アンドレア・ケッキ、アヴェ・ニンキ、カルロ・タンベラーニ
〔封切〕1949年9月19日(伊)、11月16日(仏)
〔日本公開〕1951年5月
〔ソフト〕ビデオ(イタリア語版)、DVD
〔注〕仏伊合作。ギャバンがルネ・クレマン監督と組んで作った唯一の映画。フランスで愛人を殺してイタリアのジェノヴァに逃げてきた男(ギャバン)が、食堂で働く女と知り合い、女の家に匿われる。しかし、女には10歳くらいの娘と別居中の亭主がいて、最後に男は警察に逮捕されるという話。戦前のギャバンの代表作『地の果てを行く』と『望郷』に似たプロットをネオ・リアリスムのイタリア人作家が脚本にし、それをルネ・クレマン独特のリアリスムで映画化したもの。


 
(37)港のマリー La Marie du port
 1949年 黒白(スタンダード)88分
〔監督・脚本〕マルセル・カルネ
〔原作〕ジョルジュ・シムノン〔脚本〕ルイ・シャヴァンス、ジョルジュ・リブモン・デセーニュ(台詞)
〔撮影〕アンリ・アルカン〔美術〕アレクサンドル・トローネル、オーギュスト・カプリエ〔音楽〕ジョセフ・コスマ
〔ギャバンの役〕レストラン・映画館の経営者アンリ・シャトラール
〔共演〕ニコール・クールセル、ブランシェット・ブリュノワ、ジュリアン・カレット、クロード・ロマン、ジャーヌ・マルカン、ガブリエル・フォンタン
〔封切〕1950年2月18日(仏)
〔日本公開〕1951年11月
〔ソフト〕DVD
〔注〕港町シェルブールの中年実業家(ギャバン)が内縁の妻(ブリュノワ)の妹マリー(クールセル)に惹かれ、彼女が働いているキャフェを辞めさせ、理髪師の恋人とも縁を切らせて、自分の愛人にしようとするのだが、若い娘のマリーも現代っ子らしいしたたかさで、男の歓心をそそり結婚を迫るという話。ギャバンは終戦後、マルセル・カルネ監督の『夜の門』の主役を降板してカルネとは仲違いしていたが、久しぶりに二人が和解して作った映画。ブルジョワで女たらしといったギャバンの役どころが共感を呼ぶものではなく、感動の薄い作品。


 
(38)天国への門 Pour l'amour du ciel
 1950年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕ルイジ・ザンパ
〔脚本〕チェザーレ・ザヴァティーニ〔フランス語版脚本〕ジャン・ジョルジュ・オーリオル、アンリ・ジャンソン(台詞)
〔撮影〕カルロ・モンチュオーリ〔美術〕ガストン・メダン〔音楽〕ニーノ・ロータ
〔ギャバンの役〕ローマの実業家カルロ・バッキー
〔共演〕アントネラ・ルアルディ、ジュリアン・カレット
〔封切〕1951年2月14日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕伊・仏合作。


ギャバン出演映画リスト1951年~53年 Filmographie, 1951-53

2015-09-28 | ギャバン出演映画リスト
 
(39)ヴィクトル Victor
 1951年 黒白(スタンダード)90分
〔監督・脚本〕クロード・エイマン
〔原作・台詞〕アンリ・ベルンスタン〔脚本〕ジーン・フェリー
〔撮影〕リュシアン・ジュラン〔美術〕エミール・デルフォー〔音楽〕マルク・ランジャン
〔ギャバンの役〕ヴィクトル・ルストラン
〔共演〕フランソワーズ・クリストフ、ブリジット・オベール、ジャック・カストロ、ピエール・モンディー、ジャック・モレル
〔封切〕1951年6月13日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕You Tube
〔注〕


 
(40)夜は我がもの La nuit est mon royaume
 1951年 黒白(スタンダード)110分
〔監督〕ジョルジュ・ラコンブ
〔脚本〕マルセル・リヴェ、シャルル・スパーク
〔撮影〕フィリップ・アゴスティーニ〔美術〕リノ・モンデリーニ、ルネ・ムラエル〔音楽〕イヴ・ボードリエ
〔ギャバンの役〕盲人レイモン・パンサール(元・鉄道機関士)
〔共演〕シモーヌ・ヴァレール、シュザンヌ・デーリー、ロベール・アルヌー、ジェラール・ウーリー
〔封切〕1951年8月9日(仏)
〔日本公開〕1952年2月
〔ソフト〕You Tube
〔注〕事故で失明し鉄道機関士を辞めて盲人更生施設に入った男(ギャバン)が、点字の教師をしているやはり盲目の若い女性(シモーヌ・ヴァレーヌ)を真剣に愛するようになるが、実はこの女性には婚約者がいた……。ギャバンが初めての盲人役を熱演し、この映画で1951年度ヴェネチア映画祭主演男優賞を受賞。


 
(41)快楽 Le Plaisir
 1951年 黒白(スタンダード)97分
〔監督・脚本〕マックス・オフュールス
〔原作〕モーパッサン〔脚本〕ジャック・ナタンソン
〔撮影〕クリスチャン・マトラ(第1話2話)、フィリップ・アゴスティーニ(第3話)
〔美術〕ジャン・ドーボンヌ〔音楽〕ジョー・ハジョ、モーリス・イヴァン(オッフェンバッハとモーツアルトの曲より)
〔ギャバンの役〕ブルターニュの田舎の村人ジョゼフ・リヴェ(建具職人)
〔共演〕ダニエル・ダリュー、マドレーヌ・ルノー、ピエール・ブラッスール
〔封切〕1952年2月29日(仏)
〔日本公開〕1953年1月
〔ソフト〕DVD
〔注〕モーパッサンの短編「仮面」「テリエ館」「モデル」を原作にした3話構成のオムニバス映画。オフュールス監督が話題作『輪舞』(1950年)に続いて作った佳作。ギャバンは第2話「テリエ館」La Maison Tellierに出演。パリの高級売春サロンの女将が田舎にいる弟夫婦の娘の聖体拝領式に出席するため、休暇も兼ねサロンで働く女たちを連れて行き、そこで楽しく過ごすと同時に、教会では心を洗い清められるという話。女将がマドレーヌ・ルノー、田舎(ブルターニュ地方)にいる弟がギャバン、そしてギャバンが惹きつけられ一夜をともにする女がダニエル・ダリュー。ルノーは戦前の映画でギャバンが3度共演した親しい女優だが、ダリューとは初共演。ギャバンとダリューはすぐに打ち解けあい、以後、3本の映画で共演することになる。ちなみに第1話「仮面」にはクロード・ドーファン、ギャビー・モルレー、第2話「モデル」にはダニエル・ジェラン、シモーヌ・シモンが出演している。


 
(42)ベベ・ドンジュについての真実 La Vérité sur Bébé Donge
 1951年 黒白(スタンダード)110分
〔監督〕アンリ・ドコワン
〔原作〕ジョルジュ・シムノン〔脚本・台詞〕モーリス・オーベルジェ
〔撮影〕レオンス=アンリ・ビュレル〔美術〕ジャン・ドゥアリヌー〔音楽〕ジャン=ジャック・グリュネンヴァルト
〔ギャバンの役〕実業家フランソワ・ドンジュ
〔共演〕ダニエル・ダリュー、ガブリエル・ドルジア、ジャック・カストロ
〔封切〕1952年2月13日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕前作『快楽』でダニエル・ダリューと初共演したギャバンが今度はダリューの先夫のアンリ・ドコワン監督の映画に出演。主役はダリューで「べべ」(赤ちゃん)という愛称で呼ばれるエリザベート・ドンジュ。ギャバンは彼女の亭主役で、結婚10年後の倦怠期に悩む妻に毒を盛られ、今わの際に真実を打ち明ける。シリアスな夫婦間のドラマでドコワン監督の名作という呼び声が高い。


 
(43)愛情の瞬間 La Minute de vérité
 1952年 黒白(スタンダード)109分
〔監督・脚本〕ジャン・ドラノワ
〔脚本〕アンリ・ジャンソン(台詞)、ローラン・ローデンバック、ロベール・トエラン
〔撮影〕ロベール・ルフェーヴル、ルイーズ・ホルシャー〔美術〕セルジュ・ピムノフ〔音楽〕ポール・ミスラキ
〔ギャバンの役〕医師ピエール・リシャール
〔共演〕ミシェール・モルガン、ダニエル・ジェラン、レア・ディ・レオ、シモーヌ・パリス、ドニス・クレール、ルネ・ジェナン
〔封切〕1952年10月22日(仏)
〔日本公開〕1954年5月
〔ソフト〕DVD
〔注〕ギャバンが12年前に熱烈な恋愛関係にあったミシェール・モルガンと共演。二人は小学生の娘がいる夫婦役を演じた。仕事熱心な医師で浮気もする壮年の男がギャバン。モルガンは舞台女優で結婚してからずっと夫に尽くしてきた貞淑な妻だったが、ある時若い画家(ダニエル・ジュラン)に情熱的な愛を捧げられ、よろめいてしまう。しかし、夫と娘のいる家庭をとったモルガンは愛する男と別れる決意をするのだが……。監督はジャン・ドラノワで、回想形式を駆使して濃密な心理ドラマを映像化した。妻のモルガンの心の葛藤を主に描出しているため、ギャバンは脇役だったが(クレジットタイトルでもモルガンの次に名前が出る)、映画は「不倫もの」の名作になっている。


 
(44)危険な娘 Fille dangereuse
 1952年 黒白(スタンダード)92分
〔監督・脚本〕グイド・ブリニョーネ
〔原作〕ザバチーノ・ロペツ〔脚本〕アレスサンドロ・デ・スファーニ、カルロ・ムッソ
〔撮影〕マリオ・モンチュオーリ〔美術〕オタヴィオ・スコッチ〔音楽〕ミラン・ビクシオ
〔ギャバンの役〕外科医アントニオ・サンナ
〔共演〕シルヴァーナ・パンパニーニ、セルジュ・レジアーニ、ルネ・ルフェーブル、パオロ・ストッパ
〔封切〕1952年2月6日(伊)、3月29日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕You Tube
〔注〕イタリア・フランス合作で、監督はじめスタッフはイタリア人。二か国用のヴァージョンが作られ、フランス語版ではギャバンの相手役女優がシルヴァーナ・パンパーニではなくポーラ・デーリーに代わった。


 
(45)彼らの最後の夜 Leur dernière nuit
 1953年 黒白(スタンダード)98分
〔監督・脚本〕ジョルジュ・ラコンブ
〔原作〕ジャック・コンスタン〔脚本・台詞〕ジャック・セルエ
〔撮影〕フィリップ・アゴスティーニ〔美術〕レオン・バルサック〔音楽〕フランシス・ロペ
〔ギャバンの役〕図書館員、実はギャングの首領ピエール・リュファン、別名フェルナン
〔共演〕マドレーヌ・ロバンソン、ロベール・ダルバン、ギャビー・バッセ
〔封切〕1953年10月23日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕You Tube
〔注〕


 
(46)ラインの処女号 La Vierge du Rhin
 1953年 黒白(スタンダード)85分
〔監督〕ジル・グランジエ
〔原作〕ピエール・ノール〔脚本〕ジャック・シグール
〔撮影〕マルク・フォサール〔美術〕ジャック・コロンビエ〔音楽〕ジョセフ・コスマ
〔ギャバンの役〕船会社社長ジャック・ルドリュ、別名マルティン・シュミット
〔共演〕ナディア・グレイ、エリナ・ラブールデット、アルベール・ディナン
〔封切〕1953年11月13日(仏)
〔日本公開〕なし(テレビ放映あり)
〔ソフト〕なし
〔注〕ギャバンがジル・グランジエ監督組んだ最初の映画。戦時中ドイツに失踪していた男が偽名を使ってフランスへ戻り、船会社を経営していたが、再婚した妻に再会するという話。


 
(47)現金に手を出すな Touchez pas au grisbi
 1953年 黒白(スタンダード)94分
〔監督・脚本〕ジャック・ベッケル
〔原作・脚本・台詞〕アルベール・シムナン〔脚本〕モーリス・グリッフ
〔撮影〕ピエール・モンタゼル〔美術〕ジャン・ドーボンヌ〔音楽〕ジャン・ヴィーネル
〔ギャバンの役〕ギャング通称マックス
〔共演〕ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、ドラ・ドール、リノ・ヴァンチュラ、ポール・フランクール、ギャビー・バッセ、マリリン・ビュファード、リノ・ポリニ、ミシェル・ジュルダン、ドニーズ・クレール、ポール・ウトリー
〔封切〕1954年3月17日(仏)
〔日本公開〕1955年3月
〔ソフト〕DVD
〔注〕ジャック・ベッケル監督のフィルム・ノワールの傑作。ギャバンはマックスという呼び名のギャングで、初老の孤独な男の翳りを見せながらも魅力的に演じ、50歳で再び大スターとして評価されるようになった。マックスの長年の相棒で間抜けなギャングに扮したルネ・ダリーも持ち味を出して好演。ベッケル監督がスカウトした元プロレスラーのリノ・ヴァンチュラが悪役で初めて映画出演。愛人役の新進女優ジャンヌ・モローも魅力的だった。ギャング稼業から足を洗ったキャバレーの経営者(ポール・フランクール)の女房にはギャバンの最初の妻だったギャビー・バッセが扮しているが、これはギャバンがベッケル監督に推薦して実現したそうだ。