カナシイゆりかご

生活が困窮して育てられない
若いから育てられない

そんな理由で『こうのとりのゆりかご』に入れられたら…
Ｍはイヤだなぁ。
物心ついて、この箱に入れられていたんだ…と知ったら、
哀しいな。
親に「アンタは要らない」と、拒絶されたんだ…って思うだろうな。
ただ、育つ環境が良ければ、
そんなつまらないことに拘らないかもしれない。
それでも自分は生きていて良かった！　って思えたらいいけど、
そうじゃない場合は悲劇だと思う。

…でも、本当のところは
「こうのとりのゆりかご」に入れられる本人にしかわからない。

匿名で「こうのとりのゆりかご」に赤ちゃんを置くということは、
どんなに取り繕っても「捨てる行為」だとＭは思う。

病院にはインタホンが付いているらしい。
自分の生んだ子が憎ければ仕方ない……。
でも、そうでなければインタホンを押すべきだと思う。
無言で箱に「捨て」ないで、
病院にお願いして「預かって」ほしいと思う。
それすら出来ないっていうのは……情けない…。

匿名で悪い事をする人は
後ろめたかったり、恥ずかしいことだと思ったり…
要するに、良くないことだと自覚してるってことですよね？
最近の社会は、その匿名っていうものに寛容すぎると思う。
そしてその匿名に対して、都合のいい社会を作ってあげてるみたい。
従来の「あかちゃんポスト」もそんな感じ。

でも「こうのとりのゆりかご」は、
たぶん無いよりは、あったほうがいい。
本当に最後の手段として。
子どもを殺したり、自分が自殺するようなことにならないために。

だけど……
無言で箱に入れる前に、
ほんのちょっと勇気を持って、お願いして病院で預かってもらおうよ…。
同じ手放すにしても、そこには雲泥の差があると思う。
せめて最後に一度くらい、親らしいことしてあげようよ…

今日から運用ということで、第一号はいつなのか…
マスコミが手ぐすね引いて待ってますよね。
そんな中「こうのとりのゆりかご」へ行く勇気ある親はいるのだろうか…

てか…マスコミはもうその場から離れてよ……