監督・脚本:中野量太
出演:宮沢りえ 、杉咲花 、オダギリジョー 、松坂桃李
試写会場:新宿バルト9
『湯を沸かすほどの熱い愛』公式サイトはこちら。
おひさしぶりです~
生きてますよ! 笑
てかどんだけブログ書いてない・・・
これもだいぶ前になっちゃったんですが、サポーター試写会にお招きいただいたので行ってきました。
場所がバルトなのも平日はありがたい。
タイトルからして、「おっ!」と思わせる。このタイトルのつけ方は上手いですね。
中野監督が脚本から考えられたそうで(原作もあるんだって)、ここから考えて関心を惹くのはなかなかいい方法。
映画も、邦題のつけ方で苦戦しているものが多いだけに、他の作品も見習ってほしいところ。
持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。(映画.comより)
「余命宣告」がしっかりと予告にも出てしまっているので、単に人の終焉だけを語るのでは意味がない。
そこに至るまでに一体どんなプロセスがあったか?
自分が克服すべき課題は解決できたか?
遺された者たちの心情はいかがか?
ということまできっちり入っていて初めて観客も納得できる作品と言えるのではないでしょうか。
その点、本作はこれらのポイントがちゃんと盛り込まれている。
双葉が抱えてきた問題は、一浩との関係が主たる原因なのか。あるいは安澄の学校生活が大きくウエイトを占めているのか。
さわりだけ見ていると、日常の家族関係の問題のように見えるが、それは今までの映画では散々語られてきたことかな・・・と思いきや、これは違ったね。この、家族間の濃い問題ですら実は表面でしかなかった。
双葉の行動の根源となるもの、それは、実際の家族問題から深く深く遡らないといけなかった。その着眼点が素晴らしい。
一浩とのこと、そこから派生してしまった「大きな問題」、そしてその大問題ですら双葉はたゆたうように受け入れる。その度量の広さの裏に隠されたものと、3段構えくらいの覚悟で観てほしい。
そして双葉だけでなく、この映画でキーマンとなっているのは間違いなく安澄である。彼女に対して双葉が行う、一見方向性が違っているのではないか?と思いたくなる数々のアドバイスも、単純に「逃げてはいけないよ」と上滑りな助言をする親とは全く異なるものだ。人生から本当に「逃げない」ことって一体何だ?子どもとはいえ、親とは抱えているものが違う、それでもその子はその子の人生からは逃げられない。それを伝えることで双葉は自分の人生からも「逃げなかった」。自分の過去からも逃げず、そして安澄の遥か遠い将来に予見できる事態をも見越した対応、自分はもう散々傷ついてきたから誰も傷つけない、傷つかないようにしてあげたい・・・。 そんな双葉のいじらしさが沁みた。
理不尽なことがない人はいない。理不尽が起こった時、普通人は人を責め尽くす。責め尽くした後に残ることなど誰も考えずに。
でも責めなくてもそれができること、時間がかかってもそれを成し遂げること、それが本来の人生を全うすることではないか。そしてその生き方は遺された者たちが必ず評価してくれる。
終了後、中野監督のトークショーあり。
一周廻って、ラストの衝撃さが更に胸に沁みてきたので、それは輪廻的なことなのか?と考えたが、監督は決してそうではないらしい。自分がやってきたこと、当たり前のことがこうして実を結ぶのだと。そんな語り口でした。
果たしてどんな形で双葉は報われていくのか。劇場でぜひ観ていただきたい。
★★★★☆ 4.4/5点
わかりの悪い観客を相手にするのは難しい(笑)
すごーくお久しぶり~
双葉の愛の深さと広さが半端なかったですね。
母としての自分も見つめなおしました。
常識に喧嘩を売ってるようなラストも含めて、非常に攻めた作品で楽しめました。
新人監督のオリジナルでこれを実現させたのは素晴らしいなあ。
でもあれでよかった。
>わかりの悪い観客
って誰?
物語めいた感がありましたが、それでも映画としての驚きはじゅうぶんありましたね。
ここまでオリジナルで見せちゃうと、次作がどうなるのか気になりますね。
富山でやっと公開されました。
本当に親子の会話に涙・涙でした。
双葉のつよさってどこからくるんだろうって思ったら、
本当に彼女の過去がすべてわかったとき、こういったこと、乗り越えてきた人だからか~って思いました。
私だったらできるかなあって思います。