ジャン・ギャバンと映画人たち

Jean Gabin et ses partenaires au cinéma

ブリギッテ・ヘルム Brigitte Helm

2015-10-02 | 女優


 ジャン・ギャバンが映画で初めて共演した大スター女優はドイツ人のブリギッテ・ヘルムであった。フランス語読みはブリジット・エルム。『グロリア』(1930)のフランス語版(主役のブリギッテ・ヘルムは代役を使わずに出演)で初共演し、『ヴァレンシアの星』『さらば美しき日々』(1933)でも共演している。ギャバンと3度も共演したほどであるから、二人は恋愛関係にあったのではないかと思われるが、確証はない。「ジャン・ギャバン」の著者アンドレ・ブリュヌランも彼女との間に「恋愛感情の交流がなかったはずはない」と書いている。
 ブリギッテ・ヘルムは、1906年3月17日、ベルリンで生まれた。本名ブリギッテ・エーファ・ギゼラ・シッテンヘルム。中学卒業後、学生劇に参加している時、フリッツ・ラング監督の目にとまり、27年サイレント映画の大作『メトロポリス』のマリア役(アンドロイドとの二役)で鮮烈に映画デビュー。石膏像のような端正な美貌と妖艶な肢体が注目され、21歳の若さでたちまちドイツのナンバーワン女優になった。トーキーになっても活躍を続け、デビュー後8年間で約30本の映画に出演。35年実業家フーゴ・タンハイムとの再婚を機に引退。以後スイスに住み、映画界からの誘いや取材を一切拒み続けた。1996年6月11日、スイスで死去(90歳)。
 主な出演作:『世界の果て』『ジャーネ・ネイの愛』(27)『邪道』『バーデン・バーデンのスキャンダル』(28)『悪魔の寵児』(29)『南の哀愁』『グロリア』(30)『愛国者』(31) 『アトランティッド』(32)『マラソンの走者』『アランフェスの美しき日々』(33)『ゴールド』『島』『コスモポリス』(34)『理想の良人』(35)



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