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空想科学ロケット旅行

Let's Go Swanky Street, Singing The Kids Are Alright!

世界の終わり

2005-03-12 00:32:18 | 日々のうたかた
↓こんな夢を見た




世界の終わりをじっと待っていた毎日
ひっそり隠れていたのに
廃工場の奥の僕らの庵は
子ネズミを助けるために
ずる賢い彼女たちに取られてしまった


瓦礫の城をあとにした僕は
パーカーと毛布を持って
雨上がりの透きとおった空の下
海までのかげろうのような一本道を
とぼとぼと歩く
少し前を一緒に歩く二人の友達(いや 三人かな)


誰もいない海辺に着いた僕らは
砂浜に潜って潮が満ちてくるのを待っている


ゆっくりと波がせまってくる
世界の終わりと一緒に
泣きたくなるほどの透きとおった青い空
遠くまで凪いだおだやかな海


陽の光はすべてにあたたかく降りそそぐ
すべての色がだんだん薄れていく
ゆっくりとハレーションする世界
ゆっくりと終わる僕ら


歓声とも悲鳴ともつかない最後の声
海鳥たちは聴いてくれたかな


素敵な女性の名前

2005-03-11 23:18:33 | 日々のうたかた
今朝会社に行く途中信号待ちをしていたら、ふとある名前が頭に浮かん
だ。


クロエ


といっても巨人軍の往年の名選手ではない(古!)。かのボリス・ヴィ
アンの名作「うたかたの日々」のヒロインの名前だ。このクロエ、作品
中では肺から蓮の花が生えてくるという奇病に冒されてしまう。もう随
分前だが俳優・押坂忍の奥さんが肺にキノコが生えるという奇病にか
かっていて話題になったが、蓮とキノコでは「はかなさ/せつなさ指
数」に雲泥の差があると思うのは俺だけではあるまい。

作品イメージもあるのかもしれないが、クロエとはまた、どことなく
キュンとくるような素敵な名前である。

これが漢字で「黒江」だと、


『おーい、黒江くーん、これ20部コピー頼むよー』


みたいにいきなり中小企業のOLさんイメージになってしまうのはなぜ
だろうか?(全国のOL黒江さんごめんなさい。別に悪気があるわけで
はないんです)


The Durutti Columnの曲名にあった、フランチェスカとかジャクリーヌ
なんてのも同様に素敵だなあと思っていたりしました。

だってフランチェスカですよ(意味不明)。

ま、これも曲があまりにも美しいのでその影響が多分にあるわけですが。


さらにいえば、


レティシア


というのはどう? これまた美しいでしょう。これは60年代のフランス
映画『冒険者たち』でジョン・シムカスが演じたヒロインの名前だ。も
のすごい美人なんだけど鉄鋼溶接なんかでアート作品を作って個展を
やったりなんかしちゃうという、当時でいえばかなり最先端な女性だっ
たんだと思う。ひょんなことからアラン・ドロン、リノ・バンチュラと
海底に沈んだ財宝を探しに行くことになるんだが、残念ながら船上で撃
たれて死んでしまう。そして水葬のシーンになるんだが、この美しさっ
たらないです、もう(まだこの映画見ていない人、オススメです。エン
ターテイメントとしてホントにおもしろいし、三人の役者がホントに素
敵です)。


日本の女性の名前ではなんといっても「や行」だね。とくに「ゆ」。
「ゆりこ」とか「ゆみこ」とか「さゆり」とか。「ゆ」という文字が持
つやわらかさが日本的な女性のイメージにかなりマッチしていると思う
わけです。思えば初恋の女の子も「ゆみこ」だったな。


なんだかフェティッシュな雰囲気になってきたけど、もしオススメの素
敵な女性の名前があったらぜひ教えてプリーズ。

関川夏央『名探偵に名前はいらない』

2005-03-09 02:58:00 | Reading
★★★★(5点満点中)
オーソドックスなハードボイルドだが4篇ともよかった。

探偵は腹が出ようが仕事がなかろうがヤクザににらまれようがダンディズムを持ち続けようとする。そのダンディズムはチャンドラーのそれとは異なり、少し疲れた中年が入っていて美女には弱い。それでも名探偵にはダンディズムが必要なのだ。たとえ名前は必要なくとも。

文章のレトリックも心地よいし、2話目のリスボンという舞台設定にもやられた。仕事を依頼する老人はなんといっても藤村俊二だな。1、4話の事件が解決するようなしないような、放り投げるような結末もいい。またヤクザの黒崎、そして3話の大坪のふたりと探偵との独特の距離感を保った絡み方がなんともいえず心地よくかっこいい。

ときどき思い出したように読むと、その度にほろ苦さややるせない哀しみを噛み締められそうな作品。