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ゴシック様式末期のイタリアの画家、カルロ・クリヴェッリ。
絵画技法の流れが、テンペラから油彩画に移行する中で、金地テンペラを続けた。
非常に装飾的な絵にもかかわらずに、ただの薄っぺらな美しさとは、一線を画する。
優雅な線とよく練られた構図、華麗で上品な色彩と、宗教画ではあっても漂うエロティシズム、これらが彼の絵に複雑な風味を加えているのだ。
この天上的エロティシズムは、どうやったら手に入れられるのか、大きな関心を持っている。
裸体を描けば、エロティックであっても、見たままの単純直截、ストレートすぎて、残り香がない。
クリヴェッリの絵には、人物だけでなく画面に描かれた全てのもの、果物や花に大理石のマーブル模様からも、甘美な香りが漂いだしている。
こんなに色香のある絵は、なかなかお目にかかれない。
心も体も、絵から発するフェロモンに浸されてしまう。
だから、彼の境地に到達できたならと、憧れ強く願っているが、千分の一もエロティックではない気がする。
絵にエロティシズムを求めるのは、王道ではないかもしれない。
しかし、エロティシズムが、人を強く惹き付ける感覚であることは、誰しも納得のいくところだろう。
エロティシズムは、まさに妙薬であって、絵にも必要な要素だと思う。
この妙薬の一滴が、絵にたらされているか否で、絵が人の心にその存在を刻み付けられるかが、かかってくるだろう。
まさに、クリヴェッリの絵画には、洗練され上品な妙薬の一滴がおとされ、画面全体に行き渡り、永遠不滅の魅了する魔力を備えてしまった、そんな感じを受けはしまいか?
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