蛟堂報復録〈1〉 (アルファポリス文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2011-10 |
業を背負う覚悟と金があるのなら
その恨み、蛟堂に預けてみませんか。
一週間以内に、必ずや片を付けてみせましょう。
地獄の沙汰も金次第・・・
ちょいと気になっていた本なのですが、文庫化がスタートしたので読んでみました。
主人公は陰陽師の天才にして守銭奴、漢方薬局兼雑貨屋を営むかたわら裏では報復屋。
その報復の手段が、古今東西の物語の舞台を出現させ、その中に報復される相手をひきずりこむというもの。
ただ、報復される相手が金を払えば命だけは助けましょう。
そう、地獄の沙汰も金次第。
といった内容でしょうか。
陰陽師で~堂とつくと、あの有名なシリーズを思い出してしまいますがまるで違いました。
まあ主人公の性格からして違いますからね。
物語を出現させその中に相手を引きずり込むというのは面白かったです。
ただ報復される側も大金払えば助かるのですが、これって報復は達成される事になるのでしょうか?
ここらへんがどうも。
主人公の性格はかなり変わってますが、これも天才として育てられたゆえでしょうか。
守銭奴としてはまあねえ、報復ということですから大金がからむのはしかたないでしょうし。
安い金でほいほい報復するのもどうかと思いますし。
報復という話のなか、良心的なキャラとして主人公の甥が同居していますが、この青年もまだ存在感が希薄というかなんというか。
お隣の古書店の青年(この甥と同じ大学で友人)のほうがキャラたってますし。
蛟堂が利用する運送屋の女性経営者はいいキャラですね。
物語に引きずり込むということで色々な物語がでてきますので、私はそれなりに面白く読めました。
一話目の物語が道成寺というのはお約束っぽい気もしましたが。
ただやはり報復という話ですので、読んだあとモヤモヤというかなんというか。
すっきりせずイヤな気持ちになる人もいるでしょうね。
単行本としては6巻くらいまででてるのかな?
まあ私は文庫版でみつけたらまた読んでみようかなくらいで。