■ セリエA |
インテル(2-1)ACミラン ・前半分 ロナウド (ACミラン) ・後半分 クルス (インテル) ・後半分 イブラヒモビッチ (インテル) |
■ ACミランの弱点は、左サイド?! |
◆ ディ・ゲームのダービーも悪くない!!
ミラノ・ダービー第2戦。今回は、インテルがホーム扱いとなったこの試合。結果は、2-1と今シーズン好調のインテルが勝利を収めました。
10月28日に行われた第1戦は、ミランホームで3-4とインテルがこの時も勝利を収めました。しかし、この時のインテルは、3-0から後半に同点とされ、マテラッツィ退場などと、お得意の“インテルらしさ”が存分に出たゲームでした。(試合詳細 - Yahoo!スポーツ)
今シーズンのチャンピオンズリーグベスト8へ進んだチームと敗退したチーム。
ミラノ・ダービーということでサポーターも興奮した好ゲームだったのですが・・・実際のCLの成績(結果)とは関係なく、現在のこの両チームには歴然とした力の差がありました。
今回の注目は、元インテルのロナウド。
インテルサポーターは、笛を準備してロナウドのプレーにブーイングならぬホイッスリング?をしてやろうともくろんでいましたが、警備に取り上げられた人が多かったらしく、しかし、それでもホイッスルを吹いている老人など見られました。(さすが、インテリスタ!)
また、今回は、ディゲームということで、サンシーロの雰囲気もちょっとプレミアぽい感じでとてもよかったです。やはりナイト・ゲームだと、イタリアのスタジアムは、発煙筒など独特なバイオレンスな雰囲気を醸し出すのですが、今回は、純粋にサッカーの試合を楽しんでいるようにも感じました。
◆インテルの2ゴールの起点は右サイド
後半にインテルが奪った2ゴールは、どちらもミランの左サイドからの崩しでした。
インテル1点目 - ミランの左SBは、ヤンクロフスキ、その前にセードルフ&アンブロジーニが位置するような形でした。セードルフはやや前掛かりでカカをサポートする役割だったので、このシーンでも確かアンブロジーニとヤンクロフスキがイブラヒモビッチのマークに行っていました。
インテル2点目 - インテルのスローインをクルスが競り合って、その後、ボールをカットしてゴール前のイブラヒモビッチへパスを出しましたが、ここでもクリアボールを奪われたのがヤンクロフスキでした。ゴール前が手薄だったミランとはいえ、これだけあっさりと失点してしまう辺りが今シーズンのミランの調子の悪さを表しているようにも思えます。
■ マテラツィのオフサイド取り&クレスポのヘディング |
◆マテラッツィは、頭突きだけでない!
ドイツW杯でのジダンへの頭突き事件により、ラフなプレーの代名詞みたいになったマテラッツィですが、そんなことはなく意外と頭脳プレーというかラインコントロールをして、オフサイドをきちんと取るなんてことも出来ます(苦笑)
(左図) ロナウドの背後にポジションを取るマテラッツィですが、きちんと自分の前後にいる味方の選手のポジショニング、そして、ミランのボールホルダー(カカ)へプレスが掛かる状態など確認しています。
(右図) インテルのプレスが掛かったくらいに、すっ~とラインを上げて、ロナウドのオフサイドポジションにキメました。このあと、カカからロナウドへパスが通りますが、注文通りの「オフサイド」でした。解説でも言っていましたが、カカは「サイドでボールを貰い起点となり、中へパスを出してそのリターンを貰って・・・」というプレーが得意です。そこを読みきっていたマテラッツィがオフサイドを仕掛けた場面です。
◆クレスポの動きを分析
続いて、インテルのクレスポのプレーです。これはクレスポの得意のプレーの一つで、サイドからのクロスボールに対してニアサイドで“点で合わせる”プレーです。ミランのDFの前に飛び出して、フリックしてコースを変えてゴールのサイドネットをイメージするようなヘディングです。(残念ながら、この試合では枠を外れまくりでした)
この辺は、チームメイトもクレスポの動き出しの特徴を理解していないといけませんし、何よりもクロスボールの精度も問われるところです。
■ ロナウドのゴールを分析 |
◆ 一流のストライカー
敗れてしまったACミランですが、イタリア時代の古巣インテル相手にゴールを決めたロナウドのプレーは、ピークを過ぎても一流のストライカーという感じがしました。下記の「今日のワンプレー」と比較して見ていただければ、分かると思うのですが、「ロナウド、カカ」というブラジル人のコンビネーションが試合を通じて良かったと思いましたね。
◆ CL、バイエルン戦は、難しい・・・
ロナウドが1ゴール挙げたものの、後半は、完全にインテルペースでした。ミランも要所要所では、ゴールを感じさせるプレーもありましたが、単純に現在の両チームの力を比較するとインテルの方が上でしょう。残念ながら、チャンピオンズリーグで敗退してしまったインテルですが、この試合を見る限り、ベスト8以降に勝ち上がりかつファンを魅了するであろうサッカーをしそうなのは、インテルだと思います。
セルティックとのCLベスト16-2nd legを見る限りミランは、“カカ頼み”の感は否めませんでした。ベスト8でバイエルンと戦うミランですが、正直、現在のバイエルンの実力はどれくらか分かりませんが、少なくともセルティク戦のようにはならないと思います。
■ 今日のワンプレー 「カカ、ロナウド、セードルフによるダイレクトプレーからのサイドの崩し」 |
前半13分のプレーでした。
CLには、出場出来ないロナウドですが、すでにミランに移籍してこの試合を含め確か3ゴール挙げています。やっぱり、スペインよりもイタリアの水が合うのかもしれません。
さすがに、インテル時代のような(当時は)衝撃的だった一瞬の突破力は影を潜めていますが、それでも一FWとしての能力には、年齢、フィジカルを差し引いてみても最高のモノを持っていると感じさせるプレーが時折ありました。
解説でも言っていましたが、カカとロナウドのブラジル人コンビは相性が良いようで、それに加わるような形でセードルフと3人でインテルの右サイドを崩したこのシーンは、秀逸でした。来シーズンもACミランでプレーすると思われるロナウドですが、オフシーズンにフィジカルコンディションを高めればプレーヤーとして、最後の花を咲かせることが出来そうな予感を感じました。但し、ACミランという一クラブは、今シーズンオフ、監督人事を含め選手の入れ替えも多そうです・・・
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両サイドとバイタルエリアをつぶせばよい。
イルレタ時代のデポルティーボ、CL決勝でのリヴァプール、去年のバルサもここを突いてきました。
ミランは全体のラインを下げ、CBの能力と
(チェルシーのエッシェン・ランパードのように)ガットゥーゾ・アンブロジー二にサイドのケアもさせることでしのいで、
抜群のポゼッションとシェフチェンコ、カカー、インザーギのスピードで殺すというスタイルでずっとやってきました。
去年はスタムをSBにいれて3バック気味にしていたのがよかったのですが、セードルフセルジーニョのサイドが弱かった。
年齢の問題にされますが、これだけ守備に負担があっては誰が守ってもいつか破綻するでしょう。
このスタイルでいる限りおなじみのメンバーがボールを奪われないこと、それしか道はないと思われます。
ローマも代表もでしたがここもSBが攻撃的なイメージがあります。
中盤を走れる選手にしてカバーする傾向があるのでしょうか。それとターゲット不在で生まれたのがローマスタイル。
鍵は中盤と最終ラインの距離が近いことでしょうか。
マンU相手にせめてここを開けてしまったローマは、ずたずたにされてしまったようですね。
ぺロッタ、タッデイが入っていなかったので攻めるしかなかったのでしょうか。
2トップが開いてもらえば、ローマのように人数を掛けて崩す必要もないので、インテルやミランの方が合理的です。
こんばんは。
ピルロシステムの欠陥の解説ありがとうございました。
多分、ベスト4でこの辺の問題が露呈しそうな気もしています。実際、現状のミランは、マンネリ化の感じもしますし、そろそろアンチェロッティ監督も噂のある代表監督とか?チーム自体リフレッシュする時期でしょうね。
インテルは、右SBのマイコンがかなり攻撃的ですね。一つの攻撃の形として確立している感はあります。あとは、フィーゴ、スタンコビッチと2トップ(クレスポ、イブラヒモビッチ)による攻撃が魅力でしょうね。
ローマは、2nd legボランチエリアをがっつり空けてしまったうえに前半で点を取られあたふたした感じはありましたね。