ジャン・ギャバンと映画人たち

Jean Gabin et ses partenaires au cinéma

ギャバン出演映画リスト1932年~33年 Filmographie, 1932-33

2015-10-01 | ギャバン出演映画リスト
 
(8)陽気な騎兵隊 Les Gaietés de l'escadron
 1932年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕モーリス・トゥールヌール
〔原作〕ジョルジュ・クールトゥリーヌ、エドゥアール・ノレ〔脚本〕ジョルジュ・ドレ―
〔撮影〕レイモン・アニェル、ルネ・コーラ〔美術〕ジャック・コロンビエ〔音楽〕
〔ギャバンの役〕騎兵フリコ
〔共演〕レイミュ、フェルナンデル、マディ・ベリー、シャルル・カミユ、ドニオ
〔封切〕1932年9月16日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕パテ=ナタン製作。トゥールネール監督が1913年に作った同名映画のトーキー版リメイク。原作はフランスの著名な劇作家ジョルジュ・クールティーヌ(1858~1929)が1886年に書いた戯曲で、舞台では何度も上演されていたようだ。1949年にはパリのルネッサンス座で上演されている。1932年に公開されたこの映画もフランスで大ヒットしたという。時は1880年代、フランス軍51連隊の騎兵たちの悲喜こもごもの話である。ギャバンは正義心の強い意地っ張りの騎兵、フェルナンデルは気弱で曹長に虐待される騎兵、傍若無人な曹長にカミユ、隊員思いで人望のある連隊長にレイミュが扮した。


 
(9)群衆の歓呼 La foule hurle
 1932年 黒白(スタンダード)81分
〔監督〕ジャン・ドムリー
〔原案〕ハワード・ホークス〔脚本〕セトン・I・ミラー、ジョン・ブライトほか
〔撮影〕シドニー・ヒッコックス〔美術〕ジャック・オーケー〔音楽〕レオ・F・フォーブスタイン
〔ギャバンの役〕自動車のレーサー・ジョー・グレール
〔共演〕エレーヌ・ペルドリエール、フランク・オニール、フランシーヌ・ミュッセー
〔封切〕1932年9月6日
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕製作会社ワーナー・ブラザーズ。アメリカで同年ハワード・ホークス監督によって作られた同名映画のフランス語版。



(10)ラ・ベル・マリニエール号 La Belle Marinière
 1932年 黒白(スタンダード)80分
〔監督〕ハリー・ラックマン
〔脚本・台詞〕マルセル・アシャール〔撮影〕ルディ・マット〔美術〕アンリ・メネシエ〔音楽〕モーリス・イヴァン
〔ギャバンの役〕貨物船の船長
〔共演〕マドレーヌ・ルノー、ピエール・ブランシャール、ロジーヌ・ドレアン
〔封切〕1932年12月3日(仏)
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕タイトルの船名は「美しき船乗り」の意。貨物を輸送する船の船長(ギャバン)が、自殺しようとしているのを救った美しい娘(ルノー)を愛し、彼女と結婚するが、妻の方は次第に失望を感じはじめ、夫の親友(ブランシャール)と駆け落ちしてしまう話。マドレーヌ・ルノーはすでにスター女優で、ギャバンがルノーと共演した第1作。ギャバンは身もふたもない役だが、ギャバンはこの映画を大変気に入っていたという。パラマウント製作。



(11)楽しい心 Cœurs joyeux
 1932年 黒白(スタンダード)77分
〔監督〕ハンス・シュヴァルツ、マックス・ド・ヴォコルベイユ
〔脚本〕ヘンリー・コスター、ジャン・ギニュベ-ル
〔撮影〕オイゲン・シュフタン〔美術〕アンリコ・メッツネル〔音楽〕ポール・アブラハム、ヘルムート・ヴォルフ
〔ギャバンの役〕映写技師シャルル
〔共演〕ジョスリーヌ・ガエル、ガブリエル・ガブリオ、ポール・アミオ、マルセル・ドゥレトル
〔封切〕1932年12月2日
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕You Tube
〔注〕パテ=ナタン製作。フランスのフィルモグラフィーでは1931年製作としてリストのずっと前に置いているが、これは恐らく誤りで、インターネット・ムービー・データベースによる、1932年製作、11本目が正しいと思う。フランスの封切り日も1932年12月2日だからである。映画館の映写技師(ギャバン)が、宝石泥棒のギャングの手下と間違えられ、警察に逮捕されてしまう。しかし、彼の恋人(ガエル)の活躍で、ギャングたちは一網打尽にされ、映写技師は晴れて釈放されるという話。ラストは、彼が映画館の館主になり彼女とめでたく結婚する。人気女優ジョスリーヌ・ガエルとギャバンが共演した2本目の映画。ギャングの親分に無声映画時代からの人気俳優ガブリエル・ガブリオが扮している。ドイツ人俳優によるドイツ語版も作られた。



(12)ヴァレンシアの星 L'Étoile de Valencia
 1933年 黒白(スタンダード)88分
〔監督〕セルジュ・ド・ポリニー
〔原案〕ルドルフ・カッシャー、オットー・アイス〔脚本〕フリッツ・ツェケンドルフ、アクセル・ルドルフ〔台詞〕ジャン・ガルティエ=ボワシエール〔撮影〕カール・プット〔美術〕〔音楽〕リハルト・スタウチ、ハンス=オットー・ボルグマン
〔ギャバンの役〕整備士ペドロ・サヴレンダ
〔共演〕ブリギッテ・ヘルム、シモーヌ・シモン、トミー・ブル-デル
〔封切〕1933年6月24日
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕ウーファ製作。密輸船「ヴァレンシアの星」をめぐる冒険恋愛映画。ギャバンがドイツ人女優ブリギッテ・ヘルムと共演した第2作。



 (13)さらば美しき日々 Adieu les beaux jours
 1933年 黒白(スタンダード)96分
〔監督・脚本・台詞〕アンドレ・ブークレール
〔脚本〕ピーター・フランク、ヴァルター・ヴァッサーマン、ロベール・A・ステムル、ハンス・スゼッケリ
〔撮影〕フリードル・ベーン=グルント〔美術〕エリッヒ・ケッテルフット、マックス・メリン〔音楽〕ハンス=オットー・ボルグマン、エルンスト=エリック・ブーダー
〔ギャバンの役〕技師ピエール・ラヴェルネ
〔共演〕ブリギッテ・ヘルム、トミー・ブルーデル、ミレーユ・バラン、ジネット・ルクレール、アンリ・ボスク、ジュリアン・カレット
〔封切〕1933年10月5日
〔日本公開〕なし
〔ソフト〕なし
〔注〕ウーファ製作、ドイツで撮影。ギャバンとブリギッテ・ヘルムの共演第3作。宝石泥棒の美しい女(ヘルム)と彼女に恋をする若い技師(ギャバン)の話。後年、クーパーとディートリッヒ共演のハリウッド映画『真珠の首飾り』(1936年)は、この作品からヒントを得て製作されたという。


 
(14)トンネル Le Tunnel
 1933年 黒白(スタンダード)73分
〔監督・脚本〕クルト・ベルンハルト
〔原作〕ベルンハルト・ケラーマン〔脚本〕ラインハルト・シュタインビッカー〔台詞〕アレクサンドル・アルヌー
〔撮影〕クルト・ホフマン〔美術〕カール・フォルブレヒト、ハインツ・フレンケル〔音楽〕ヴォルター・グロノステイ
〔ギャバンの役〕トンネル建設技師アラン・マッカラン
〔共演〕マドレーヌ・ルノー、エドモン・ヴァン・デール、レイモン・アラン、ロベール・ル・ヴィガン
〔封切〕1933年11月29日
〔日本公開〕
〔ソフト〕You Tube
〔注〕ヴァンドール・フィルム製作。フランスとアメリカ間の大西洋にトンネルを掘ろうというSF的な設定なのだが、映画は全くSF的ではなく、前半は建設技師ギャバンと妻マドレーヌ・ルノーの夫婦関係の話で、後半はトンネル開削工事の労働者たちのストライキの話であった。



(15)上から下まで Du haut en bas
 1933年 黒白(スタンダード)79分
〔監督〕ゲオルク・ヴィルヘルム・パブスト
〔原作〕ラディスラウス・ブス=フェケテ〔脚本〕アンナ・グメイネル、ジョルジュ・ドレー〔撮影〕オイゲン・シュフタン〔美術〕エルノ・メッツネル〔音楽〕マルセル・ラテ
〔ギャバンの役〕サッカー選手シャルル・ブーラ
〔共演〕ジャニーヌ・クリスバン、ミシェル・シモン、ウラジミール・ソコロフ、カトリーヌ・エスラン、ピーター・ローレ、ミリー・マティス
〔封切〕1933年12月5日(仏)
〔日本公開〕1936年5月
〔ソフト〕You Tube
〔注〕フィルム・ソノレス製作。ナチから逃れフランスへ渡った名匠ゲオルク・W・パブストが国際色豊かなスタッフ・俳優を使って作った映画で、ウィーンにある二階建ての安アパートに住む人々の暮らしぶりを描いたもの。タイトルの『上から下まで』はアパートの二階と一階を示したもの。ギャバンは管理人の甥で有名なサッカー選手。一階に住み、二階に住む裕福な夫婦のころへ家政婦に雇われた美しい娘マリーに恋をする。


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