先週、ネットでたまたま知った写真展に行ってきた。
現地の写真家たちによる中国少数民族写真展
涼山彝族――千年の歴史を跨がり越えて、知られざる大涼山に生きる太陽の民
(彝族=イ族と読む)
夏にモンゴルにいって以来、中央アジアに対する興味ががぜん湧いてきて、シルクロードの写真集を買ったりネットで関連の情報を眺めたりなどしていた。どちらかというと中央アジアの中のイスラム文化圏のようなものに惹かれ、ウイグルあたりに行ってみたいなあ、などと思っていたのだ。
そのときこの写真展を知り、ページに載っている女性の横顔写真の帽子と衣装の美しさに惹かれ、何の予備知識もないまま写真展に赴いたという次第。
果たしてそこには素晴らしい写真があった。中国と日本の写真家の方々の作品が40点ぐらいであっただろうか、個人的には中国写真家の作品により惹かれた。
何よりも「被写体が持つ力」とでも言えばいいのだろうか、人物にしても風景にしても、もちろんプロの写真家が撮っているからというのもあるのだろうが、とはいえそれだけではない力強さを感じさせられた。
そしてなんといっても民族衣装の美しさ。黒をベースに青と緑を差し入れたクールな色彩、大きな帽子とロングスカート、プリーツをあしらったマント、黄色いパラソルなど、それまで自分の中にあったアジア的民族衣装のイメージとはまったく異なり、どこかヨーロッパ的感覚も感じさせるそのデザインセンスに圧倒され魅了されてしまった。
時間がなく30分程度しか会場にいられなかったのだが、帰宅してから検索してみると写真がけっこう見つかり、それを眺めてはまたため息……。
「彝族」の画像検索結果
写真展で見た衣装とは違い、赤を多く使った衣装が目立つ。彝族は少数民族とはいえ現在約800万人、中国では6番目に大きな民族ということなので、住んでる地域などによっても色彩に違いがあるのかもしれない。
一方で独特の奴隷制度が1950年代まで残るなど、複雑な歴史を持ってもいるようであるが、これをきっかけに少し勉強してみたくなった。
これまで民族衣装に対してそれほど興味を持ったことはなく、そんな自分がここまで強く惹かれたこと自体にやや驚きつつ、まだまだ自分が知らない世界がたくさんあるのだと改めて思い知らされた。
またひとつ、旅をしてみたいところが増えてしまった。