原題: WATCHMEN
監督 : ザック・スナイダー
原作 : アラン・ムーア 、 デイヴ・ギボンズ
出演 : ジャッキー・アール・へイリー 、 パトリック・ウィルソン 、 ビリー・クラダップ 、 マリン・アッカーマン 、 マシュー・グード
公式サイトはこちら。
パトリック・ウィルソン&ジャッキー・アール・ヘイリーっていう、
『リトル・チルドレン』のコンビが何気に出ていることに気が付きまして、『ウォッチメン』はやっぱりハズせないなと思いました。
・・・ っていう理由でこれを観に行く人なんてかなり珍しいとは思うんですが(笑
エイプリルフールのシネコン、お子ちゃまはこの映画は来ないから大丈夫よね・・・?
と思いきや何とほぼ満席。オドロキです。
人気あるのか千円だからなのかw
予告を観て、何かかなり面白そう! と思ったのと、前述の2人が出てるんで気になったんですが、これもアメコミなんですね。マンガほとんど読まないんでわかんなかったけど。
限りなく『ダークナイト』に近そうな感じ。
初めちょっと時代設定に混乱しました。
1985年の話なのにニクソンがいたり、アフガン侵攻が始まる時だったり。数年ずつ軸をわざとずらしていくことも計算のうちなのかな。 微妙な、間違えた?くらいなズレなだけに、解説欲しいような気もしましたが。
『300』はちょっと残酷かなと思い未見なんですが、冒頭のコメディアンのシーン、何故かとても美しく感じる。
血が流れてもそれを悲惨だとは感じさせない撮り方。これがザック・スナイダー監督なのかしら。
ジャッキーのロールシャッハはすごかった。 彼って凄味を感じさせる俳優だと思います。
そしてこれと対をなしているパトリック・ウィルソン。 彼がまた「人間くさい」ポジションにいることで、他のウォッチメンたちと一線を画しているようにも見えました。
一番の対局はやはりDr.マンハッタン。 彼の格好にはかなり参りましたが(笑
観終わって、私は結構好きな作品だったかなと思いました。
というのは、混沌(カオス)ということをテーマにしていたのが非常に興味深かったから。
比較ですが、『ダークナイト』が「善と悪」という全く対照的な観念を描いたものとすれば、この『ウォッチメン』は、その善と悪に行きつくまでのもやもやとした説明できない過程をも表していたような感じでした。
綺麗に分けることができない感情。
今日は白が好きだけど、でも明日がそうとは限らない。
あの人は嫌い、だけど身体は走っていってしまう。 頭ではわかっていてもどうしようもない感情。
そんな、YesとNoだけでは語れない事象が存在する以上は、そこを考えることが自然なような気もするんですよね。
説明できない感情に引っ張られて、考えられない結果が出てきて。 そこで悩んだり戸惑ったりするのが人間なのだから。
考えてみたら私が鑑賞している2作品、『リトル・チルドレン』も『いつか眠りにつく前に』も、両方ともジャッキー、パトリック共に、観客からは絶賛されたとは言えないような設定の役だったような気がします。 わかっているのに何でそうするの? と非難されそうな人物だったと記憶しています。
その矛盾こそがカオスそのものなのかもしれません。
いつもいつも綺麗に世の中渡れたら苦労はしないでしょうけど。 そうできないのが人間の「業」なのに。
だからDr.マンハッタンに対してローリーが失望する気持ちもとてもよく分かるんですよね。
そこまで割り切れて思えてしまうって、私ってそんな存在なの? と。
コメディアンが、自らの残忍さについて普段考えていないように見えても、衝撃を受けた時はそんなことはなかったかのように打ちのめされて。
ロールシャッハがロールシャッハテストを受けたときだって、心の奥底は隠したままだった。
エイドリアンの信念もそうだし、それを受けたマンハッタンだって考え変わったし。
どうにでも取り繕うことができるのも曖昧さの魅力だったり、やるせなさだったり。
どんなに最強であっても人間である以上、その矛盾からは逃れることはできない。そんな「泥臭さ」を見せてくれたように感じました。
今日の評価 : ★★★★☆
監督 : ザック・スナイダー
原作 : アラン・ムーア 、 デイヴ・ギボンズ
出演 : ジャッキー・アール・へイリー 、 パトリック・ウィルソン 、 ビリー・クラダップ 、 マリン・アッカーマン 、 マシュー・グード
公式サイトはこちら。
パトリック・ウィルソン&ジャッキー・アール・ヘイリーっていう、
『リトル・チルドレン』のコンビが何気に出ていることに気が付きまして、『ウォッチメン』はやっぱりハズせないなと思いました。
・・・ っていう理由でこれを観に行く人なんてかなり珍しいとは思うんですが(笑
エイプリルフールのシネコン、お子ちゃまはこの映画は来ないから大丈夫よね・・・?
と思いきや何とほぼ満席。オドロキです。
人気あるのか千円だからなのかw
予告を観て、何かかなり面白そう! と思ったのと、前述の2人が出てるんで気になったんですが、これもアメコミなんですね。マンガほとんど読まないんでわかんなかったけど。
限りなく『ダークナイト』に近そうな感じ。
初めちょっと時代設定に混乱しました。
1985年の話なのにニクソンがいたり、アフガン侵攻が始まる時だったり。数年ずつ軸をわざとずらしていくことも計算のうちなのかな。 微妙な、間違えた?くらいなズレなだけに、解説欲しいような気もしましたが。
『300』はちょっと残酷かなと思い未見なんですが、冒頭のコメディアンのシーン、何故かとても美しく感じる。
血が流れてもそれを悲惨だとは感じさせない撮り方。これがザック・スナイダー監督なのかしら。
ジャッキーのロールシャッハはすごかった。 彼って凄味を感じさせる俳優だと思います。
そしてこれと対をなしているパトリック・ウィルソン。 彼がまた「人間くさい」ポジションにいることで、他のウォッチメンたちと一線を画しているようにも見えました。
一番の対局はやはりDr.マンハッタン。 彼の格好にはかなり参りましたが(笑
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観終わって、私は結構好きな作品だったかなと思いました。
というのは、混沌(カオス)ということをテーマにしていたのが非常に興味深かったから。
比較ですが、『ダークナイト』が「善と悪」という全く対照的な観念を描いたものとすれば、この『ウォッチメン』は、その善と悪に行きつくまでのもやもやとした説明できない過程をも表していたような感じでした。
綺麗に分けることができない感情。
今日は白が好きだけど、でも明日がそうとは限らない。
あの人は嫌い、だけど身体は走っていってしまう。 頭ではわかっていてもどうしようもない感情。
そんな、YesとNoだけでは語れない事象が存在する以上は、そこを考えることが自然なような気もするんですよね。
説明できない感情に引っ張られて、考えられない結果が出てきて。 そこで悩んだり戸惑ったりするのが人間なのだから。
考えてみたら私が鑑賞している2作品、『リトル・チルドレン』も『いつか眠りにつく前に』も、両方ともジャッキー、パトリック共に、観客からは絶賛されたとは言えないような設定の役だったような気がします。 わかっているのに何でそうするの? と非難されそうな人物だったと記憶しています。
その矛盾こそがカオスそのものなのかもしれません。
いつもいつも綺麗に世の中渡れたら苦労はしないでしょうけど。 そうできないのが人間の「業」なのに。
だからDr.マンハッタンに対してローリーが失望する気持ちもとてもよく分かるんですよね。
そこまで割り切れて思えてしまうって、私ってそんな存在なの? と。
コメディアンが、自らの残忍さについて普段考えていないように見えても、衝撃を受けた時はそんなことはなかったかのように打ちのめされて。
ロールシャッハがロールシャッハテストを受けたときだって、心の奥底は隠したままだった。
エイドリアンの信念もそうだし、それを受けたマンハッタンだって考え変わったし。
どうにでも取り繕うことができるのも曖昧さの魅力だったり、やるせなさだったり。
どんなに最強であっても人間である以上、その矛盾からは逃れることはできない。そんな「泥臭さ」を見せてくれたように感じました。
今日の評価 : ★★★★☆
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