
今回ご紹介するのは、ゾイドBLOXよりモモンガ(又はムササビ)型“サビンガ”。このサビンガは、ちょうど6年前にレビュ
ーしたソードウルフでもちょっとだけ扱っているので、今回で二回目。本当はホワイトとブラウンなんですが、このサビンガ
はソードウルフに合わせて塗装してあるので、ご覧の通りレッドを基調としたカラーリングに。

バックビュー。背中中央にあるコクピットブロック、それを左右から覆ってるレッドとブラックのパーツの存在感と言ったら。
上記の通りサビンガは本来ホワイト成形なので、ブラックの縞部分は色分けされていません。だから、塗り分けたらなん
か凄味が出てしまいました。

ご尊顔拝見…元はホワイトだったので可愛げがあったのですが、レッドになるとなんかあんまり可愛くないです。ちなみに
これはモモンガヘッド、サビンガは頭部パーツが二つ付属していて、好みに応じて付け替える事が出来ます。このモモン
ガヘッドの場合、大きな目は“複合センサーアイ”だそうです。

で、こちらがもう一方のムササビヘッド。モモンガ+ムササビ=サビンガと言う訳で。こちらの目は“赤外線スコープアイ”。
モモンガヘッドと違い、どちらかと言うと精悍な顔付き。こっちの方がゾイドらしいですね。ゾイドらしいと言えば、このサビ
ンガ珍しくゾイドBLOX名物の武器“バイトファング”がありません。モモンガもムササビもげっ歯類で、こういう奴ほど歯が
生きて来るってのに。

で、ムササビヘッドの場合はこうなります。ちなみにムササビヘッドの場合、成形色はライトグレーでした。
ここでちょっとサビンガに付いてお浚い。サビンガは2004年度アニメ“ゾイドフューザーズ”が始まる前、そしてゾイドBLOX末期に発売されたアイテムで、同時期に発売された大型ゾイド“ワイツウルフ”との合体ギミックを備えていました。上記のソードウルフは、このワイツウルフの仕様変更品なのです。しかしソードウルフに有ったカラーのサビンガは市販されなかった(イベント限定で販売された程度)ので、ソードウルフと合わせるには塗装する必要が有ります。そもそも、サビンガってカノンダイバー同様、ゾイドBLOXでは後のアニメ展開に合わせ再販すらされなかったのです。
サビンガ以前に発売されたゾイド“ライガーゼロフェニックス”同様に、“ゾイドBLOXが分解し大型ゾイドのアーマーになる”コンセプトでした。ライガーゼロと言えば、用途に応じてアーマーを変更する事でどんな状況にも対応出来る“チェンジングアーマーシステム(CAS)”が有名ですが、サビンガの様なゾイドBLOXの場合、“BLOXチェンジングアーマーシステム=B-CAS”と言います。B-CASは大体セット販売されていましたが、単品販売されていたB-CASは中型BLOXの“ジェットファルコン”だけでした。つまり、単品販売された小型B-CASは、このサビンガが初となります。

サビンガの構造を見てみましょう。
頭部、四肢、尻尾、そして翼(と便宜上呼称します)…ボルドガルド同様に、胴体の構造は結構複雑になってます。

では胴体を分割してみましょう。コクピットブロックを左右から挟んでいたレッドとブラックの外装パーツ、腹部の大型パー
ツ、そして腰のグレーのパーツ、4つ連結されているBLOXの外側に接続されているジョイント付パーツ…こんな感じです。
しかしよく見ると、BLOXに見慣れないものが有りますよ?

サビンガより導入された“ネオコアBLOX”で、従来のシルバー成形のコアBLOXが廃止された代わりにこれが登場しまし
た。やはりゾイドBLOXのコアパーツですから、同じ形状だと説得力に欠けたのでしょう。

可動は…まぁディスペロウとどっこいです。でもあれと違って首はちゃんと動きますが、それ以外は本体で動く所は両肩
と股関節、あとは尻尾の付け根ですか。胴体はこの年代の小型機にしちゃBLOXを多く使用してますが、上下から一つの
パーツで全て固定されているので、腰の捻りやうねりが一切出来ません。尻尾が動くと書きましたが、付け根が横に傾く
程度です。つまり、肘と膝はいつもの詐欺関節。なんか、ゾイドBLOXって可動はどんどん退化していきましたな…フル可
動を謳っておきながら。画像の様に、小型哺乳類っぽくチョコチョコ走り回ってる、そんな感じのポーズは取れます。

これは尻尾の付け根ですが、こちらも一見動きそうで動かない詐欺関節仕様。どうせ動かないなら、せめて動きそうな
デザインにしたかったのでしょうか…?

外装パーツの外せる箇所はこんな感じで、まず翼とコクピット左右の装甲、太腿装甲、そして珍しく尻尾先端の装甲も
外せます。これは合体用なのですが、一応触れておきます。

では武器のご紹介。モモンガの持つ翼…正しくは「皮膜」ですが、ここでは翼として扱われ“ウイングスラッシャー”と呼称
されています。ご覧の通りブレード状武器で、小型ゾイドBLOXにしちゃ随分と立派な武器。メタリックシルバーで塗装しま
したけど、当時はマスキング塗装を会得していなかったので、筆で塗ってたから汚くなっちゃいました。そして、本体側パ
ーツは塗装を弾く材質だったので、塗装から月日が経過し塗膜が剥がれてきました…。

“アサルトアーマーテイル”、尻尾の先端が外装パーツで覆われた尻尾ですが、これをハンマーの様に使うのでしょうか?

そして、ソードウルフと2ショット…ソードウルフはゾイドフューザーズの後に展開されたアニメ“ゾイドジェネシス”に登場し
た機体ですが、こちらに何故サビンガを出さなかったのだ…。

で、せっかくだからここで合体。オフィシャル設定には有りませんが、私は“ソードタイガー”と呼んでいます。やってみれ
ばこれだけかっこよくなるんだから、やっぱりサビンガをソードウルフに合わせて再販して欲しかったですよ。主人公側の
ゾイドは途中で例外なくパワーアップしているんだから、ソードウルフの強化プランはサビンガ登場にして欲しかったです。
実際は剣を新調した程度だったのです。

では、今度はソードタイガー時のパーツ使用率について…意外な事に、使っているのはサビンガの外装パーツばかりで、本体パーツは丸々
残ってます。そもそもマトリクスドラゴン等の様なゾイドBLOX同士の合体では無いので、大型ゾイドに小型機のパーツを付けるのは無理が有
ったのでしょうか?

総評としては、単品で見るとちょっと厳しめ。殆ど動かないのはいつもの事ですが、単品で褒められるのがウイングスラッシャーくらいしかありません。丸い顔と先端の膨
らんだ尻尾はそれなりにキュートですが、私がゾイドBLOXに求めているのはそれでは無い。ワイツウルフ=ソードウルフとの合体で本領を発揮しますが、各種パーツのク
セが強めなので、他のゾイドBLOXとのチェンジマイズに支障が出そうです。「~~した時こそ本領発揮!」ってのはよくある事ですが、逆を言えば「単品では微妙」なので、
サビンガもそのジンクスからは逃れられなかったのです。しかしモチーフがモモンガ&ムササビなので、例え肘膝が動いたとしても、結局は微妙な出来にしかならなかった
と思います。四肢の長い獣なら兎も角、こじんまりした小動物モチーフじゃあねぇ。
主人公やらライバルががんがん乗り換えたり変身したりするなかサビンガは登場せず。
アニメ最後、末期のタカラトミーは何を考えていたのか首を捻るばかりです
新カテゴリー「バイオゾイド」は最初見た時は“ゾイドじゃねーだろ?どこのダイノゾーンだよ!?”とも思いましたが、
見慣れてくるとこれはこれで魅力を感じたものですが、それ以外はとても褒められるものじゃありませんでした。サビンガ
は上記の通りですが、漸く復刻されたギルベイダーは昭和版のブラック&レッドから、ちっとも似合わないホワイト&ブルーの
成形色にして古参ファンを愕然とさせたり、アイアンコングの仕様変更だったデッドリーコングはサウンドギミックを削除さ
れていたり、ムラサメライガーは組み立てキットですら無かったし…。
アニメ本編は…実は同年に放送されていたガンダムSEED Destinyより戦争ってものをよっぽど描いていたとは思います。つまり、
私は好きですよジェネシス。しかし初期に発売されたゾイドの半数がアニメ本編に出なかったり(特に漸く復刻されたハウンド
ソルジャーとカノンフォートは最後まで登場しませんでした)、夏場に発売されたバイオティラノが登場したのはラスト間際だ
ったり、ギルベイダーことギルドラゴンは単なる大型輸送機扱いだったり、第二エンディング以降が本編との剥離の凄まじい萌え分
たっぷりだったり(どういう層にCD売りたいのか丸分かり)…。
裏番組がプリキュアとか、テレビ東京が全国ネットじゃ無いと不利な状況だったとは言え、流石にこれは無いだろ…・゜・(つД`)・゜・
なまじ好きだっただけに、こんな余計な部分で駄目になったのが無念でなりません。