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目眩く思想世界擬きと言霊フロンティア
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MAT 10/30

2005年10月31日 10時45分34秒 | Math
院生のM氏の講義によるZagierの数論の勉強会が始まった(というか1ヶ月ぶりくらいに数学をやった)。この本は読んだことがないのだが、なるほど河田敬義よりも内容がコンパクトで勉強会には向いているかもしれない。今日はとりあえずDirichlet指標からL関数を導入した。少し面白かったので簡単にまとめると、(Z/NZ)×上のDirichlet指標とは整数から複素平面への写像で、次を満たすものΧ(カイ)をいう。(Nを法とする)
(1)m≡nならばΧ(m)=Χ(n)
(2)Nとnが互いに素⇔Χ(n)≠0
(3)Χ(m)Χ(n)=Χ(mn)
 一般にn≡0,1に対してはそれぞれΧ=0,1となることが直ちにわかる。その他の値に対してもΧ=1となるものを主指標とよぶ。例えばN=2に対するDirichlet指標はΧ(0)=0,Χ(1)=1(主指標)しかない。N=3に対しては主指標Χ(0,1,2)=(0,1,1)の他Χ(0,1,2)=(0,1,-1)がある。N=4に対してはΧ(0,1,2,3)=(0,1,0,1),(0,1,0,-1),N=5に対してはΧ(0,1,2,3,4)=(0,1,1,1,1),(0,1,-1,-1,1),(0,1,i,-i,-1),(0,1,-i,i,-1)の4つとなる。N=7のときも同様に考えると6つのDirichlet指標がある。まだきちんと証明していないが、Nが素数のときはN-1個のDirichlet指標があってそれらは(f0(i),fN-1(i),…,fN-1(i))(i=0,1,…N-1)と書けると考えてよさそうだ。例えばN=5のときはΧ=(0,1,enπi/2,e3nπi/2,enπi)(n=0,1,2,3)というように同じ形に書ける。
 より一般的な形では、有限群G上の指標とは
  GからC×(0を除いた複素平面)への準同型写像Χ(a)Χ(b)=Χ(ab)
をいい、Dirichlet指標はG=(Z/NZ)×(mod Nの既約剰余類群:0からNまでの整数でNと互いに素なものの集合と考えてよい)としたうえでZ/NZからCへの写像に拡張したものである。
 時間がないので続きはまた別の機会に。