クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

髪さま ほっとけないさま

2012-05-30 23:14:35 | 日記
42歳までショートヘアだった私だが、過去何度も伸ばそうと頑張ったことがある。

耳に髪の毛が掛けられる頃になると、枝毛を見つけては切っていた。

枝毛って結構あるもんだなぁ、とあの頃は思ったものだった。


現在伸ばして始めて8年目。
肩甲骨の辺りまで伸び、私の中で最長記録更新中だ。

しかし、そもそも面倒くさがり屋なので、お手入れはほとんどしない。
ドライヤーも疲れるので、そこそこ乾いたらあとは自然乾燥。
これじゃあ乾燥して髪も痛むであろう。

ところが、枝毛というものが全く見当たらない。

昔よりも長いし、
昔よりも手入れもしていないし、
何よりも確実に年をとっているのに。
髪は細くなり、乾燥している。

なのに、枝毛も切れ毛もない。

これは・・・
よっぽど最近のシャンプー・リンスが良くなったに違いない。

トリートメントも、パックもしなくても大丈夫。
いい加減なドライヤーでも平気。

ありがたや~。


が、しかし。
事実は違った。


さっき何気~に髪先をつまんでみたら、枝毛が沢山あった。

この「何気~に」という条件の中に「老眼鏡を掛けて」という要素がプラスされたのだ。


そっか、やっぱりしっかり年を取っていたわけね。

ピントが合っていなくて枝毛が発見されなかっただけだった。

想うなら空の方がいいな

2012-05-28 22:08:42 | 日記
子供の頃、自動洗車機が大好きだった。

私はいつも助手席に座り、前方と側面から迫りくる巨大ブラシを見ながら
よく空想の世界に入り込んだものだ。

ある時は海底2万マイルのアドベンチャー、
ある時は宇宙空間でのオペレーター、
そしてタイムマシーンで過去に飛ぶマシーン・・・
と、ワクワクして3分ほどの夢の時間を過ごした。

そんな思い出があるから、次男も喜ぶものだと思い洗車マシーンへ。

しかし、彼は違った。

「面白かったね~」と揚々と話しかける私に

「・・・気持ち悪かった。酔った・・・」

と、顔面蒼白の面持ち。

ゴメンよ、悪いことをしたね。


多分私も子供の頃は怖かったのだと思う。

あの大きな回転ブラシが窓を破壊し、大量の水が車の中に入り込むんじゃ?と思うと怖かった。

その恐怖をかき消す為にも、楽しい空想は必要だった。
子供ながらも防衛手段は知っていたのかもしれない。




まぁ個人差はあるというものの、最近の子供は(こんな言い方は嫌だが)空想を楽しまない。

それは何も今日の洗車の事だけではない。

もしもコレがアレなら・・・なんてワクワクは、
空想しなくても物にあふれ、
考える前から映像で疑似体験をしている現代っ子には無用なのだ。

無いものが前提の空想と、思い込みが土台の妄想。

妄想を遊びとして楽しめる世代だから、
サイエンスフィクションや、神話や迷信から来る神秘の世界はムダの一部なのかもしれないな。

つまんないの。とは思うものの、批判するわけではない。


でも・・・
妄想から覚める時は虚しさが残るけれど、
空想から覚めた場合は、妙な満足感が残る(ような気がする)。

長男20歳。彼女いない歴17年

2012-05-26 22:03:40 | 日記
「子どもの頃は嫌いだったけど、最近魅力が分かってきた」

と、車のCMを見ながら長男が言い出した。

「なんか可愛いよね、ミィ」


ムーミンで御馴染みの、玉ねぎ頭の小さいミィのことだ。


ミィ・・・確かに私も子供の頃は嫌いだった。

目が吊り上っていて悪い人に見えた。

人の心にズケズケ土足で踏み入るような話し方も苦手。


でもいつの間にかそんなことは気にならなくなり、
今ではミィのイラストのマグカップでコーヒーを飲んでいたりする。


長男がどんなところにミィの魅力を見出したかは分からないが、
確かにミィは「いい」と私も思う。


思ったことはズバズバ言うし、
好奇心旺盛で何でも首を突っ込みたがる。

けれども人一倍情に厚い女の子だ。

友達のピンチは見過ごせない。
優しい言葉を言うわけではないけれど、思いやりに満ちている。
強い口調の中に心遣いを感じる。

こまっしゃくれた態度は、照れ隠しなのかもしれない。
本当はとっても優しい女の子なのにね。


長男20歳。
ミィの魅力に気が付くとは、大人になったものだ。

分かりやすい善に気が付くより、
見つけにくい善を判断できるようになれば、人の出会いがもっと素敵になると思うよ。

その調子で可愛い彼女を見つけておいで。

ほっとけの顔も参道まで

2012-05-24 22:03:21 | 日記
興福寺には「阿修羅」という、
東大寺には「大仏」というスーパースターがいる。

どちらも鹿がノンキに暮らしている春日公園にあるので、
ここに来れば仏像のスターと、奈良のシンボルの鹿に出会える。

春日公園周辺さえ押さえれば「奈良に行ってきました」と胸を張って言える。

だから奈良の中でも、ここはいつも観光客でいっぱいなのだ。


奈良に暮らし始めて6年。
いろんな所に行ったけれども、私は東大寺が1番好きだ。

大仏様も、
金綱立像も、
大仏殿などの建物も、
どれもこれも勿論素晴らしいのだが、
何よりも私を心地よい気持ちにさせてくれるのは、
《ここに人が集まってくるということ》

少し視線を上げると、空を覆い隠す高いビルもなく、
ただ近くに若草山の緑が目に優しく映る。

静かに佇む鹿もいれば、
鹿せんべいをねだって群がる鹿もいる。

お土産屋さんの呼び込む声、

鹿に囲まれてキャッキャと笑う人、

笑顔でカメラにピースしたり、

静かにスケッチをするおじいさんの真剣な眼差し。



そんな沢山のステキの中を歩いていると、なんだか幸せな気持ちになってくる。


今日も叔母と従姉妹で東大寺に行ってきた。

そしてやっぱり心地よい時間を過ごせた。

だからちょっとくらい靴底にフンがついても許してしまえる。
(大仏殿に入るときはちゃんとフンを落としますけどね)

雨に謳えば

2012-05-22 21:14:38 | 日記
私はいわゆる「晴れ女」だ。

どんなに悪天候でも、離陸時と着陸時はウソのように晴れる。

電車に乗っている間は大雨でも、駅から家までは晴れる。とか・・・


今日は神奈川から親戚が遊びに来て、薬師寺に参拝に行った。

午後からは晴れているのに雨が降るという天気で、傘なしでは歩けなかった。

「おかしいわ。私は晴れ女なのに。」
と叔母が言うと、

「私も晴れ女よ。」
と従姉妹が言う。

もちろん私も
「私も晴れ女ですよ。」
とムキになって言う。

でも、外は雨。

3人の晴れ女が揃っているというのに雨なのだ。



薬師寺の中は幾つかの修学旅行の団体さんがいた。

「きっとこの子達の多くが雨女・雨男なのよ。」

そう私が切り出すと、
「そうよね、私たちが悪いわけじゃない」
という救いの言葉に3人は安堵した。


長い間晴れ女を名乗って来た私たちにはプライドってもんがある。

自分が出かける時は晴れなければいけない。

よかったよ、修学旅行生にでくわして。

彼らのお蔭で私たちの資質が守られた。