三田市議会議員 肥後淳三のウェルビーイング(幸せ)日記

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人口減少と地方消滅論 ~講演会より~

2014年09月21日 | 研修報告
 昨日、神戸市勤労センターで開催された兵庫県自治体問題研究所主催のセミナーへ行ってまいりました。(参加費は無料です)
 講師は、同研究所理事でもある神戸大学教授の岡田章宏氏。
 講演の内容は、昨年末に公表された「人口減少に伴う地方消滅論に対する違う角度からの見方」と言って良いと思います。

 確かに人口推計では、2050年には、9700万人。2100年には、約5000万人になると予測されています。
 地方消滅を論じている日本創成会議、増田氏は、そのうち2040年に20歳~39歳の女性が5割以上減少する市町村を消滅可能性都市と呼び、1799自治体のうち約5割896自治体がこれに該当する。さらに20歳~39歳の女性人口が5割以上減少する自治体のうち約29%にあたる523自治体が人口1万人未満となり、このままでは消滅の可能性が高いと論じています。


 さて、この論説に対しての岡田神戸大学教授の問題認識は、次のとおりでした。
 *人口減少(少子化)の理由を人口の移動(東京など大都市に集中する)に求めており、妥当性が欠如しているのではないか。
 *何故20歳~39歳(子どもの95%をこの年齢層が生んでいる)の女性人口が50%を切ると消滅可能性都市となり、人口が1万人を切ると消滅すると言えるのか。
 *人口推計値のデータは、2010年のものであり、東日本大震災以後の人口動態が変わってきている。
 *人口推計は、まだ統計としては、未成熟であり将来推計は不確実性をもっている。
 ・消滅すると断定された自治体はショックであり、「危機感」を利用した政府改革の実施を目論んでいるのではないか。
 
 私的には、確かに今年に入ってから人口減少=子育て支援の施策展開が早いと感じていますので、教授の言う「危機感」を利用した施策推進はあながち根拠のない話とは言えないと思います。
 また、*で示した人口1万人未満の町村が「消滅するまち」と言われても、私の故郷である奄美の村や妻の離島は、今でもこれに該当し既に「消滅」していなければならないまちとなってしまいます。
 しかし、1万人を切るまち、あるいは、それどころか私のふるさとの奄美では、何百人かの集落が集まり村を形成していますが、基本は集落単位で暮らしが成り立っているのが実情ですし、小さな町だからこそ小回りのきく政策や経済力の向上などそれぞれの町や村で頑張っているところが多いのも事実です。
 
 教授は、これから政府は、地方を元気にするために「コンパクトシティ」や「地方拠点都市」を推進しそこに「お金」を落としてくるだろうが、これまでの平成大合併の政策や経済のグローバル化の中で、果たしてその考え通り事が運ぶのかはあやしいとしています。
 地方消滅論に惑わされることなく、地方にふさわしい自前の政策で地域づくりを考える時代である。と締めくくりました。
 
 人口は、現在の特殊出生率1.43からすると確実に減るのは間違いありませんし、高齢化率も上昇してきます。大都市で特殊出生率が下がる傾向が大きくなっているとすれば、「子どもを産み育てるのは、地方である」と言ってもよさそうですが、残念なことに地方では、満足なサラリーを得る企業が張り付いていません。
 教授は、雇用の問題も重要、結婚しない。のではなくて「できない」ともお話されていました。ある地方では、田舎の自然を売りに現代のICTがもたらす仕事を地方へ誘致しているところが出てきています。

(今朝の三田の朝は、ひんやりして気持ちの良い朝でした)
 国の進めるコンパクトシティや地域拠点都市についても一部のまちにしか恩恵がないのではとも考えています。
 地方の魅力を高める取り組みは何なのか。今一度、地方自治体の自立に向け見つめ直す必要もありそうです。
 
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