ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(62)

2007-12-11 13:14:43 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠   加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女
葵   松原千明 :竹田家の長女(大阪空襲で焼け出され帰郷、立花家より離縁)
桂   黒木 瞳 :竹田家の二女(竹田屋を継いだ)

忠七  渋谷天笑 :「竹田屋」の奉公人(番頭)だった、復員してきた 
            前回は 11月10日(36回)
岩谷  草川祐馬 :造り酒屋の次男坊、かつては葵の踊りの兄弟子、
            前回は 10月12日(11話)
お康  未知やすえ:「竹田屋」の奉公人(悠付きの女中さん)

      松竹芸能
      アクタープロ

巴     宝生あやこ:三姉妹の祖母、静の母
市左衛門  西山嘉孝 :「竹田屋」の主人、三姉妹の父(婿養子)
静     久我美子 :三姉妹の母、市左衛門の妻

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

おいものふかしたのを見てうんざりする市左衛門

市左衛門は竹田屋の体面を気にして、
闇市で食べ物を売ることを禁じました

悠たちは配給だけの生活をして父と我慢比べをして一ヶ月がたちました


「なかなかい味だす」
「ちょっとお味噌の香がしてるだけですやろ?」と悠
「お味噌は10日前に配給があったきりやもん」

「お母さん」と、巴に、攻撃をしかけるように目配せする静

「市左衛門はん、わてはもう70どす。
 食べるだけが楽しみで長生きさせてもろうてますのに
 毎日おいもさんばっかりでは、もう死んだ方がましどす」

お芋さんを片手に、うすいお味噌汁を飲む市左衛門
「お義母さんにはすまんことどす。けど今はみんなが我慢してます。
 もうちっと辛抱しておくれやす」
「先代さんが亡くなはる時、あんたはんを呼んで、
 どんなことがあっても、あてだけを大事にしてくれとお言やしたな」
「へぇ」
「そのあてが頼んでるんだす。たとえお饅頭1個でも食べさしておくれやす。
 先代さんはあてが甘いモンを好きなのを知っとりやしたし」

にやにや目配せする女たち

「商売がうまいこといかん時でも、萩屋から季節のお菓子を3日にいっぺん、
 届けさすことを許してくれはったぐらいどすえ」
「へえへえ、それはよう知ってます。
 私が丁稚のころ、どんだけそのお菓子が食べたかったか」
反撃する市左衛門
「そやのにお義母さんは、かくれて一人で食べておいやした」
「何もそんな恨みがましいこと言わんでも、よろしおす」
「そのおかげで私は甘いモンが嫌いになりました」

「はぁーーっ」 ため息をつく静

「お父ちゃんは嫌いでも、女には、甘いもんが必要なんです!」と葵
「皮下脂肪で体、守ってのやし、そのために糖分は欠かしたら、あかんのです。
 特におばあちゃんみたいに歳とらはると、
 皮下脂肪がなくなってしわくちゃにならはります」

自分の顔や目尻をなでる巴

「あー、年寄りの皺はええもんどすな。それに太ると心臓にようない」
「心臓が悪いのはあんたさんどす。これほど頼んでも、食べさしてくれはらへんのど・す・かっ?」
「お義母さん、ワシかて好きな酒を我慢しとるのどす。お義母さんも辛抱しとくれやす」

「ほな、お父ちゃん、こうしたらどうですやろ」と悠
「一ヶ月に一回だけ、
 おばあちゃんの好きなお饅頭とお父ちゃんの好きなお酒を飲む日を作ったら。な?
 うちらは若いし、なんぼでも我慢できますし」
「そうです、先の短いご隠居さんに、お気の毒です」

うっかり言ったお康に向かって、これっという表情をする葵

「あんた、黙ってない!」 市左衛門の雷が落ちた
「へえ、すんまへん」

笑う巴

「だいじょうぶどす、お義母さんはまーーだまだ長生きしてくれはります」と市左衛門


「葵姉ちゃん、葵姉ちゃんが頼みはったら、
 岩谷さんやったらお酒の一升ぐらいやったら、分けてくれはるやろし、
 な、お父ちゃんに飲ましてあげよ」
「うーん」「うん」と桂と葵
「親孝行してあげよ、お父ちゃんは親孝行しはらへんでも、うちらはしてあげようなー」
桂まで言い出した


ついに「岩谷のとこ行ったら、両方手に入ります!」と言った市左衛門

「お砂糖も岩谷さんとこで仕入れはったんですか?」と葵
「この時分、造り酒屋の岩谷のとこはな、軍の御用達の店やってん。
 せやから酒と交換に、軍の物資がなんぼでも手に入りよるんや。
 今でも砂糖ぐらい隠してはるどす」

「やった~~」と手を合わせて喜ぶ三姉妹


U.S Personnel Only 日本人の立ち入り禁ず の札

「ここも進駐軍にとられたとこと違うの~?」
「岩谷さん、なんでこんなトコに来い言わはったんやろ」

おそるおそる店に入る悠と葵、ジャズが流れる、まだ改装中のような店内。

「HOW ARE YOU?」
と黒サングラスに進駐軍のような格好をした男が話しかけてきたのが、岩谷だった。
メガネをとって、
「あいかわらずおきれいなことで。そんなみすぼらしいもんぺなんてやめときなさーい。
 せっかくの美人が台無しや」
「岩谷さん、どうしはったん?」
「軍の次は進駐軍。その時の一番力のある人とつながるのが生き残るコツや。
 ここは友だちのオヤジの店やけど、進駐軍に接収されて飲んだり踊ったりできる店に改装中や。
 これからはな、ワシらの時代や。老舗やの格式やの言っとったら、取り残されまっせ」
「えらい元気にならはったなぁ」
「オヤジは日本軍と取引してて、負けた途端に知らんぷりされて、大損や。
 それやったら、ワシは進駐軍と取引して取り返したろ、思ってな、
 ま、この弱い頭を精一杯使うてますわ」

「岩谷さん、お願いがあります。うちらにお砂糖を売ってください」と悠

「そんなことお安いご用や。1斤(600g)ぐらいでよろしいか」
「10斤おいくらですか?」
「えっ?」
「お砂糖と小豆、できるだけ欲しいんです」
「室町のお嬢さんが何事ですか?」
「何でもよろし。昔駆け落ちをすっぽかしたバツとして、それだけのもん、揃えて下さい」と葵
「困ったな、そんなぎょうさんなもん‥」
「お願いします。うちは女ばっかりで岩谷さんみたいな頼もしい男のひとはいいひんし、
 室町ではお商売できんし、それでも家族は食べていかんとならんのです」と悠

「竹田屋のお嬢さんに頼まれたら、イヤとは言われませんな。
 ま、いっぺんにとはいかんですけど、ちょっとずつなら何とかなるでしょ」
「ありがとうございます」

「そのかわり葵さん、駆け落ちのやり直し、してくれます?」と葵の肩に手を回す岩谷
「もう!」とぴしっとはねのける葵
「NO!」 すっかりかぶれた様子の岩谷であった


小豆を煮ている三姉妹+お康。味見をするが「ちっとも甘くならない」と葵。
様子を見に来た巴が「お塩入れたら、甘味がきいてきますえ」とアドバイス。
早速いれてみて、巴が味見。「こんな美味しいお善哉、何年ぶりやろ」

「おばあちゃん、お善哉やのうて、これいれて固めて芋羊羹にするんどす」
「芋羊羹‥」
「お饅頭より、寒天いれて芋羊羹にした方が安上がりやって悠が言うんどす」と葵
「大阪の食堂にいる時、量を増やすには片栗粉か寒天て教えてもろたし
 乾物屋の倉庫にあるの分けてもろうたんです」
「よう固まりますかいな」と巴
「お弁当箱に入れたら、何とかなりますやろ」


市左衛門も、何年かぶりのお酒を静のお酌で飲んでいた
「あー、旨い」
「あんたが本気におなりやしたら、お酒の一升やニ升、どんなことしてでも手にいれはります。
 わざと娘たちの言う通りにしとうやすのどやすやろ?」
「まだ当分は死んだふりをしてんとなりまへん」
「いつになったら商売ができんのどすやろなぁ」
「あー、進駐軍が8000人も来て、何でもアメリカはんの言いなりや。
 着物なんか、見たこともない奴らがのさばってたんでは、はぁ室町も終わりかもわからへんなぁ」
「そんな心細いこと言わんでおくれやす」
「襟肩のお金、どれぐらい残ってはります?」
「へぇ、強制疎開で立ち退かはった人にあげてしまいましたし、
 あとは悠の嫁入り支度の分だけ、銀行に預けてあります」
「まぁ、もう、蔵の商品があれだけどすなぁ。統制がとれるまで日の目はみられへんし
 ま、それぐらいのお金やったら悠に好きにさせてやった方がっへかもしれまへんなぁ」
「あんた。悠らが何をしてるか、知っとりますのか」
「朝から台所で大騒ぎや。
 お義母さんの食べはる饅頭にあんな大騒ぎするわけがおへんがな」

微笑む静


悠たちは、試作第一弾のお弁当箱をはずしてみた

「ちょっと柔らかいのと違う?」
「もうちょっと寒天入れたほうがよかったやろか」
「うーん」
「ま、水羊羹やと思ったらええねん」
「こんなん売れんのやろか」
「着物入れる畳紙(たとうし)うちにいっぱいあるやろ? あれ切って包んだら羊羹や」
「ほな、うち店から持ってきますわ」 お安が立ち上がり、店に行った。

その時!

表から、復員兵が入って来た 「忠七さん! 
「旦那はーん! 忠七どんが~!」と奥へ走って行くお康

「忠七さん‥」悠たちもすぐ出てくる
「悠お嬢さん、忠七、ただいま戻って参りました」
「よう帰って来てくれたなぁ」
「悠お嬢様も‥ よう帰ってきてくれはりました。ここで会えるやなんて、夢みたいどす」

市左衛門と静も奥から出迎えに走ってきた

「忠七っ」
「忠七どん」
「旦那さん、奥さん 」
「よう戻った、戻った、さ、こっち上がれ。ちょうどよかった祝い酒や」
「そんなもんあるんどすか」


市左衛門と忠七は向かい合って酒を酌み交わした

悠が、アテとお銚子を持って来る
「忠七、わて、謝らんといかんことがおすねん」
「もう何も言わんといてくれやす。
 こうやって生きて帰って
 旦那さんや奥さん、悠お嬢さん、みなさんの顔を見せていただいただけで
 もう何も言うことはおへん」
「忠七どん、堪忍してや。 
 竹田屋の後継ぎにするなんて、お父ちゃんが勝手に決めはって」
「何も言わんといてくれやす。私はお嬢さんがここにいてくれるだけで、もう 

お猪口の酒を飲み干す忠七

「すまんことしたな」 忠七は市左衛門にお酒を注ぐ

「忠七どんは南方へ行ってはったんか?」
「いいえぇ。それがあっちこっち引っぱりまわされて。
 南方へ移動中の船がやられて、やっとのことで、九州へ帰ったんですけど、
 何がなんかわからんうちにもうおまえら勝手にせえ言われて、放りだされたてしもたんですわ。
 情けないやらあほらしいやら。
 けど、九州から帰ってくる途中、満員列車の中から見た広島は丸焼け、大阪は無茶苦茶どした
 ここへ着いて、竹田屋のそのままなの見たら、涙が出てとまりまへんでした」

悠には忠七の復員姿は、智太郎とダブって見えました。戦場から生きて帰る人だってある。
悠は改めて、智太郎が生きていることを確信したのです



(つづく)

『ちりとてちん』(62)

2007-12-11 13:08:09 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

  出 演

和田喜代美  貫地谷しほり 
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻り、塗箸職人に
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟糸子
和田秀臣    川平慈英  :大手の「若狭塗箸製作所」社長。友春・清海兄妹の父

熊五郎    木村祐一 :酒場「寝床」の店主
竹谷 修    渡辺正行 :箸問屋「丸竹」、観光協会の事務局長

徒然亭草々  青木崇高 :落語家、徒然亭草若の二番弟子
徒然亭小草若 茂山宗彦 :タレント落語家、徒然亭草若の実の息子、草若の三番弟子
和田清海   佐藤めぐみ:喜代美と同姓同名の同級生 エーコ。
           大阪の大学に入学、お天気おねえさんになる
徒然亭草原  桂 吉弥 :落語家、徒然亭草若の一番弟子。
徒然亭四草  加藤虎ノ介:落語家、徒然亭草若の四番弟子。中国料理店「延陽伯」でバイト中?

      劇団ひまわり
      日本芸能センター

徒然亭草若 渡瀬恒彦:元天才落語家。徒然亭一門会の後、高座復帰を宣言


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「草々さんのことが好きになってしまった」清海(佐藤めぐみ)の言葉に思わず、喜代美(貫地谷しほり)は息をのんでしまう。しかも草々(青木崇高)も清海を思っている様子を見て、喜代美はすっかり落ち込んでしまう。そのころ小浜では、正典(松重豊)のぬりばしの大口注文が、すべて秀臣(川平慈英)の差し金だったことがわかる。ぼう然とする正典に、秀臣は自分の会社との合併を提案する。




清海が草々さんに渡したお守り ‥‥

 摩利支天を思い出したのは、ワタクシだけでしょうねぇ  



若狭ちゃん

 また一から覚えるの~ なんて言ってはいかんよぉ~
 それから、内弟子時代は恋愛禁止! (← マークが違うけど)

好きになる気持ちはわかるけれど(ワタクシは、草々さん、ちと苦手だが)
もちっと修行 がんばってね~