必塗マンの屋根の風景

屋根から撮影した写真の紹介と日頃、塗装職人の私が思った事などを綴っていきたいと思います。

裏おばちゃん

2006-06-04 00:52:12 | Weblog
 今日(既に昨日です)は、父のいとこで、長老のおばあさんの葬式でした。
「裏おばちゃん」    私たち兄弟からは割りと血が遠い存在の人ではありますが、
すぐ裏に住んでいて、子供の頃からとてもよくかわいがって貰っていたので、
「裏おばちゃん」と呼んでいました。

 ペンキ屋の娘として生まれ
気は強いが、あまり表面には出さず、とても辛抱強く
本当はとても優しい、明治生まれの女性でした。

 97歳と言う高齢まで頑張りましたが、
流石に病気と歳には勝てずに、おとといこの世を去りました。

 十年程前に私が近所の現場で作業をしていると
通りがかったおばちゃんが、
「やってるネ。ところで最近のペンキ屋はころころ転がるそんな道具(ローラー刷毛の事です)で
塗るのかい?それなら誰でも出来るねぇ・・・」
そして、汚れ除けの養生ビニールを見て、
「この現場だけで捨てちゃうの?
あー勿体無いねぇ・・」と半ば苦笑しながら言われた事を思い出しました。

 その時、既に自分では一人前に成っていたつもりの私は、
「おばちゃん、時代が変わったんだよ。」と言いその場はそれだけでしたが、
はたして本当にそうなのだろうか・・・?

 職人の娘として明治の時代に生まれた人が亡くなった今
今一度、考えなければいけない課題かもしれません。


 「裏おばちゃん」へ 
いままでありがとうございました。
これからはどうぞゆっくり休んで下さい、、、。

(写真は曽祖父の清蔵一家
中央に写っているかわいい女の子が当人です。
右端が私の祖父清直です。)
コメント (10)
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