やっぱりなんでもかんでもやればいいというものではない
ああやらなくてよかった
一時の勢いで無駄な恥かくとこだった
賢明な判断だった
やっぱりわたしは正しい
あいつらみんなきれいごと
おまえはやっていいことと悪いことの区別がつかないって
小さい頃から何回言われてきたと思う
ショッキングな言葉ではあるが
一方では確かにそうかもって
幼心に自分でもある程度納得したからここまで覚えているんだと思うよ
わたしはやっていいことと悪いことの区別がつかない
悪いことをして叱られたり恥をかいたりはしたくないから
理性でブレーキをかけて
まともそうに振る舞っている
みんな騙されている
誰だってある程度そうだろうけど
みんなで騙し合っている
何か新しいことや柄にもないことをしようとすると
理性警察が飛んできて強烈に抑制してくる
邪魔されもしたし
助けられもした
やっぱりまあだいたい正しいんだよな
あの危機察知能力って
歴史上やらないほうがよかったことはいくらでもある
やめておいたという功績は
見えにくいから評価されにくい
そんな想像力もない
鈍感ばかり
そして言える雰囲気も場も少なすぎるよ
やらない勇気がわたしを守ってきてくれたのに
ああだからずっと否定されているような気がするのか
なんか納得したわ今
わたしはやっていいことと悪いことの区別がつかないんだから
他人の前で軽率に行動しちゃいけないんだからね
行動のいちいちにセンサーを張り巡らせて
理性で制御しなきゃいけないんだから
わかってるって
何年やってると思う
心得たもんよ
わたしの賢明な判断をわたしだけは褒めてやるよ
ほんとやめといてよかった
ナイスブレーキ
お見事
さすがわたし
きれいごとに騙されなかった
勇気ある撤退
戒めの楔
えらかった
えらかったよ
よし今日は好きなだけ飲んでいいぞ
(理性どこいった)