また施設内での虐待疑惑報道が・・・・。
どのようにして撮影されたのかわかりませんが、虐待と思われる写真が公開されました。
そこには檻の中に閉じ込められたり、手首を金属で手錠のように拘束された入所者の姿が・・・。
その施設は認知症の人や知的障害者を入所させているそうですが、もし本当にそのようなことがおこなわれていたとすれば、悲しいです。
患者の中には苦痛から治療に必要な管や点滴の針を勝手に引き抜いてしまう人もいますから、患者を守るという観点から、布や紐のようなもので手首を縛ることはあるようです。その場合は家族の同意書を必要とします。
その施設責任者は同意書をいただいて布で縛ったことはあるといいます。しかし今回のように金属で手首を縛り、まるで手錠のようです。そのようなことが許されるとは思えません。
これによく似たことは昔の障害者施設ではよくあったみたいです。
兄が中学生の頃、家でも学校でも大暴れして毎日のように誰かを叩いたり、施設内のものを壊したりした時期がありました。
悩んだ母は学校の先生・医師・福祉事務所の職員等にしょっちゅう相談に行っていました。
確か福祉事務所からだと思いますが、専門家からすすめられた施設がありました。そこは認可のおりた公設のきちんとした施設でした。
しかし一度母に連れられてそこに見学に行ったとき、私は怖くなってしまいました。そこでは現在では「虐待」と思われることが平然とおこなわれていたのでした。
その施設は知的障害者のほかに奇形で親から捨てられた子供たちが入所していました。
彼らのほとんどが身体に障害をもち、ベッドに寝たきりの人、赤ちゃん用かペット用かわかりませんが檻のようなものの中に閉じ込められた人、腰を紐で縛られて犬のようにつながれたいる人などがいました。
兄のように多動で動き廻る人は部屋に閉じ込められていました。
それを見た母はさすがに兄の入所を拒否して帰りましたが、現在でもこの施設は認可されています。
現在、どのような対応がなわれているのかわかりませんが、私はその施設のことを'障害者の「姥捨て山」だと子供の頃から感じていました。
ただ当時は、現在のように障害者差別はいけないという意識は低かったですね。
兄と一緒に街を歩くと決まって誰かに罵倒されました。大人や子供に関係なく、兄のような障害者をバカにしても、それは自然なことでした。
ですから子供の頃は'''「障害者が街を歩く=バカにされる」'''と、思い込んでいました。
現在のように障害者の人権を訴えられるようになったことは本当にうれしいと思います。昔は同じことを言っても相手にもされませんでしたから・・・。
今回の施設の話に戻りますが、この施設の職員はいったい何をしていたのでしょうか?
確かに施設職員さんは薄給と過重労働でストレスも多い上、利用者からの屈辱的な言動で心を痛めることも多いことでしょう。そして我慢の限界を超えてしまうことも少なくないでしょう。
今回問題となった施設では、入所者の家族はどれだけ入所者や施設と関わってこられたのでしょうか?
もしその施設に家族が頻繁に出入りしていたらこのような事態は避けられたのかもしれません。
家族が入所者の状況を把握し、職員と連絡をとることにより、施設側もいい加減なことはできなかったのではないでしょうか?
今回問題となった施設では、その後もさまざまな不適切な対応の問題が噴出しています。この問題はどのような施設でも起こりうる問題だと思います。
入所者を守るためにも知的障害者や認知症の家族・親族はもっと入所者に関心を持ってほしいと思いました。
施設は「姥捨て山」ではないのですから・・・・。