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敗因と日本サッカーの一つの問題点 - 日本vsブラジル【プレーバック ドイツW杯】

2006年12月29日 | 日本代表 (ジーコJAPAN)
■ はじめに・・・

信頼か過信か?! - 日本vsオーストラリア 【プレーバック ドイツW杯】
戦う気持ちが感じられなかった理由 - 日本vsクロアチア【プレーバック ドイツW杯】

以下、ドイツW杯での「日本vsブラジル」に関するエントリーです。

現在、日本代表はオシム監督体制となり、前任者ジーコはフェネルバフチェ(トルコ)で監督をしています。さらに、中心選手であった中田英寿は引退、中村俊輔は日本人として未知の領域チャンピオンズリーグベスト16へと進みました。その他にもドイツW杯で戦った選手の中には代表引退を示唆する発言をしたり、現代表に召集される者されない者、さらに海外クラブへと移籍した者と2006年6月以前と大きく状況が変わりました。

過去の出来事に関して興味ない人(物事を振り返らない性格の人)にとっては面白くないエントリーだと思います。また、当時の試合を録画しながらも2度と観ることがない人もいると思います(私もこれまではそうでした)。今回、このエントリーを書くきっかけとなったのは、こちらのエントリーで紹介した「敗因と」という本(以下、著書)にインスパイアされたからです。

今年のドイツW杯まで日本代表がW杯に出場したのはたった2回です。その98年、02年の日本代表の試合、全て録画していましたが、実は一度も観ることはありませんでした。

理由は、単純です 「思い出したくなかったから」です。誰しも過去の嫌な思い出などに関して再び体験したり見たりしたくないと思います。しかし、今回このエントリーを書くきっかけとなったのは、紛れもなく「敗因と」と言う本であります。(宣伝ではないので、誤解のないように)また、そもそもこのブログを始めたきっかけは、ドイツW杯前に「2002年の時の自分の感情やその当時の印象、また世間の論調など、私自身の中で過去の日本代表及びサッカーに関する記憶が乏しかったこと」なのです。勿論、昔の雑誌などはありますが、やはり「当時、俺はどう思っていたんだろう?」ってのが大事だと思いました。つまり、自分自身の記録の為というのがこのブログを始めたきっかけだったのです。そういう意味で、今回初めて数ヶ月前のドイツW杯での嫌な記憶へと迫ってみました。


■ 試合結果 FIFAワールドカップ 2006年ドイツ大会 / グループリーグ グループF(第3試合)
  日本(1-4)ブラジル
   ・前半34分 玉田 (日本)
   ・前半46分 ロナウド (ブラジル)
   ・後半 8分 ジュニーニョ・ベルナンブカーノ (ブラジル)
   ・後半14分 ジウベルト (ブラジル)
   ・後半36分 ロナウド (ブラジル)


■ 覇気を感じられなかった試合


正直、クロアチア戦のプレーバック以上にこの試合のエントリーは難しかったです。著書の引用を入れようと思ったのですが、いとこに本を貸したので手元にないんですよ・・・(苦笑) ということで、当時のエントリーを見返してみました。結局、もう一度この試合を見ても感想は大して変わらないのです。

◆精度を欠いたプレーの連続
この試合、日本は2点差を付けてブラジルに勝たなければなりませんでした。
私の感想と言うか結論から言えば、前半を1-0でリードして折り返せなかった時点で勝てる可能性はなかったということです。

ブラジルはスタメンを変更してきました。交代枠をフルに使ったとしてもさすがのブラジルも日本が失点していなければ焦ったでしょうし、3試合の中で一番理想的な形で試合のアドバンテージを奪ったにも関わらず・・・

前半34分の稲本→三都主→玉田と繋いだゴールは最高のゴールだと思いました。
正直、この時間帯はある意味理想的でした。しかし、前半ロスタイムに失点をしてゲームオーバーでした。


この試合、今回改めて見て気になったのが数点ありまして・・・

1.意外とスペースがある(さほどプレッシャーが厳しくない)のにミスが非常に多い
2.前線で起点が作れない(全体的に動きの精細を欠いていた。パスの出し手、受け手共に)
3.なぜ、リードしたのにリードしたチームのプレーが出来なかったのか?
4.アグレッシブさ(ファウル)が少な過ぎる

特に、この4つが気になりました。
1&2. 完全に技術的な問題とメンタル的な問題のような感じがしました。
3. オーストラリア戦と同様、ピッチ上の選手達の意思疎通みたいなのが欠落していたのかもしれません。
4. ブラジル相手であれば、ある程度劣勢になると思うのです。だったら、それを封じる為には中盤でファウルをしてでも止めなきゃ行けない局面は多くあると思うのです。

ここで、こんな試合に関するエントリーを細かく書くモチベーションが出る訳もなく・・・(笑)そもそも、第1、2戦での問題は少なからずこの試合にも出ていると思いました。そういう意味では、同じ事の繰り返しだったでしかなかった・・・極端な言い方をすれば、この程度のチーム状態(チーム内、ピッチ上)でドイツW杯に臨んでしまったのかもしれません。それ以上でもそれ以下でもなかったのだと、再認識しました。

■ 今後の日本の課題を1つだけ

◆ 組織より個人
ドイツW杯後、アジア大会での弟世代のプレーを見ていて個々の対人能力の低さに愕然としました。

日本は、欧州諸国よりもフィジカルで劣ると言われていますがサッカーはラグビーとは違うんでね・・・勿論、現代サッカーは、フィジカル面は非常に重要な要素となってきています。ただ、日本には日本なりの良さとしてアジリティ(敏捷性)などあるわけです。だからと言ってフィジカル面の劣勢をそのままにしておいていいと思いませんけど。

日本のサッカーは、フィジカル面などで劣っている部分をカバーする為に組織力を強化するという発想があると思うのです。しかし、いつかこの発想には必ず限界が来ると思うのです。(すでに限界かもしれないが・・・笑)

結局、サッカーとは11人という個々でチームを作り試合をする競技です。他の団体競技でもほぼ同様だと思います。そもそも、ジーコJAPANの時のスタメンで世界レベルで太刀打ち出来る個人能力を持った選手が何人いたでしょうか?!もし、1、2人であれば、その選手をフォローする為だけのチーム作りをした上で組織としてウィークポイントを補えるようにすべきだったのかもしれません。極論を述べれば、チームは組織として圧倒的なストロングポイントを持っている訳でもなく、計算出来る部分といったら中村のFKだけのような気がしました。

そして、日本サッカー界の抱えてる一番の問題は、W杯のような大舞台で持っている力の100%出し切れないという状況があると思います。これにはいくつかの原因があると思います。

 ・Jリーグでのプレーと同等のプレー(100%)出しても太刀打ち出来ない
 ・大舞台の経験が欧州リーグなどでプレーする選手と比較すると少ない
 ・プレー中の技術(トラップ、パス、ドリブル、シュート)が本当は低い

などなど・・・他にもあるかもしれませんけど。一番気になるのは、3番目の部分です。
例えば、この試合でのブラジルの3点目は、非常にシンプルなプレーの連続です。
1.GKからのジウベルトへパス
2.ジウベルトがドリブルでボールを運ぶ
3.ジウベルトがパス&(前線へ)ゴー
4.ロナウジーニョがスルーパス
5.ジウベルトがドリブル後、迷わず正確なシュート

シンプルなプレーであるのですが、その一つ一つを丁寧にしています。ロナウジーニョのトラップ一つを取り上げても50cm足元から離れていれば、中田浩二に取られていたかもしれませんし、ジウベルトのドリブルからシュートであっても同様です。オンザボール、オフザボール両方共、いたってシンプルプレーをするのがブラジルだと思うのです。そして、ある次元(レベル)を境にして、独特のテクニックやイマジメーションで相手チームを打破しようとしているだけだと思います。この3点目のシーンでクローズアップしませんでしたが、ロナウドとカカもゴール前でDFを引っ張るようなプレーもきちんとしています。

このジーコJAPANは今は終わり、オシムJAPANとなりました。そして、この時の23人のメンバーの中でオシムJAPANに召集されたのは、巻、三都主、加地、遠藤、坪井、川口くらいなものです。(中村、未召集の為除外)しかし、この内何人が2010年まで代表としてプレーしているでしょうか?!どんなに素晴らしいチームだったとしても必ず世代交代がなされるものです。

結局は、組織の連携とかよりも、個々の選手が基本的な技術を試合の中で常に100%出し続けられるようにならなければ、それよりも上の次元にステップアップするのは難しいのかな?と思った2006年でした。


最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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3 コメント

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05コンフェデ杯の教訓は? (CSKA352)
2006-12-30 15:55:53
実はこの試合見ながら豪州-クロアチア観てました。
戦う気持ちが前面に出すぎてる試合でした。

技術ではるかに上回る相手には豪州が日本に取ってきた様なボールを自由に持たせない戦術が必要だったでしょう。
この試合は前の2試合と違って暑さに苦しむことはなくもう最後の試合なので、アグレッシブにプレッシングをかけ続けることが必要だったかもしれません。
選手を鼓舞し続けて疲れた選手を替える為に交代枠を使うような。
そういうスタイルでならば、ボランチとしてのヒデの能力も生きたことでしょう。
返信する
本気モードのブラジル (CSKA352)
2006-12-30 18:04:04
エントリーに対するコメントにならない事をお許しください。
私は個人を見る目がないのでチームとしてみるのですが、その視点でもブラジルは明らかに日本を上回っていました。
今大会のブラジルは4-4-2で守って、4-2-2-2の前4人ですばやく決めてしまう。それがダメなら(ルシオも含め)DFの一人が上がってボランチも絡んで攻撃にアクセントをつけます。

圧巻だったのは、ニホンに先制点を許すとブラジルの両SBが共に上がり出したことです。
しっかりジウベルト・シルバがバックラインに入ることで最終ラインの数的優位を保ちつつ攻撃に圧倒的な人数を掛けてきました。<4-2-2-2→3-1-4-2
最終ラインで日本の2トップを抑えながら、6人ものテクニシャンで攻め込まれてはマークも追いつかないでしょう。やりたいようにやられるだけでした。

中盤でリスクを冒す分にはフォローができますが、
最終ラインでリスクを冒すとお手上げですからさすがです。

日本もアレックスと加地が高い位置でボールをキープできれば。もっと攻められたかもしれませんね。

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コメントのお返事 (コージ)
2006-12-31 01:02:06
CSKA352さん

>>こんばんは。
三都主と加地がサイドで優位を取れれば良かったというのは、分かります。実際、日本の攻撃は中央への依存がかなり高かったような気もしますからね。
あとは、絶望的な気分になったのがありまして、ブラジルがGKを交代枠1人を使ったことです。友人が調べたところによると70年代以降のW杯では、負傷やレッドカード以外ではないみたいです。屈辱ですよね・・・

日本も高原が交代で入ってすぐに負傷して再び交代ってシーンです。高原がどうこうってわけではないですけど、あれほど噛み合わない(チームも試合の流れも)状況が重なり合えば勝てる気しません(苦笑)
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