新年度を迎えました。ほとんどの方々が4月3日が仕事始めかと思います。新しい環境の中で早く慣れていただき、みんなで一緒に楽しく勉強していけたらと思います。
今年の桜もう少し楽しめますでしょうか?可能であれば今日中に観賞していただけたらと思います。
新しい先生方の復習で縦隔腫瘍について簡単に解説です。
縦隔腫瘍の診断は組織学的診断が重要であることは間違いないですが、縦隔の部位に出来やすいものは大体決まっていますので、ワンパターンで記憶しておいた方が実診療はしやすいかと思います。
縦隔を前縦隔、中縦隔、後縦隔に分けてそれぞれ後発する腫瘍を記憶しておきましょう。
後縦隔は?→ほとんどが神経原性腫瘍です。腫瘍自体と脊椎との関係を画像上読み取れば診断はそれほど難しくないと思います。
前縦隔は?→色々ありますが、放射線学的には「4T]と覚えてみましょう。→胸腺腫(thymoma)、奇形腫(teratoma)、甲状腺腫(thyroid tumor)、悪性リンパ腫(terrible lymphoma→ちょっとインチキ)の4つを覚えてくださいね。もう少し裾野を広げるならば、胸腺腫→胸腺癌、奇形腫→胚細胞腫瘍も加えたらどうでしょうか?
中縦隔は?→一般的にはリンパ関連腫瘍(悪性リンパ腫、キャッスルマン病など)、気管支嚢胞など嚢胞性疾患が有名ですが、まれながら神経原性腫瘍もあるということを認識しておいてくださいね。確か以前よく使用したレスピロナビの症例(クイズ)にも含まれていたと思います。
中縦隔には迷走神経などが走行するので、まれながら神経原性腫瘍が発生することがあります。
当院でも先日そのような症例を経験しました。
胸部CT上中縦隔腫瘍を認めます。本例はEBUS-TBNAにてschwanomaに矛盾しない組織所見が得られました。
縦隔腫瘍は手術などで診断されることが多いかと思いますが、呼吸器内視鏡をうまく利用して確定診断に至ることがあるということを認識しました。呼吸器内視鏡が今後さらに活躍することに期待しています。
我々臨床にとって一番大事なのは如何にたくさんの症例を確定診断するかだと思います。呼吸器領域なかなか確定診断が難しい領域ですが、是非ともみんなで力を合わせて確定診断に努めていきましょうね。