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やわらかすぎるパンに物申す

2013-06-21 11:49:47 | 食べ物たち
先日、某コンビニのパンをもらった。
その名も「ふわふわチーズパン」(チョット変えてある)。
手に持つと空気のように軽く、食べると咀嚼するまでもなく溶けて消え去るエアリーなパンだった。
大手製パンメーカーも、やわらかさに特化した食パンを出しているが、自分はこれを認めない。
もちろん、食べもしないで弾劾はできないので何種類かを試してみたが、パンの名を冠するに値しないとまで言ってしまおう。
何が嫌って、まず小麦の香りも味もしないこと、噛んで味わう楽しみがないことだ。
パンはのど越しでも、空気を食べるわけでもないだろう。
噛み締めるたびにふわっと口の中に広がる麦の香ばしさと弾力性を、体感しなくては食べた気がしない。

いや、やわらかいのが美味しさの基準を決める上位にあるこの日本において、パンだけが特別ではないのであった。
咀嚼を必要としないほどやわらかく、口の中でとろけるのが良しとされているものは、数知れず。
しっかりと噛んで消化を促す唾液を分泌させることも、噛むことによって脳に刺激を与えることも、食べたという実感を体に刻み込むことも必要なのにだ。

やわらかすぎるパンを作るメーカーは、パンと食べ物を、人と食べることを愚弄し、食べる意味を去勢しているとしか思えない。
やわらかいことが美味しいものの基準と煽り立てるものたちも、同罪だ。
飲み込むことが食べることだなんて、勘違いも甚だしいものだ。

嗚呼、やわらかすぎるパンは、私の心を頑なにしてしまった。
食ですぐにブチ切れる日本人らしいといえばそれまでだが、動物で食べて命を繋いでいくヒトというもののあり方を真っ向否定するかのような今の風潮に不気味さを感じているから、憤っているのだ。




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