クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

電車で業(ごう)

2012-05-05 10:41:34 | 日記

喫煙者の方からは、どんなに気を遣われている人でもタバコの香りがする。

人ごみの中、すれ違いざまにフッと香ったり、
美容師の指が顔の近くに来ると、指先から臭ったりする。

歯磨きをしても、手洗いをしても臭う。
香水で誤魔化してもダメ。

髪や体臭から出る臭いはなかなか消えない。



その中でも昨日の帰りの電車、隣に座ったおにーさんの臭いったら!

タバコの匂いではなく、「ヤニ」の臭いが凄かった。

「タバコ臭い」はさほど気にならないが、「ヤニ臭い」って我慢のできない臭いだ。

よほどのヘビースモーカーなのか、それとも体臭に出やすい人なのか・・・


健康はもちろん、交友関係においてあの臭いはかなりのマイナスポイントだ。


目的の駅につくまでの30分間、あの臭いと戦いながらも、彼の行く末を案じていた。

息子と同じくらいの年であろうか・・・
母としての本能や業が、他人であるが不安にさせるのだ。



電車を降り、外の清々しい空気を吸ってホッと一息をついた。

その瞬間、彼のヤニの臭いなど飛んでしまい、さっきまで心配していた自分も消えた。

今度は留守番中の息子のことが気になってくる。
早く家に帰らなくっちゃ。


薄情。


あんなに気にかけてた彼は、たまたま電車で居合わせた一人にしか過ぎないってことだ。