風の回廊

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若者を兵隊にさせますか?―危機感の欠如から生まれた軍靴の音【追記あり】

2010年03月04日 | 日記
昨日は、郵便不正事件で、上司の村木厚子さんから指示を受けたとし、偽造証書を発行した実行犯だとされる上村被告の公判が開かれました。
上村被告は、検察の主張を完全否定し、またもや検察ストーリーが崩れ、検察の恫喝的で杜撰な取り調べが浮き彫りにされました。

こうした情報は、公判を傍聴しているフリージャーナリストの江川紹子さんや社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中ミチさんが、(http://www.prop.or.jp/)休廷時間ごとに生々しくツイートしてくれるので、お昼休みと夕方、ツイッターを開くとまるで公判をライブのように感じることができます。

そして今日、最初から犯行を否認し続けている村木厚子さんの公判が開かれ、やはりお二人が傍聴され、ツイートされました。
今日の公判では、『凜の会』の倉沢被告から依頼を受け、便宜を図ったとされる民主党の石井一議員が弁護側証人として法廷に立ち、その証言により検察のストーリーがまたもや崩壊しました。

石井氏は倉沢被告が依頼したしたとされる当日、議員仲間とゴルフに行っていたと言うのです。
石井氏は克明にメモを取る人で、これまでのメモ帳の総数は200冊に及ぶといい、当然その日の様子も、誰が参加したか、何時にインからプレーしたか、お天気はもちろんスコアまで詳細に記されていて、夜の打ち上げの様子まで書いてあるという詳細ぶりです。

検察と弁護側は、そのメモを証拠採用するかしないかで争いましたが、弁護側の主張どおり採用され、法廷のプロジェクターに映し出され、検察ストーリーは村木公判でも崩れ、とんだ赤っ恥をかきました。
そんな詳細を、江川、竹中さんのお二人のツイートの中から引用しようと思ったのですが、なんと今ツイッターでは、夕方のニュースで騒然としています。それもかなり熱く、激しく(僕がフォローしている人たちの間では)。
それはこんなニュースから起こりました。

(ニュース47 引用開始)
『自民、徴兵制検討を示唆 5月めど、改憲案修正へ』

 自民党憲法改正推進本部(本部長・保利耕輔前政調会長)は4日の会合で、徴兵制導入の検討を示唆するなど保守色を強く打ち出した論点を公表した。これを基に議論を進め、05年に策定した改憲草案に修正を加えて、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が施行される5月までの成案取りまとめを目指す。
 
 参院選を視野に、離反した保守層を呼び戻す狙いとみられる。ただ05年草案も徴兵制には踏み込んでおらず、「右派」色を強めたと受け取られる可能性もある。今後党内外で論議を呼ぶのは必至だ。
 
 論点では「国民の義務」の項目で、ドイツなどで憲法に国民の兵役義務が定められていると指摘した上で「民主主義国家における兵役義務の意味や軍隊と国民との関係について、さらに詰めた検討を行う必要がある」と記述。直接的な表現は避けたものの徴兵制復活の検討をうかがわせる主張を盛り込んだ。
          
                2010/03/04 19:10 【共同通信】
(引用終わり)

http://bit.ly/76sigy


僕もいち早くツイッターで取り上げ、思わず強くつぶやいてしまいました。

内容の詳細は判りませんが、何と言ったらいいのでしょう、自民党には呆れたものです。
民主党との政策的対立軸が見いだせず「政治と金」の追及ばかりに躍起になっていると思ったら、水面下でこんな論議をしていたんですね。
しかし「徴兵制の立法化」は、直近では、小泉政権が生まれた時、既定路線として“生き返り”安倍政権で本格的に始動したのです。

「徴兵制」は、自民党タカ派の――岸信介→福田赳夫→安倍晋太郎→三塚博→森喜朗→小泉純一郎→安倍晋三→福田康夫:現・町村派、清和会――継続的念願でした。

田中角栄と福田赳夫の激しい抗争で、ハト派の田中角栄率いる田中派が勝ち、田中派が作った大平政権が福田を破り、清和系タカ派総理大臣が去って以来、20年近くタカ派はなりを潜めていたのですが(中曽根はタカ派だが、肝心なところは田中に握られていた)小泉郵政選挙、いわゆる「劇場型選挙」に酔いしれた多くの国民が、意図的ではないにせよ表に引きだしてしまったのです。

衆参で圧倒的な数を有し、郵政民営化という表の顔に隠れて、憲法改正論議を進めながら、テロ特別措置法を作り、イラクへの自衛隊派遣とインド洋での米艦隊への無償給油を「国民の利益」「国際協調」を掲げ可能にし、挙句の果ては「無法の軍事同盟」である「日米同盟」に調印し、安倍政権の時、「創りあげたい日本がある。 美しい国、日本。」をスローガンに、「教育基本法」を改悪し、防衛庁を省に昇格させ、「日本国憲法の改正手続に関する法律」を通過させ、憲法改正を容易にしました。

「美しい日本」「戦後レジームからの脱却」は、「戦争を行える国造りの布石」であり「憲法9条を改正し」、本格的な軍事国家として日本の創設にあったわけです。
過去形ではありません、現在も進行しているのです。
民主党が「生活第一」を掲げ、国民の支持を受けるようになってきた前回の参院選あたりから、自民党も国民生活に目を向け始め、対立軸としての政策をいくつか掲げましたが、現在の自民党の主流である町村派というタカ派にあるのは、あくまでも「戦争のできる国、日本」です。

軍事力こそ、日本をアメリカから自立させ、アジアの脅威、世界の脅威から防衛できると信じ込んでいる。その上での対米関係を構築しようとしている。
それには、若者を徴収し兵力として養う。それが国民の責任と義務である。
と言っています。

すでに結ばれた「日米同盟」は、無法です。「日米同盟」以前から憲法9条の下でも、自衛隊の海外派兵を可能としているのです。イラク派兵の実績で「日米同盟」が結ばれました。
今後「徴兵制」がもし生まれるようなことがあれば、みなさんの息子さんか、あるいは娘さんの恋人、婿さんが、戦場に武器を携帯し命がけで出かけることになります。
憲法改正は、それほど容易ではありませんが、10年前に比べれば、はるかに容易になっています。

私たちは、厳しい世の中になったとはいえ、そこそこに裕福であるし、毎日食べられるし、マンション生活を可能にしている。クルマだって持っているし、旅行だって行ける。酒も飲める。mixiもしていられる。まだまだゆとりが残っている人が多い。
そんな豊かさゆえ、豊かさに目を奪われているうちに、危機感を失ってきました。平和ボケといいますが、必ずしも日本は平和ではなく、何度も危機があったのです。ゆとりボケ、裕福ボケです。

そして危機感欠如の状態の中で「徴兵制」が論議され、それを実現しようとする勢力が、私たちの目の前にいます。
毎日テレビに映っている……

子供を兵隊にさせますか?兵隊になることは国民の義務ですか?
戦争を支持しますか?自民党を支持しますか?


【追記】自民党の大島幹事長が「誤報」だと躍起になって消火作業をしていますが、記事によれば「民主主義国家における兵役義務の意味や軍隊と国民との関係について、さらに詰めた検討を行う必要がある」と
”兵役の義務”についてさらに詰めた検討を行う必要性を行っています。
”兵役の義務”=徴兵制です。
いくら消そうとしても消えるものではありません。たとえ撤回したとしても、徴兵制について論議している事実は消えない。




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