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三田市議会議員 肥後淳三のウェルビーイング(幸せ)日記

幸せな出来事、その日の思いをブログにしたためます。        皆さんと一緒に幸せを追求しましょう!

外部監査制度と新地方公会計研修

2014年11月26日 | 研修報告
 昨日、会派新政みらいの議員の皆さんと大阪市中央区久太郎町の日本公認会計士協会近畿会研修室で開催された「自治体会計・監査研修会に参加いたしました。
 
 この研修会は、地方議員向けの研修会となっていますが、衆議院解散のあおりを受けたのか、会場の広さの割に参加者が少なかったのが残念でした。

 監査制度では、包括監査制度の事例などの話を公認会計士の小市裕之氏が講義されました。
 包括監査制度を導入している市は政令市が中心です。これまで、包括監査制度の監査事例を聞いたことがありませんでしたので、その効果などを知ることがなかったのですが、テーマを決めて公認会計士や弁護士などの数名と調査した内容は、「包括監査はここまで調査できるのか!」と改めて教えていただいた気がします。
 ただし、三田市のような人口規模がそれほどないまちに包括監査を取り入れるのは経費的な要素からも無理があると感じましたが、各市の報告を見ると入札のあり方、指定管理制度、補助のあり方等、いろんな角度から改善点の指摘を受けています。これらの報告事例を自分の自治体に置き換えて確認するなど内部統制を高めて行くことが大切ではないかと思います。
 
 新地方公会計の講義は、公認会計士の中川美雪氏。地方公会計は、貸借対照表、資金収支計算書、行政コスト計算書、純資産変動計算書の4つの財務書類を発生主義の手法で作成する手法。
 氏からは、総務省が来年度から導入を決めている地方公会計システムや導入のメリット、町田市の事例などを聞くことができました。
 新地方公会計のシステム導入の話は、大津市にある国際アカデミーの研修でも担当課長からその内容を聞いておりました。その時の担当課長の話は、「財務諸表をつくるから使う時代である」ことを力説されておりましたが、まさに昨日の講義でも、新地方公会計は、今後の自治体運営のマネジメントや市民への説明責任を果たしていくために必要なツールであるとの認識が高まりました。
 町田市では、事業別財務諸表を2012年から取り組み始めており、決算委員会や予算への反映、ひいては、職員のコスト意識改革にまで効果があったと言うことです。
 残念ながら町田市のシステムと総務省が各自治体に配布するシステムはかなり異なっているとのことですが、単に造るだけではなく、これを何に活用して行くのかを各々の自治体で議論し、これを用いて特徴のある自治体にしていく必要性も感じました。 
 三田市では、戦略プランで公共施設白書と施設マネジメントシステムを構築しようとしています。そのためには、総務省の推進する新地方公会計システムとのリンクも必要となります。
 施設に対する市民への説明を数値でお伝えできる日が到来します。
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人口減少と地方消滅論 ~講演会より~

2014年09月21日 | 研修報告
 昨日、神戸市勤労センターで開催された兵庫県自治体問題研究所主催のセミナーへ行ってまいりました。(参加費は無料です)
 講師は、同研究所理事でもある神戸大学教授の岡田章宏氏。
 講演の内容は、昨年末に公表された「人口減少に伴う地方消滅論に対する違う角度からの見方」と言って良いと思います。

 確かに人口推計では、2050年には、9700万人。2100年には、約5000万人になると予測されています。
 地方消滅を論じている日本創成会議、増田氏は、そのうち2040年に20歳~39歳の女性が5割以上減少する市町村を消滅可能性都市と呼び、1799自治体のうち約5割896自治体がこれに該当する。さらに20歳~39歳の女性人口が5割以上減少する自治体のうち約29%にあたる523自治体が人口1万人未満となり、このままでは消滅の可能性が高いと論じています。


 さて、この論説に対しての岡田神戸大学教授の問題認識は、次のとおりでした。
 *人口減少(少子化)の理由を人口の移動(東京など大都市に集中する)に求めており、妥当性が欠如しているのではないか。
 *何故20歳~39歳(子どもの95%をこの年齢層が生んでいる)の女性人口が50%を切ると消滅可能性都市となり、人口が1万人を切ると消滅すると言えるのか。
 *人口推計値のデータは、2010年のものであり、東日本大震災以後の人口動態が変わってきている。
 *人口推計は、まだ統計としては、未成熟であり将来推計は不確実性をもっている。
 ・消滅すると断定された自治体はショックであり、「危機感」を利用した政府改革の実施を目論んでいるのではないか。
 
 私的には、確かに今年に入ってから人口減少=子育て支援の施策展開が早いと感じていますので、教授の言う「危機感」を利用した施策推進はあながち根拠のない話とは言えないと思います。
 また、*で示した人口1万人未満の町村が「消滅するまち」と言われても、私の故郷である奄美の村や妻の離島は、今でもこれに該当し既に「消滅」していなければならないまちとなってしまいます。
 しかし、1万人を切るまち、あるいは、それどころか私のふるさとの奄美では、何百人かの集落が集まり村を形成していますが、基本は集落単位で暮らしが成り立っているのが実情ですし、小さな町だからこそ小回りのきく政策や経済力の向上などそれぞれの町や村で頑張っているところが多いのも事実です。
 
 教授は、これから政府は、地方を元気にするために「コンパクトシティ」や「地方拠点都市」を推進しそこに「お金」を落としてくるだろうが、これまでの平成大合併の政策や経済のグローバル化の中で、果たしてその考え通り事が運ぶのかはあやしいとしています。
 地方消滅論に惑わされることなく、地方にふさわしい自前の政策で地域づくりを考える時代である。と締めくくりました。
 
 人口は、現在の特殊出生率1.43からすると確実に減るのは間違いありませんし、高齢化率も上昇してきます。大都市で特殊出生率が下がる傾向が大きくなっているとすれば、「子どもを産み育てるのは、地方である」と言ってもよさそうですが、残念なことに地方では、満足なサラリーを得る企業が張り付いていません。
 教授は、雇用の問題も重要、結婚しない。のではなくて「できない」ともお話されていました。ある地方では、田舎の自然を売りに現代のICTがもたらす仕事を地方へ誘致しているところが出てきています。

(今朝の三田の朝は、ひんやりして気持ちの良い朝でした)
 国の進めるコンパクトシティや地域拠点都市についても一部のまちにしか恩恵がないのではとも考えています。
 地方の魅力を高める取り組みは何なのか。今一度、地方自治体の自立に向け見つめ直す必要もありそうです。
 
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