のんびり主婦のPCライフ

黒柴「ころたん」の平凡な暮らしと、
散歩と読書の記録です。

啼かない鳥は空に溺れる / 唯川 恵

2015-12-11 | 読書
 幻冬舎 2015/08/05

契約社員の千遥・32歳は、愛人の援助を受けてセレブな生活を送っているが、年下のフリーターの功太郎と知り合い、愛されるようになる。千遥は幼少時から母親から精神的な虐待を受けて育ち、進学を機に実家と疎遠になっているものの、今でも母親の暴言に傷ついていた。デザインの仕事をしている亜沙子は27歳。中学生のときに父親が病死し、それから母と二人で生きてきた。今は週末にランチに出掛け、母はそれをブログに綴ることを楽しみにしている。公認会計士の資格を取った功太郎なら母親も認めるだろうと結婚相手として選んだ千遥と、葛藤しながらも、母の選んだ田畑という真面目な男性と結婚することにした亜沙子。その婚約が、二組の母娘の関係を大きく変化させ、新たな問題となっていく。

唯川さんというと、恋愛小説を思い浮かべますが、この作品は全く異なっていました。母娘の関係が、極端ではあるものの息を呑むように描かれていて、娘を想う母の狂気にゾクゾクしました。ホラーのような物語のその先が気になります。引き込まれるように読みましたが、解からなかったのは、タイトルの意味です。鳥が娘で空が母であり、その逆もまた然りでしょうか? 私は母親の年齢に近いのですが、この母親たちには共感できません。反面教師にしようと思います。(2015/12読了)


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