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マーク・マンダース マーク・マンダースの不在

2021-06-19 22:48:52 | アート

4つの黄色い縦のコンポジション


椅子の上の乾いた像

どうしてもそこに行きたかった。
テレビでこの展覧会情報を見たとき、私の心に強く、しかも時間が経つほどに強くなるインパクトがあった。
ひび割れた粘土、木材、黒く重量感のある鉄の異なる質感の取り合わせが、大好きなのだ。
粘土によって形作られた人型が欠けて崩れるのは、古代文明の名残か、はたまた存在するものはいつかは消え往くという無常観を体現し、それが私の心に響いてくる。
木材は豊かな自然を、黒い鉄は宇宙の最終形態を連想させて、すべては流れ留まらない自然の摂理があるように思えた。
マーク・マンダースは、考え思いをめぐらせる余地をはらんだ装置を提示する。
マルセル・デュシャンの薫陶を受けているのだろうか?
彼のドローイングには、その影響があるように見えた。
ミケランジェロのように、素材の中に閉じ込められた声を聴くのだろうか?
ともかくも、彼が差し出したものによって、私の心に大きな波紋をもたらして、思索の運動を起こしたのは間違いない。


乾いた土の頭部


舞台のアンドロイド(88%に縮小)


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