Deer's Skull with Pedernal 1936
From the Faraway,Nearby 1938
オキーフは、対極にあるものを同時に描こうとする。
エロスとタナトス。
花はエロスを、骨はタナトスを。
花はタナトスを、骨はエロスを。
過酷な荒野に住んでいたのは、極限を身近に感じていたいがためか。
だから、画面いっぱいにズームアップして、真正面からそれに向き合い、我々にも突きつけてくる。
あまりの赤裸々な表現に、面食らう者もいるだろう。
ともするとメキシコの画家フリーダ・カーロのように痛々しくグロテスクになりがちなエロスとタナトスを、ぎりぎりのところまで突き詰めたオキーフの姿勢は賞賛できる。
彼女の絵から吹いてくる風は、彼女の終の棲家となったニューメキシコの乾燥した厳しさのあるものだから。
過酷さは、余分なものを削ぎ落とす。
それが彼女の絵を、他と一線を画すものにしているのだ。
The Yellow Flower
Slightly Open Clam Shell 1926
Cow's Skull with Calico Roses, 1931
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